38 / 66
第三章 ラーメン屋の娯楽革命
3-4 新たな試練
しおりを挟む
カレンは、ラーメン屋を手伝いながら、暫く職探しをしていたが、カーネルダンジョンを制覇した功績から、冒険者ギルドに就職することになった。
カーネルダンジョンの攻略本を執筆するのが、主な仕事だが、冒険者をスキルアップさせる訓練教官も兼ねるらしい。
彼女のクローは、魔物の爪に匹敵して、丁度いいのだそうだ。
そして、俺の方は、新婚旅行から戻った次の月曜日に、事務次官のセオドアから、王宮迄来るようにと呼び出された。
オルジブ共和国の使節団と、王宮の許可を得ずに勝手に対応した事で、お咎めをうけるのかと、びくびくしながら顔をだすと、全くの別件だった。
「使節団? 何のことだ。今日、呼び出したのは、貴様の店に並ぶ行列に関してだ」
「また、いちゃもんをつける気か? 就業開始時間外に食べにくる客は未だにいるが、そこまで責任とりきれないぞ」
店の前には、『休み時間以外の来店はお断りします』と張り紙を出しいてるし、昼の仕込みも、半ラーメンで九十食分として、売り切れ次第、終了として、うちだけに行列がではない様に配慮している。
それでも、開店前に行列ができるし、売れ切れる二時位まで客がいる。
昼休み時間は職種により違うので、追い返す訳にも行かず、これ以上はどうすることもできないのが実情だ。
「その事も問題視しているが、正直、貴様の努力に関しては、セリア様も認めておられる。その事で文句を言おうと呼び出したのではない。セリア様が嘆いておられるのは、一時間近くも無意味に並び、貴重な時間を無駄にしていることに対してだ。その時間も有意義に活用できるような施策を望んでおられる」
「無料で、本を提供し、自己啓発を促せとでもいうつもりか」
「本の貸し出しか。確かに妙案だ。そのような施策をして、民衆に無意味に行列を並ばせることをさせないようにして欲しい。対策までの期限は、一週間、来週の月曜日に視察に行く故、それまでに何らかの対策を講じる様に」
とんでもない無理難題を課してきた。
行列に並ぶお客に有意義な時間を過ごさせるなんて、前世ではありえない要求だ。
スマホがあれば、何時間待っても問題ないが、この世界にはインターネットはない。ただ、ぼうっと待つしかなく、無意味な時間を過ごさせていると言われても、仕方がない。
貸し本を準備するのは簡単だが、そのまま盗難される事態も起こる。すると、セオドアが、今度は、盗難事件を誘発した罪なんかのいちゃもんをつけてきそうで、盗難されない対策を考えなければならない。
一体どうすればいいんだと頭を悩ましていると、ルービックキューブを思い出した。
俺も高校生の時に嵌り、ばらばらに分解したので、作り方もわかるし、時間潰しに最適で、解法考える事で頭の体操になる。
市販されてもいない珍しいものなので、人目のある中で、自分のものの様に鞄に入れて盗難することも無い筈だ。
まてよ。知恵の輪もいい。この世に市販されていない物なら、盗難されるリスクは少ない。
キャストパズルの作り方は分からないので、高度なものは作れないが、簡単な知恵の輪なら、いくつか試作をお願いできそうだ。
翌日の仕込み時間に、早速その鍛冶屋に鋼鉄製の簡単な知恵の輪、数種の試作と、道具屋に木製ルービックキューブの試作を願いに行った。
翌日は定休日だったので、その試作品の確認に行ったがすべてが失敗。
知恵の輪は微妙な曲線と加工精度が必要で、解法以外でも簡単にはずれたり、解法通りの処理をしても外れなかったりして、作り直しが必要だった。
ルービックキューブも、完璧に作ってもらえたが、思った様に自在に回転せず、遊びの隙間を調整する必要があるとわかった。
簡単に思えた物でも、実際に作るとなると大変なのだ。
この日は、一日中、付き合い、何とかルービックキューブの試作品はできたが、知恵の輪の方はだめ。それでも鍛冶屋の親父に調整方法を理解してもらえ、今度こそ完璧なものを作ると言ってもらえた。
持ち帰ったルービックキューブをリック、ケイト、ミミ等に試してもらったが、リックには「こんなものの何が楽しいんだ」と不評だった。けど、ケイトとミミは夢中になってくれ、好評だった。
翌朝、ウイリーたちにも試してもらったが、「こんなパズルは初めてだ」と、感心された。
日曜には、三種類の知恵の輪が、各五セット納品されてきた。
今度のは完璧な出来で、店の三人に確認してもらったが、知恵の輪もこの世界に存在しないとかで、好評だった。
外したものを再び元に戻すのが難しいので、外れたままの部品が混ざり、部品をどのものと組み合わせるればいいのか分からなくなるという新たな問題も見つかったが、部品をペンキで塗装して、混乱しない対策をして、この問題も対処した。
夕方には、ルービックキューブ二十個が納品され、その日は、収納棚作りや、返却のお願いの張り紙、遊び方の説明等を作ったりで、徹夜する羽目になった。
店に並ぶ列の最後尾辺りに、その収容棚を設置して、張り紙もして、店の前にも、返却のお願いの張り紙や、『入店までの待ち時間にパズルで遊んでみませんか』とパズル置き場の地図を載せた張り紙もした。
セオドアに言われた期限となる月曜日、暖簾を出しに行くと、皆、知恵の輪やルービックキューブで遊んでいた。
入店しても、夢中になって遊んでいて、狙い通りだった。
そして、正午過ぎに、約束通りに、セオドアが店に顔をだした。
「お前には、本当に驚かされる。どうやって盗難対策をするのかと期待していたが、今までにないあんな玩具を開発して、盗難対策を兼ねるとは予想だにしなかった。確かに素晴らしいアイデアだが、数が少なすぎる。遊びたい人がいても、全部出払っていて、人のを見て、過ごさざるを得ない者が多数いた」
「分かっています。ですが、複雑で加工精度も要求されるものなので、一週間ではあの数を作るのが限界でした。皆が遊べるだけの数を作る計画になっているので、もう少しだけ時間をくれ」
「セリア様がどう判断するかは分からんが、これで失礼する」
セオドアは、俺がミッションクリアしたので、悔しそうにして、帰って行った。
その夜も、皆が知恵の輪や、ルービックキューブで遊んでいたが、「これを売って欲しい」と言い出すものまで出始めた。
ここにしかないものだから、盗難防止になるので、個人普及すると持ちかえる客もでかねない。
「市販用のパズルを製作中です。来週にはそのパズルを準備しますので、今の時点ではご勘弁下さい」
市販用のパズルなんて手配していないが、適当に嘘をついて、お客様には諦めてもらった。
だが、閉店後、確認すると、ルービックキューブが十二個しかなく、知恵の輪も三種類が一個ずつなくなっていた。
お客様の目があるので、盗難は起きないと考えていたが、誰も並ばない時間なら、盗み放題だった。俺の考えが甘かった。
これがバレると、国民の犯罪を助長したと、また言い掛かりをつけられる。
俺はまたもや、頭を悩ませることになった。
でも、翌日には、その問題も解決した。色が異なるルービックキューブと、一回り小さい知恵の輪セットを作ってもらう事にして、これらを店内で販売すると、ポスターを張り出したのだ。
すると、その日から盗難は起きなくなった。
そもそも、この世界の人たちは、真面目でいい人ばかり。盗難が起きたのは、欲しいのに手に入らないからで、お金で同等品が買えるのなら、犯罪を犯したりはしない。
商品販売するとなると、商業ギルドへの登録が必要になる。
例のピストルの件の慰問を兼ねて、スチュワートさんに会いに行くと、元々白髪だったが、明らかに以前より老け込んでいた。
でも、魔道ピストル保持の法案も通り、保有審査等の準備も整い、何とか持ち直したそうで何よりだ。
そこで、早速玩具の販売許可を貰う事にしたが、許可が得られなかった。
「味噌・醤油の販売は許可しましたが、それも本来は、食材店で販売すべきものです。飲食店で、パズルのような玩具を売るのは許可できません。子供様のランチに玩具をつけるという商法までは許可しますが、玩具の販売は、玩具屋ですべきです。味噌・醤油も含めて販売する雑貨屋でも開業して下さい」
流石にそれはできないというと、玩具屋への紹介状を書いてもらえた。
その店と交渉して、商品販売しろということらしい。
そこの店主は、一メートル四方もない販売エリアの棚を貸してくれ、そこに商品を展示して販売してよいと言ってくれた。だが、ちゃっかり店舗貸し出し代金を取られた。その額、なんと、月に二百ギル。
それでも、自分の店を持つよりはずっと安く、店主が販売対応もしてくれるので、人件費もかからないので、契約した。商人は皆、がめつい人たちばかりだ。
でも、とんでもない売れ行きとなったので、そのおもちゃ屋の店主が、ルービックキューブや知恵の輪セットの製造販売の権利を欲しいと頼み込んできた。
いちいち、製作依頼して店頭に並べるのは手間なので、販売価格は現状を維持してもらう条件で、マージンは売上げの三パーセントで契約した。
これで、再び、ラーメン屋に専念できる。
そう思っていると、ケイトが泣きついてきた。
セオドアが、お好み焼き屋にも文句を言いに来たらしい。
お好み焼き屋は、その性質上、長蛇の列ができることはなく、数組が店内の待合スペースで待つ程度だが、回転率が悪いので、一時間近く待つ場合もあると、いちゃもんをつけて来たのだ。
そこで、うちでやったのと同じ対策を取りたいらしく、ルービックキューブや、知恵の輪を提供してほしいと言ってきた。
勿論、それでも良かったが、移動せず、待合スペースに仲間や家族で待つのであれば、囲碁・将棋のようなボードゲームの方がいい。
囲碁将棋だと、二人だけの対戦になるが、モノポリーや、人生ゲーム等なら、皆で楽しめる。
だが、それだと、直ぐに終わらない。比較的短時間で終わる人生ゲームでも三十分はかかってしまう。
十五分程度で決着のつくゲームとなると、トランプゲーム。
でも、ご自由にお遊び下さいと、トランプを置いても、手に取ってくれるとは思えない。
なら、この世界にない、トランプゲームを普及させようか。
そんなことを考えていると、リバーシー、オセロを思いついた。
二人対戦になってしまうが、この世界にないゲームなので最適だ。テキパキ打てば、五分で決着がつくし、ルールも簡単だ。
外野も、見物しながら、楽しめるし、直ぐに決着がつくので、対戦相手を変えて、楽しめばいいだけの話だ。
そういう訳で、ケイトにはオセロというゲームのアイデアを提供し、彼女自身に製作依頼や、オリジナル権登録、販路確保に動いてもらう事にした。
カーネルダンジョンの攻略本を執筆するのが、主な仕事だが、冒険者をスキルアップさせる訓練教官も兼ねるらしい。
彼女のクローは、魔物の爪に匹敵して、丁度いいのだそうだ。
そして、俺の方は、新婚旅行から戻った次の月曜日に、事務次官のセオドアから、王宮迄来るようにと呼び出された。
オルジブ共和国の使節団と、王宮の許可を得ずに勝手に対応した事で、お咎めをうけるのかと、びくびくしながら顔をだすと、全くの別件だった。
「使節団? 何のことだ。今日、呼び出したのは、貴様の店に並ぶ行列に関してだ」
「また、いちゃもんをつける気か? 就業開始時間外に食べにくる客は未だにいるが、そこまで責任とりきれないぞ」
店の前には、『休み時間以外の来店はお断りします』と張り紙を出しいてるし、昼の仕込みも、半ラーメンで九十食分として、売り切れ次第、終了として、うちだけに行列がではない様に配慮している。
それでも、開店前に行列ができるし、売れ切れる二時位まで客がいる。
昼休み時間は職種により違うので、追い返す訳にも行かず、これ以上はどうすることもできないのが実情だ。
「その事も問題視しているが、正直、貴様の努力に関しては、セリア様も認めておられる。その事で文句を言おうと呼び出したのではない。セリア様が嘆いておられるのは、一時間近くも無意味に並び、貴重な時間を無駄にしていることに対してだ。その時間も有意義に活用できるような施策を望んでおられる」
「無料で、本を提供し、自己啓発を促せとでもいうつもりか」
「本の貸し出しか。確かに妙案だ。そのような施策をして、民衆に無意味に行列を並ばせることをさせないようにして欲しい。対策までの期限は、一週間、来週の月曜日に視察に行く故、それまでに何らかの対策を講じる様に」
とんでもない無理難題を課してきた。
行列に並ぶお客に有意義な時間を過ごさせるなんて、前世ではありえない要求だ。
スマホがあれば、何時間待っても問題ないが、この世界にはインターネットはない。ただ、ぼうっと待つしかなく、無意味な時間を過ごさせていると言われても、仕方がない。
貸し本を準備するのは簡単だが、そのまま盗難される事態も起こる。すると、セオドアが、今度は、盗難事件を誘発した罪なんかのいちゃもんをつけてきそうで、盗難されない対策を考えなければならない。
一体どうすればいいんだと頭を悩ましていると、ルービックキューブを思い出した。
俺も高校生の時に嵌り、ばらばらに分解したので、作り方もわかるし、時間潰しに最適で、解法考える事で頭の体操になる。
市販されてもいない珍しいものなので、人目のある中で、自分のものの様に鞄に入れて盗難することも無い筈だ。
まてよ。知恵の輪もいい。この世に市販されていない物なら、盗難されるリスクは少ない。
キャストパズルの作り方は分からないので、高度なものは作れないが、簡単な知恵の輪なら、いくつか試作をお願いできそうだ。
翌日の仕込み時間に、早速その鍛冶屋に鋼鉄製の簡単な知恵の輪、数種の試作と、道具屋に木製ルービックキューブの試作を願いに行った。
翌日は定休日だったので、その試作品の確認に行ったがすべてが失敗。
知恵の輪は微妙な曲線と加工精度が必要で、解法以外でも簡単にはずれたり、解法通りの処理をしても外れなかったりして、作り直しが必要だった。
ルービックキューブも、完璧に作ってもらえたが、思った様に自在に回転せず、遊びの隙間を調整する必要があるとわかった。
簡単に思えた物でも、実際に作るとなると大変なのだ。
この日は、一日中、付き合い、何とかルービックキューブの試作品はできたが、知恵の輪の方はだめ。それでも鍛冶屋の親父に調整方法を理解してもらえ、今度こそ完璧なものを作ると言ってもらえた。
持ち帰ったルービックキューブをリック、ケイト、ミミ等に試してもらったが、リックには「こんなものの何が楽しいんだ」と不評だった。けど、ケイトとミミは夢中になってくれ、好評だった。
翌朝、ウイリーたちにも試してもらったが、「こんなパズルは初めてだ」と、感心された。
日曜には、三種類の知恵の輪が、各五セット納品されてきた。
今度のは完璧な出来で、店の三人に確認してもらったが、知恵の輪もこの世界に存在しないとかで、好評だった。
外したものを再び元に戻すのが難しいので、外れたままの部品が混ざり、部品をどのものと組み合わせるればいいのか分からなくなるという新たな問題も見つかったが、部品をペンキで塗装して、混乱しない対策をして、この問題も対処した。
夕方には、ルービックキューブ二十個が納品され、その日は、収納棚作りや、返却のお願いの張り紙、遊び方の説明等を作ったりで、徹夜する羽目になった。
店に並ぶ列の最後尾辺りに、その収容棚を設置して、張り紙もして、店の前にも、返却のお願いの張り紙や、『入店までの待ち時間にパズルで遊んでみませんか』とパズル置き場の地図を載せた張り紙もした。
セオドアに言われた期限となる月曜日、暖簾を出しに行くと、皆、知恵の輪やルービックキューブで遊んでいた。
入店しても、夢中になって遊んでいて、狙い通りだった。
そして、正午過ぎに、約束通りに、セオドアが店に顔をだした。
「お前には、本当に驚かされる。どうやって盗難対策をするのかと期待していたが、今までにないあんな玩具を開発して、盗難対策を兼ねるとは予想だにしなかった。確かに素晴らしいアイデアだが、数が少なすぎる。遊びたい人がいても、全部出払っていて、人のを見て、過ごさざるを得ない者が多数いた」
「分かっています。ですが、複雑で加工精度も要求されるものなので、一週間ではあの数を作るのが限界でした。皆が遊べるだけの数を作る計画になっているので、もう少しだけ時間をくれ」
「セリア様がどう判断するかは分からんが、これで失礼する」
セオドアは、俺がミッションクリアしたので、悔しそうにして、帰って行った。
その夜も、皆が知恵の輪や、ルービックキューブで遊んでいたが、「これを売って欲しい」と言い出すものまで出始めた。
ここにしかないものだから、盗難防止になるので、個人普及すると持ちかえる客もでかねない。
「市販用のパズルを製作中です。来週にはそのパズルを準備しますので、今の時点ではご勘弁下さい」
市販用のパズルなんて手配していないが、適当に嘘をついて、お客様には諦めてもらった。
だが、閉店後、確認すると、ルービックキューブが十二個しかなく、知恵の輪も三種類が一個ずつなくなっていた。
お客様の目があるので、盗難は起きないと考えていたが、誰も並ばない時間なら、盗み放題だった。俺の考えが甘かった。
これがバレると、国民の犯罪を助長したと、また言い掛かりをつけられる。
俺はまたもや、頭を悩ませることになった。
でも、翌日には、その問題も解決した。色が異なるルービックキューブと、一回り小さい知恵の輪セットを作ってもらう事にして、これらを店内で販売すると、ポスターを張り出したのだ。
すると、その日から盗難は起きなくなった。
そもそも、この世界の人たちは、真面目でいい人ばかり。盗難が起きたのは、欲しいのに手に入らないからで、お金で同等品が買えるのなら、犯罪を犯したりはしない。
商品販売するとなると、商業ギルドへの登録が必要になる。
例のピストルの件の慰問を兼ねて、スチュワートさんに会いに行くと、元々白髪だったが、明らかに以前より老け込んでいた。
でも、魔道ピストル保持の法案も通り、保有審査等の準備も整い、何とか持ち直したそうで何よりだ。
そこで、早速玩具の販売許可を貰う事にしたが、許可が得られなかった。
「味噌・醤油の販売は許可しましたが、それも本来は、食材店で販売すべきものです。飲食店で、パズルのような玩具を売るのは許可できません。子供様のランチに玩具をつけるという商法までは許可しますが、玩具の販売は、玩具屋ですべきです。味噌・醤油も含めて販売する雑貨屋でも開業して下さい」
流石にそれはできないというと、玩具屋への紹介状を書いてもらえた。
その店と交渉して、商品販売しろということらしい。
そこの店主は、一メートル四方もない販売エリアの棚を貸してくれ、そこに商品を展示して販売してよいと言ってくれた。だが、ちゃっかり店舗貸し出し代金を取られた。その額、なんと、月に二百ギル。
それでも、自分の店を持つよりはずっと安く、店主が販売対応もしてくれるので、人件費もかからないので、契約した。商人は皆、がめつい人たちばかりだ。
でも、とんでもない売れ行きとなったので、そのおもちゃ屋の店主が、ルービックキューブや知恵の輪セットの製造販売の権利を欲しいと頼み込んできた。
いちいち、製作依頼して店頭に並べるのは手間なので、販売価格は現状を維持してもらう条件で、マージンは売上げの三パーセントで契約した。
これで、再び、ラーメン屋に専念できる。
そう思っていると、ケイトが泣きついてきた。
セオドアが、お好み焼き屋にも文句を言いに来たらしい。
お好み焼き屋は、その性質上、長蛇の列ができることはなく、数組が店内の待合スペースで待つ程度だが、回転率が悪いので、一時間近く待つ場合もあると、いちゃもんをつけて来たのだ。
そこで、うちでやったのと同じ対策を取りたいらしく、ルービックキューブや、知恵の輪を提供してほしいと言ってきた。
勿論、それでも良かったが、移動せず、待合スペースに仲間や家族で待つのであれば、囲碁・将棋のようなボードゲームの方がいい。
囲碁将棋だと、二人だけの対戦になるが、モノポリーや、人生ゲーム等なら、皆で楽しめる。
だが、それだと、直ぐに終わらない。比較的短時間で終わる人生ゲームでも三十分はかかってしまう。
十五分程度で決着のつくゲームとなると、トランプゲーム。
でも、ご自由にお遊び下さいと、トランプを置いても、手に取ってくれるとは思えない。
なら、この世界にない、トランプゲームを普及させようか。
そんなことを考えていると、リバーシー、オセロを思いついた。
二人対戦になってしまうが、この世界にないゲームなので最適だ。テキパキ打てば、五分で決着がつくし、ルールも簡単だ。
外野も、見物しながら、楽しめるし、直ぐに決着がつくので、対戦相手を変えて、楽しめばいいだけの話だ。
そういう訳で、ケイトにはオセロというゲームのアイデアを提供し、彼女自身に製作依頼や、オリジナル権登録、販路確保に動いてもらう事にした。
6
あなたにおすすめの小説
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる