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第三章 裏切りと復讐の果て
嵌められてしまいました
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十五体居た筈のワイバーンは、残り五匹程となっていた。だが、隊長を含め五十二人いた筈のB小隊は、後方で救助活動している数人を除き、たったの八人。ほとんどの冒険者が、戦闘不能になって、戦線離脱していた。
敵は、五体のワイバーン以外にも、百人程の騎馬兵と歩兵が後方で待機している。
これは押されているなんて状況ではなく、もう壊滅を待つだけという状況だった。
「皆、行くよ。リット、ケントは右二体、ミラとレオさんは左の二体をお願い」
メグが実質この小隊のリーダーで、メグを含む五人が、それぞれ十人程を率いて、細かい指示を出しながら討伐することになっている。
C小隊は、横に広がり、地上に降りて、扇型になって戦っている五体の竜の正面と側面を同時に突く様に、展開していく。
それを見て、後方で待機していたロンブル帝国軍も、突撃を開始した。
ドカン。
その騎馬隊の鼻先で、大爆発が起き、帝国軍の足が止まる。メグが、爆裂魔法を放ったのだ。敢えて直撃を避ける様に放ったのだが、それでも大怪我したものは多数いる。
人間との戦闘を避けるためには、やむをえない選択だったが、メグは心が痛んでならなかった。
だが、冒険者八人と対峙していた竜も、C小隊が突撃してくることに気づき、矛先を変えて、火球を吐きながら、飛び立とうとし始める。
飛ばれると厄介なので、その前に、翼を切ろうと、飛び込んでいった時だった。
『彼らは無理やり戦わされているだけだ。同胞を苦しみから解放してくれ』
突然、頭の中に、魔界語の言葉が聞こえた。セージの声とは違う、もっと低音で、素敵な声だった。
『あなたは誰。どういう意味』
念じてみたら、『メグ様、セージですが、何のことでしょう』とセージが回答してきた。
その言葉で、つい躊躇してしまったため、ボス竜は、上空に逃げてしまった。他の竜も、次々と上空に舞い上がっていく。
そして、爆炎の中から、鎧兜の将らしき騎士が、単騎で走り寄ってきた。
「雑魚は無視だ。先ずは。この女を全員で仕留めろ」
その将は、魔界語で、ワイバーンに命令を出した。
どうやら、この男が、魔物使いらしい。
空高く飛び立った五体が一斉に、メグの方に近づいて来て、火球を口から吐いて攻撃してきた。
メグは、彼らの吐く火球を交わしながら、ワイバーンに魔界語で話しかける。
「あなたたちは、なんで、あんな男に従っているの」
「女と子どもが捕えられている。従わないと殺される。だから死んでくれ」
一番大きいボスらしき竜がそう答えて、ダイブアタックしてきた。
メグは、剣で反撃しようとして、その手を止めた。
「私が今、あの男を殺して、解放してあげるから、攻撃は止めて」
「できない。彼を守り切れなくても、殺される」
「そういう事だ。こいつらは、お前を殺さない限り、皆殺しになるのさ。こんな美人だとは思わなかったので少し惜しいが、同情するなら、大人しく、やられてくれ」
男は、魔界語でメグにそういうと、一目散に逃走を始めた。
なんで、ロンブル帝国の魔物使いが、私の事を、知っているんだろう。
不思議でならなかったが、メグは火球をかいくぐりながら、三倍速で追いかけて、切りかかった。
だが、一匹のワイバーンが、体当たりするように急降下してきて、邪魔をした。
自らが盾になって、刃を受け、魔物使いを守ったのだ。そして、男は、体勢を立て直したロンブル軍の中に、逃げ込んでしまった。
そして、そのロンブル軍が、一斉に、メグ目掛けて襲い掛かる。
このままでは、人間との戦闘になってしまう。
メグは、岩柱壁、高圧放水、火炎放射等で、敵軍の足を足止めしながら、後退し、少しずつ距離を稼いでいく。
ドカン。今度は敵軍の背後で大爆発が起きた。メグを援護するように、リットが爆裂魔法を放ってくれたのだ。爆裂魔法は、クールタイムが信じがたい程長く、戦闘中は一度しか使えない究極魔法だが、今がその時だと、放ってくれた。ありがたい。
恐らく、数分でまた態勢を立て直すに違いないが、今のうちに、ワイバーンを全滅させれば、きっと退散していくに違いない。
そう考えて、ワイバーン討伐に専念しようと戻ると、皆、適切な対応をしてくれていて、ボス以外のワイバーンは、既に飛べなくなっていて、地上戦になっていた。
メグも、ボスに落雷、つらら攻撃、火球攻撃を出し、ボスワイバーンを地上に下すことに成功した。
もうすぐ、決着がつく。
そう思っいなから、戦っていると、なぜか、仲間たちが、次々と火球の直撃を浴び始める。メグも、戦いながら、彼らに治癒魔法を掛けに、周らなければならなくなる。
直ぐに決着がつくと思っていたのに、長期戦になってしまった。
敵軍は、既に立て直して陣形を整えていたが、なぜか突撃してこず、静観している。
ワイバーンが塵になると、すかさず騎馬兵が、走り寄って来て、魔結晶を回収すると、すぐ退却するを繰り返している。
そして、ワイバーンが、残り二体となった時、仲間が次々とやられた理由が分かった。身体が急にしびれて来て、動けなくなり始めたのだ。
どうやら、あのハープティーに遅効性の毒が入っていたらしい。
何とかB小隊の生き残りで、ワイバーンの一頭を仕留めてくれ、残りはボス一頭だけになったが、C小隊の全員が戦闘不能になっていた。
そこに、火球が飛んできた。
メグは十倍加速で、痺れる身体でも、なんとか交わし、リュックから毒消し薬を取り出そうとするが、鞄の中の毒消し薬がなくなっていた。
昨日の火事騒ぎの時、毒消し薬も取られていたのだ。
ロンブル軍が、ゆっくりとメグに近づいてきた。
「この女はもういい。お前は、他の奴らを焼き殺せ」
魔獣使いの男は、残り一体となったボスワイバーンに命令してから、今度は部下たちに向かって、「念のため、一人ずつ、止めを刺してこい」と命令をだした。
そして、馬から降り、メグの髪の毛を掴んで、メグの顔を見て、ニヤリと笑う。
「最強魔法剣士といっても、俺の知略に掛かればこんなもんだ。なかないにいい女だから、お前だけは殺さないでやる。しっかり薬漬けにして、従順な俺の部下に調教してやるよ」
男は、そう言ってから、鞘のままの剣で、メグの頭を殴り気絶させた。
敵は、五体のワイバーン以外にも、百人程の騎馬兵と歩兵が後方で待機している。
これは押されているなんて状況ではなく、もう壊滅を待つだけという状況だった。
「皆、行くよ。リット、ケントは右二体、ミラとレオさんは左の二体をお願い」
メグが実質この小隊のリーダーで、メグを含む五人が、それぞれ十人程を率いて、細かい指示を出しながら討伐することになっている。
C小隊は、横に広がり、地上に降りて、扇型になって戦っている五体の竜の正面と側面を同時に突く様に、展開していく。
それを見て、後方で待機していたロンブル帝国軍も、突撃を開始した。
ドカン。
その騎馬隊の鼻先で、大爆発が起き、帝国軍の足が止まる。メグが、爆裂魔法を放ったのだ。敢えて直撃を避ける様に放ったのだが、それでも大怪我したものは多数いる。
人間との戦闘を避けるためには、やむをえない選択だったが、メグは心が痛んでならなかった。
だが、冒険者八人と対峙していた竜も、C小隊が突撃してくることに気づき、矛先を変えて、火球を吐きながら、飛び立とうとし始める。
飛ばれると厄介なので、その前に、翼を切ろうと、飛び込んでいった時だった。
『彼らは無理やり戦わされているだけだ。同胞を苦しみから解放してくれ』
突然、頭の中に、魔界語の言葉が聞こえた。セージの声とは違う、もっと低音で、素敵な声だった。
『あなたは誰。どういう意味』
念じてみたら、『メグ様、セージですが、何のことでしょう』とセージが回答してきた。
その言葉で、つい躊躇してしまったため、ボス竜は、上空に逃げてしまった。他の竜も、次々と上空に舞い上がっていく。
そして、爆炎の中から、鎧兜の将らしき騎士が、単騎で走り寄ってきた。
「雑魚は無視だ。先ずは。この女を全員で仕留めろ」
その将は、魔界語で、ワイバーンに命令を出した。
どうやら、この男が、魔物使いらしい。
空高く飛び立った五体が一斉に、メグの方に近づいて来て、火球を口から吐いて攻撃してきた。
メグは、彼らの吐く火球を交わしながら、ワイバーンに魔界語で話しかける。
「あなたたちは、なんで、あんな男に従っているの」
「女と子どもが捕えられている。従わないと殺される。だから死んでくれ」
一番大きいボスらしき竜がそう答えて、ダイブアタックしてきた。
メグは、剣で反撃しようとして、その手を止めた。
「私が今、あの男を殺して、解放してあげるから、攻撃は止めて」
「できない。彼を守り切れなくても、殺される」
「そういう事だ。こいつらは、お前を殺さない限り、皆殺しになるのさ。こんな美人だとは思わなかったので少し惜しいが、同情するなら、大人しく、やられてくれ」
男は、魔界語でメグにそういうと、一目散に逃走を始めた。
なんで、ロンブル帝国の魔物使いが、私の事を、知っているんだろう。
不思議でならなかったが、メグは火球をかいくぐりながら、三倍速で追いかけて、切りかかった。
だが、一匹のワイバーンが、体当たりするように急降下してきて、邪魔をした。
自らが盾になって、刃を受け、魔物使いを守ったのだ。そして、男は、体勢を立て直したロンブル軍の中に、逃げ込んでしまった。
そして、そのロンブル軍が、一斉に、メグ目掛けて襲い掛かる。
このままでは、人間との戦闘になってしまう。
メグは、岩柱壁、高圧放水、火炎放射等で、敵軍の足を足止めしながら、後退し、少しずつ距離を稼いでいく。
ドカン。今度は敵軍の背後で大爆発が起きた。メグを援護するように、リットが爆裂魔法を放ってくれたのだ。爆裂魔法は、クールタイムが信じがたい程長く、戦闘中は一度しか使えない究極魔法だが、今がその時だと、放ってくれた。ありがたい。
恐らく、数分でまた態勢を立て直すに違いないが、今のうちに、ワイバーンを全滅させれば、きっと退散していくに違いない。
そう考えて、ワイバーン討伐に専念しようと戻ると、皆、適切な対応をしてくれていて、ボス以外のワイバーンは、既に飛べなくなっていて、地上戦になっていた。
メグも、ボスに落雷、つらら攻撃、火球攻撃を出し、ボスワイバーンを地上に下すことに成功した。
もうすぐ、決着がつく。
そう思っいなから、戦っていると、なぜか、仲間たちが、次々と火球の直撃を浴び始める。メグも、戦いながら、彼らに治癒魔法を掛けに、周らなければならなくなる。
直ぐに決着がつくと思っていたのに、長期戦になってしまった。
敵軍は、既に立て直して陣形を整えていたが、なぜか突撃してこず、静観している。
ワイバーンが塵になると、すかさず騎馬兵が、走り寄って来て、魔結晶を回収すると、すぐ退却するを繰り返している。
そして、ワイバーンが、残り二体となった時、仲間が次々とやられた理由が分かった。身体が急にしびれて来て、動けなくなり始めたのだ。
どうやら、あのハープティーに遅効性の毒が入っていたらしい。
何とかB小隊の生き残りで、ワイバーンの一頭を仕留めてくれ、残りはボス一頭だけになったが、C小隊の全員が戦闘不能になっていた。
そこに、火球が飛んできた。
メグは十倍加速で、痺れる身体でも、なんとか交わし、リュックから毒消し薬を取り出そうとするが、鞄の中の毒消し薬がなくなっていた。
昨日の火事騒ぎの時、毒消し薬も取られていたのだ。
ロンブル軍が、ゆっくりとメグに近づいてきた。
「この女はもういい。お前は、他の奴らを焼き殺せ」
魔獣使いの男は、残り一体となったボスワイバーンに命令してから、今度は部下たちに向かって、「念のため、一人ずつ、止めを刺してこい」と命令をだした。
そして、馬から降り、メグの髪の毛を掴んで、メグの顔を見て、ニヤリと笑う。
「最強魔法剣士といっても、俺の知略に掛かればこんなもんだ。なかないにいい女だから、お前だけは殺さないでやる。しっかり薬漬けにして、従順な俺の部下に調教してやるよ」
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