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毎朝のルーティーン

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この城へ来て一週間が過ぎ、私はいよいよアカデミーに行く日が来た。
「コンコンコン。」
ドアを叩く音と共に、カルラの声がする。
「失礼いたします、ライムート様朝のご支度にま……」
そこまで言うとカルラは呆れた顔をする。
「ライムート様!いつも言っていますが、朝のご支度の手伝いも私の仕事なのです、どうしていつも終わっているのですか?」
カルラは私に詰め寄ってくる。
「あのですね……別に朝の支度くらい自分で出来ますよ、自分で出来ることはしますので、お気づかいなく……」
こんなやり取りが実は毎日のようにあった、もう既に一日の始まりがこれが普通になっていた。
「ライムート様、今日からアカデミーに通われますので、朝食が終わりましたら準備出来次第出発しますので。」
そう言うと少し不機嫌そうにカルラは後ろを向いてしまった。
「……カルラさん?もしかしてめっちゃ怒ってます?でも本当に自分で出来る事は自分でしたいので……」
「もうライムート様なんて知りません。」
後ろを向いていても拗ねているのが分かるくらい態度に出ていた。
「カルラさんは私の良い理解者だと思っていますよ。」
笑顔でその言葉を言い顔を覗き込む。
カルラは不意をつかれたのか、ビックリした表情になる。
私はカルラさんの手を握り、
「出来ない時はちゃんとカルラさんを頼りますよ。」
一言そう言うと、ニコッと笑いかけた。
するとみるみるうちにカルラの顔は紅潮していった。
少し機嫌が直ったのか、赤くなった顔を隠しつつ、
「お食事の準備は出来ていますので、行きましょうか。」
と言い先に部屋を出ていった。
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