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まさかの同じクラス

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何とか意識を保った私の前に見えるのは、第一王子の顔だった。
驚きのあまり空いた口が塞がらず、そのまま先生の顔を見た。
「あー言ってなかったね、このクラスは君よりみんな三年上なんだよ、国王様より事前に学力テストなるものをもらい、君にあったクラスへ入る事になったんだよ。」
私は数日前の事を思い出していた。
数日前何気なしにカルラより問題集を渡されそれを全て答えていた。
(あの問題集か……しまったなぁ……)
そう思うも時既に遅かった。
授業が終わると、遠くの方で第一王子のルーペルトが目で合図を送ってきた。
(ちょっとついてこい。)
多分そう言っているんだろう。
私は合図されるまま、ルーペルトに少し遠くから着いて行く事にした。
人けが少ない所まで来ると足を止め、私が近くに来るまで待っていた。
「ライムート、お前帰ったらお父様に今日の事何て報告するつもりなんだ?」
私はその言葉を聞いて、瞬時に何が言いたいのか察してしまった。
恐らく同じクラスになった事を言われたく無いのであろうと……
「お兄様、私はまじかでお兄様から色々教わる機会を与えられて嬉しく思っております、ですが私もこの先学校生活がどうなるか分からないので、あまりとう様には言わないでおこうと思っております。」
私はとりあえず遠回りに一緒のクラスになったけどその事は言いませんと言った。
「そうか、まぁ私を見て色々学ぶがいい。」
少し上機嫌になったのか、すぐにその場を去って行った。
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