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第四章 この世界の秘密
勇者であっても
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「どうなってるんだ。痛くないぞ。ほらこの通りだ」
さっきまで、骨折した足を引き摺って、スケルトンの軍勢と痛そうに戦っていた邪眼の目のリーダージェットが、その場で、ぴょんぴょんと飛び跳ねた。
「本当だ、俺も痛くない」
コリンも、邪眼の目の戦士たちも、身体を捻ったり、屈伸したりし始める。
「勇者の加護は、パーティーを組んでいる全員に効果があるみたいですね」
鎖骨を骨折していたリットも、ぐるぐると肩をまわしていた。
肋骨を骨折していたメグも、胸の痛みがなくなっていることに漸く気づき、これも勇者の加護の一つなんだと、漸く気づいた。
「新たな勇者の誕生だ。万歳、万歳、万歳」
ジェット掛け声で、全員が万歳三唱して、メグが勇者の加護を得た事を喜んだ。
「これなら、楽に王都まで帰れるな」
「その前に、鞘を探そう。どこかにある筈だ」
ケントの提案で、皆で辺りを探してみたが、聖剣の鞘はどこにも見つからなかった。
仕方なく、メグがむき身のまま、剣を持って、戻ることにしたが、勇者の加護は、とんでもないものだった。
地下三階層のB級魔物が、嘘みたいに弱く見える程、全員が強くなっていた。
「勇者一行って、ずるいな。身体強化魔法を二倍掛けたみたいに、強くなれる」
モローのいう通りで、B級魔物三体が相手でも、瞬殺するように進むことができた。
身体強化魔法は、二重に掛けても効果がないが、勇者の加護は、二倍に掛けた様な効果になり、通常の四倍の瞬発力を得ることができ、その破壊力も信じられない程に跳ね上がる。
そんな訳で、骨折していることなんてすっかり忘れて、激しく動き回って、地下迷宮を抜け、洞窟を出て、いつもの場所で、野営することになったのだが、聖剣を置いた途端、急に胸が痛くなり、骨折していた皆が絶叫し始めた。
聖剣から、手を離すと、勇者の加護が消えるのだ。骨折していたのに、暴れまわったことで、骨折が更に悪化し、とんでもない痛みに襲われることになった。
怪我人は、戦闘参加すべきでないと、改めて、知ることになったが、もう遅い。
聖剣を握ることで、痛みは再び消えたが、寝ている時が問題だ。手に包帯をして、剣を放せない状態にして、寝ることにしたが、メグは寝相が悪いので、大変なことになった。
その後怪我人は、戦闘参加したり走ったりしない様にして、王都に戻り、解散した。そして、オリーブの芽だけで、王宮に報告にいこうとしていたら、モローが慌てて戻ってきた。メグから、三百メートル程離れると、勇者の加護が届かなくなるのだ。
結局、全員で聖剣エクスカリバーを手に入れたことを報告に王宮に向かった。
謁見を許されたのは、四人だけだったので、他の九人は控室に待機してもらい、女王に報告したが、「予が、聖剣に相応しい鞘を造る故、その剣を預けよ」と言い出した。
滅相もないと辞退しようとたが、どうにもらなず、激痛に耐えて、聖剣を女王に渡した。
メグとリットは何とか耐えられる程度の痛みだが、控室にいた骨折した四人は、きっと泣きわめいているに違いない。
その後、女王陛下から、魔王調査の進捗きいた。
神に伺いを立て、魔王のいる場所を探しているが、未だ託宣はなく、もうしばらくかかりそうだとの話だった。
「どうした、勇者マーガレット・ヴィダーよ。顔色が悪いぞ」
漸く、リットとメグの様子がおかしいことに気づいてくれた。
正直に事情を話したが、それでも、聖剣は返却してもらえなかった。
その代わりとして、骨折している六人とも、国費で治癒舎に入舎して治療に専念することになった。
この程度の骨折なら、治癒魔法だけで問題なく治るが、痛み緩和は治癒舎の妖精治療の方が優れているし、完治も早い。
お蔭で、メグ、リットは二日で、複雑骨折だったコリンも僅か四日で、完治することができた。
五日後、聖剣の鞘ができたと知らせがあり、早速、聖剣を返してもらいに王宮に出向いたが、その鞘は、宝石がちりばめた豪華なものだった。
こんなものを帯刀していたら、絶対に泥棒に狙われる。宿屋でも熟睡できなくなるのに、女王は何を考えているんだと不満だったが、有難く感謝して、その場を後にした。
そして、鞘を造ってもらえるところを紹介してもらおうと、鍛冶屋の大将の所に立ち寄った。
大将は、快く、腕のいい鞘づくりの職人を紹介してくれたが、その時、その聖剣を見て目を丸くして驚いた。聖剣なので鉄ではなく、レア鉱石のミスリルでできているのだろうと考えていたらしいが、神の鉱石と呼ばれるオリハルコンというと超レア鉱石でできていたのだ。
この鉱石は、入手困難なだけでなく、ドワーフと呼ばれる絶滅した種族でないと打てない硬い石なんだとか。
ミスリルなら修理もなんとかできるが、オリハルコンとなると、研磨位はできても、修理はできないのだそう。
折れたら二度と元には戻らないから、大事に使えと注意された。
手に入れた時の不可思議な体験や、勇者の加護の話をしたら、この鉱石なら、不思議な事が起きても、おかしくないとも言われ、大将の師匠から聞いたという話を聞かせてくれた。
大将の師匠が見習いだった時、オリハルコン製ナイフの研磨依頼があったのだそう。
そのナイフは所有者以外が触れると、活力がそのナイフに吸い取られ、疲労困憊してしまい研磨するのも容易でない代物だったのだそう。そして、その所有者がナイフを振るうと、ナイフから火球がでて、その火球が信じられない程の威力だったのだとか。
オリハルコンというのは、魔法の杖や、魔道具等に埋め込まれて使われ、魔法をブーストしたり、魔法を蓄えたりすることができる効果があるので、オリハルコンで作られた武器は、魔法のような能力を秘めているのだろうという説明だった。
聖剣の秘密に触れられたことを深く感謝して、今度は紹介してもらった鞘職人の許に向かった。
その人は、国からこの聖剣の鞘づくりを依頼された人だった。注文通りに造ったが、そう言ってくる気がしたと、鞘を目隠しするカバーケースを出して来た。
それを鞘に被せれば、みすぼらしい普通の剣にカモフラージュでき、盗難のリスクもかなり軽減できる。
代金はいらないと、只でそのカバーを頂き、お礼を言って、今度は馬に乗って、石切り場へと向かった。
鍛冶屋の大将からきいたオリハルコンの能力があるのなら、魔法に何らかの変化があるかもしれないと、確認しにきたのだ。
残念ながら、この聖剣の場合、剣を持っていても、魔法の威力は変わらず、クールタイムも変化はなかった。
ただ、三度目のライトニングの発動に成功した。勝ちたいと強く念じ、身体から光を放つイメージを持つだけで、勝手に発動する。
通常の魔法は、物理現象を理解していないと発動できないので、なぜ発動できるかが、不思議でならないが、もしかして、そのイメージが、詠唱代わりになって、アルフヘイムに何の魔法を発動したいのかを、伝えているだけなのかもしれない。
その詠唱代わりのイメージが、曖昧だったために、今までは発動できなかったが、聖剣が補助してくれ、発動できるようになったということなのだろう。
そうだとすると、きちんとした無詠唱の魔法発動にはなっていないということになるが、発動タイミングは、この魔法では重要ではないし、発動できるようになっただけで、十分だ。
でも、クールタイムが、やたらと長い。爆裂魔法と同じで、三十分もある。
ジャッジさん達が、四天王にやられた理由は、ライトニングが出せない状態で、戦わざるを得ない状態だったからに違いない。
爆裂魔法と同様に、使いどころが難しい魔法だ。
でも、これで、ベルゼブブが相手でも、対等に戦えそう。
そんな訳で、勇者の加護とライトニングとで、どの程度戦えるかを確認するため、地下迷宮迷宮のA級魔物狩りの依頼を受けて、地下三階層に行くことにした。
身体強化したうえで、勇者の加護が加わると、それだけでとんでもなく強くなれるが、ライトニングまで加えると、筆舌しがたい強さになる。A級魔物がC級魔物に思えるくらいで、A級魔物なのに、短時間で無傷で狩れてしまえた。
残念ながら、ボスエリアは無人で、あの魔人ベルゼブブを討ち取れるかの確認は取れずにいるが、対等以上に戦える気がする。
それから、瞬発力と自信がついてきたからか、不意を突かれた時は、足手まといだったミカも、敵の攻撃を交わし、ちゃんと弓矢で反撃できるようになってきた。ミミも、近接されても落ち着いて、ちゃんとした威力で魔法を連発できるようになってきて、頼もしい魔導士になった。
これで準備は万端。後は、魔王の居所さえ、判明すれば、魔王討伐に動くだけだが、魔王と対峙する決心が未だにつかない。
ロンブル帝国を支配した時は、捕虜にした人間に、とんでもない悪事を働いていたし、人間界を滅ぼそうとしているなら、魔王を討伐するしかないと、自分に言い聞かせてはいるが、心の葛藤があるのか、父を討ち取る夢を見て、うなされる。
父は、本当に、人間を滅ぼそうとしているのだろうか。
ロンブル帝国領のザラネスクにて、魔物の大群が姿を消した意図は、人間との戦争を回避しようとしたのではないかとすら思えるし、ワイバーンと対峙する時に聞こえた男の声は、父の声だった気もする。
魔物を迫害する人間に鉄槌を下し、ロンブル帝国は滅ぼしたが、平和を願う人間とは、争う意図がないのではと、思えてならない。
だから、父の真意を確かめたい。
それに、セージの体調も気にかかっている。セージは、私を人間界に逃がした罪で、魔王城の地下牢に投獄されているが、その所為で体調を壊したのか、最近、どことなく元気がなく、話の最中に咳き込んだりする。本人は、大丈夫と言ってるが、かなり体調が悪いにちがいない。
だから、一刻も早く、セージを助け出してあげたい。
その二つの理由から、魔王城の所在が判明しだい、独りで乗り込もうかとすら考え始めたメグだった。
さっきまで、骨折した足を引き摺って、スケルトンの軍勢と痛そうに戦っていた邪眼の目のリーダージェットが、その場で、ぴょんぴょんと飛び跳ねた。
「本当だ、俺も痛くない」
コリンも、邪眼の目の戦士たちも、身体を捻ったり、屈伸したりし始める。
「勇者の加護は、パーティーを組んでいる全員に効果があるみたいですね」
鎖骨を骨折していたリットも、ぐるぐると肩をまわしていた。
肋骨を骨折していたメグも、胸の痛みがなくなっていることに漸く気づき、これも勇者の加護の一つなんだと、漸く気づいた。
「新たな勇者の誕生だ。万歳、万歳、万歳」
ジェット掛け声で、全員が万歳三唱して、メグが勇者の加護を得た事を喜んだ。
「これなら、楽に王都まで帰れるな」
「その前に、鞘を探そう。どこかにある筈だ」
ケントの提案で、皆で辺りを探してみたが、聖剣の鞘はどこにも見つからなかった。
仕方なく、メグがむき身のまま、剣を持って、戻ることにしたが、勇者の加護は、とんでもないものだった。
地下三階層のB級魔物が、嘘みたいに弱く見える程、全員が強くなっていた。
「勇者一行って、ずるいな。身体強化魔法を二倍掛けたみたいに、強くなれる」
モローのいう通りで、B級魔物三体が相手でも、瞬殺するように進むことができた。
身体強化魔法は、二重に掛けても効果がないが、勇者の加護は、二倍に掛けた様な効果になり、通常の四倍の瞬発力を得ることができ、その破壊力も信じられない程に跳ね上がる。
そんな訳で、骨折していることなんてすっかり忘れて、激しく動き回って、地下迷宮を抜け、洞窟を出て、いつもの場所で、野営することになったのだが、聖剣を置いた途端、急に胸が痛くなり、骨折していた皆が絶叫し始めた。
聖剣から、手を離すと、勇者の加護が消えるのだ。骨折していたのに、暴れまわったことで、骨折が更に悪化し、とんでもない痛みに襲われることになった。
怪我人は、戦闘参加すべきでないと、改めて、知ることになったが、もう遅い。
聖剣を握ることで、痛みは再び消えたが、寝ている時が問題だ。手に包帯をして、剣を放せない状態にして、寝ることにしたが、メグは寝相が悪いので、大変なことになった。
その後怪我人は、戦闘参加したり走ったりしない様にして、王都に戻り、解散した。そして、オリーブの芽だけで、王宮に報告にいこうとしていたら、モローが慌てて戻ってきた。メグから、三百メートル程離れると、勇者の加護が届かなくなるのだ。
結局、全員で聖剣エクスカリバーを手に入れたことを報告に王宮に向かった。
謁見を許されたのは、四人だけだったので、他の九人は控室に待機してもらい、女王に報告したが、「予が、聖剣に相応しい鞘を造る故、その剣を預けよ」と言い出した。
滅相もないと辞退しようとたが、どうにもらなず、激痛に耐えて、聖剣を女王に渡した。
メグとリットは何とか耐えられる程度の痛みだが、控室にいた骨折した四人は、きっと泣きわめいているに違いない。
その後、女王陛下から、魔王調査の進捗きいた。
神に伺いを立て、魔王のいる場所を探しているが、未だ託宣はなく、もうしばらくかかりそうだとの話だった。
「どうした、勇者マーガレット・ヴィダーよ。顔色が悪いぞ」
漸く、リットとメグの様子がおかしいことに気づいてくれた。
正直に事情を話したが、それでも、聖剣は返却してもらえなかった。
その代わりとして、骨折している六人とも、国費で治癒舎に入舎して治療に専念することになった。
この程度の骨折なら、治癒魔法だけで問題なく治るが、痛み緩和は治癒舎の妖精治療の方が優れているし、完治も早い。
お蔭で、メグ、リットは二日で、複雑骨折だったコリンも僅か四日で、完治することができた。
五日後、聖剣の鞘ができたと知らせがあり、早速、聖剣を返してもらいに王宮に出向いたが、その鞘は、宝石がちりばめた豪華なものだった。
こんなものを帯刀していたら、絶対に泥棒に狙われる。宿屋でも熟睡できなくなるのに、女王は何を考えているんだと不満だったが、有難く感謝して、その場を後にした。
そして、鞘を造ってもらえるところを紹介してもらおうと、鍛冶屋の大将の所に立ち寄った。
大将は、快く、腕のいい鞘づくりの職人を紹介してくれたが、その時、その聖剣を見て目を丸くして驚いた。聖剣なので鉄ではなく、レア鉱石のミスリルでできているのだろうと考えていたらしいが、神の鉱石と呼ばれるオリハルコンというと超レア鉱石でできていたのだ。
この鉱石は、入手困難なだけでなく、ドワーフと呼ばれる絶滅した種族でないと打てない硬い石なんだとか。
ミスリルなら修理もなんとかできるが、オリハルコンとなると、研磨位はできても、修理はできないのだそう。
折れたら二度と元には戻らないから、大事に使えと注意された。
手に入れた時の不可思議な体験や、勇者の加護の話をしたら、この鉱石なら、不思議な事が起きても、おかしくないとも言われ、大将の師匠から聞いたという話を聞かせてくれた。
大将の師匠が見習いだった時、オリハルコン製ナイフの研磨依頼があったのだそう。
そのナイフは所有者以外が触れると、活力がそのナイフに吸い取られ、疲労困憊してしまい研磨するのも容易でない代物だったのだそう。そして、その所有者がナイフを振るうと、ナイフから火球がでて、その火球が信じられない程の威力だったのだとか。
オリハルコンというのは、魔法の杖や、魔道具等に埋め込まれて使われ、魔法をブーストしたり、魔法を蓄えたりすることができる効果があるので、オリハルコンで作られた武器は、魔法のような能力を秘めているのだろうという説明だった。
聖剣の秘密に触れられたことを深く感謝して、今度は紹介してもらった鞘職人の許に向かった。
その人は、国からこの聖剣の鞘づくりを依頼された人だった。注文通りに造ったが、そう言ってくる気がしたと、鞘を目隠しするカバーケースを出して来た。
それを鞘に被せれば、みすぼらしい普通の剣にカモフラージュでき、盗難のリスクもかなり軽減できる。
代金はいらないと、只でそのカバーを頂き、お礼を言って、今度は馬に乗って、石切り場へと向かった。
鍛冶屋の大将からきいたオリハルコンの能力があるのなら、魔法に何らかの変化があるかもしれないと、確認しにきたのだ。
残念ながら、この聖剣の場合、剣を持っていても、魔法の威力は変わらず、クールタイムも変化はなかった。
ただ、三度目のライトニングの発動に成功した。勝ちたいと強く念じ、身体から光を放つイメージを持つだけで、勝手に発動する。
通常の魔法は、物理現象を理解していないと発動できないので、なぜ発動できるかが、不思議でならないが、もしかして、そのイメージが、詠唱代わりになって、アルフヘイムに何の魔法を発動したいのかを、伝えているだけなのかもしれない。
その詠唱代わりのイメージが、曖昧だったために、今までは発動できなかったが、聖剣が補助してくれ、発動できるようになったということなのだろう。
そうだとすると、きちんとした無詠唱の魔法発動にはなっていないということになるが、発動タイミングは、この魔法では重要ではないし、発動できるようになっただけで、十分だ。
でも、クールタイムが、やたらと長い。爆裂魔法と同じで、三十分もある。
ジャッジさん達が、四天王にやられた理由は、ライトニングが出せない状態で、戦わざるを得ない状態だったからに違いない。
爆裂魔法と同様に、使いどころが難しい魔法だ。
でも、これで、ベルゼブブが相手でも、対等に戦えそう。
そんな訳で、勇者の加護とライトニングとで、どの程度戦えるかを確認するため、地下迷宮迷宮のA級魔物狩りの依頼を受けて、地下三階層に行くことにした。
身体強化したうえで、勇者の加護が加わると、それだけでとんでもなく強くなれるが、ライトニングまで加えると、筆舌しがたい強さになる。A級魔物がC級魔物に思えるくらいで、A級魔物なのに、短時間で無傷で狩れてしまえた。
残念ながら、ボスエリアは無人で、あの魔人ベルゼブブを討ち取れるかの確認は取れずにいるが、対等以上に戦える気がする。
それから、瞬発力と自信がついてきたからか、不意を突かれた時は、足手まといだったミカも、敵の攻撃を交わし、ちゃんと弓矢で反撃できるようになってきた。ミミも、近接されても落ち着いて、ちゃんとした威力で魔法を連発できるようになってきて、頼もしい魔導士になった。
これで準備は万端。後は、魔王の居所さえ、判明すれば、魔王討伐に動くだけだが、魔王と対峙する決心が未だにつかない。
ロンブル帝国を支配した時は、捕虜にした人間に、とんでもない悪事を働いていたし、人間界を滅ぼそうとしているなら、魔王を討伐するしかないと、自分に言い聞かせてはいるが、心の葛藤があるのか、父を討ち取る夢を見て、うなされる。
父は、本当に、人間を滅ぼそうとしているのだろうか。
ロンブル帝国領のザラネスクにて、魔物の大群が姿を消した意図は、人間との戦争を回避しようとしたのではないかとすら思えるし、ワイバーンと対峙する時に聞こえた男の声は、父の声だった気もする。
魔物を迫害する人間に鉄槌を下し、ロンブル帝国は滅ぼしたが、平和を願う人間とは、争う意図がないのではと、思えてならない。
だから、父の真意を確かめたい。
それに、セージの体調も気にかかっている。セージは、私を人間界に逃がした罪で、魔王城の地下牢に投獄されているが、その所為で体調を壊したのか、最近、どことなく元気がなく、話の最中に咳き込んだりする。本人は、大丈夫と言ってるが、かなり体調が悪いにちがいない。
だから、一刻も早く、セージを助け出してあげたい。
その二つの理由から、魔王城の所在が判明しだい、独りで乗り込もうかとすら考え始めたメグだった。
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