倉庫の下の番人

ha-tsu

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倉庫の番人

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僕はあるファーストフード店でバイトをしていた。
ある日ファーストフード店の建物自体も古いため、全面的にリニューアルする事となった。
何年か前からリニューアルの話が出ていたものの、毎回その話が出ると店長が代わり、話が進まないでいた。

数ヶ月後、新しく店ができ、中も外も前よりも少し大きくなっていた。
「店長、前より敷地大きくなってますね、よくオーナーが承諾しましたよね。」
前から店舗を広げる計画が上がっていたのは僕も知っていたが、その度にオーナーに却下され続けたらいい。
「今回のリニューアルの話になってからオーナーが代わったんだよなぁ……前のオーナーの息子がオーナーになってるらしい……」
僕は他愛のない会話を店長としながらリニューアルオープンに向けて準備を進めていた。
その時にも実は僕はある違和感に気づいていた。


リニューアルオープン初日。
オープンを待っていたのか、その日は大盛況に終わった。
リニューアルオープンから数日忙しさに追われていた。

リニューアルオープンから数日が経ち、だんだん店の混雑も落ち着いてきた頃の事だった。
僕はカウンターで資材補充をしながら、お客さんが来ればレジ打ちをしていた。
「ごめん壱馬かずまちょっと僕倉庫に資材取ってくるわ、カウンター見てて。」
「おっけー早く戻ってきてな。」
一緒にバイトをしている壱馬とそんなやり取りをし、倉庫に向かった。
僕は補充する資材の個数を確認しながら両手に持っていると、倉庫の手前の方に人影が見えた。
この時間帯は僕と壱馬の二人だけしかいないので、僕は壱馬だと思い話しかけていた。
「壱馬ーカウンター見ててくれって言ったのに何か取りに来たんか?違うなら資材持っていくの手伝ってくれよー。」
一瞬その人影から目線をずらし戻すと、そこにはもう誰もいなかった。
「なんだよ壱馬のケチ。」
僕はそう呟きながらカウンターへ戻った。
カウンターでボーッと突っ立っている壱馬を発見する。
「壱馬、倉庫来たんなら資材運ぶの手伝ってくれてもいいやんか、何気に無視されて悲しいわ。」
僕は持ってきた資材を置きながら愚痴った。
「え?オレ倉庫行ってないで、ずっとカウンターに居たし。」
僕は最初嘘をついているのだと思い気には止めなかった。
その日からほぼ毎日のようにバイト中にその人影を見るようになった。
「店長、この店改装してからなんか居やへん?」
「なんか見える?僕は何にも見えないよ……多分。」
少しオドオドしながらそう店長は言った。
「何か店長隠してます?」
「……いや何も。」
そして数日がすぎたある日、ついにある事が起きた。
僕が朝の準備をしている時だった急に店のタイマーやら、音が鳴る物全てが鳴り出した。
「えっ!えっ?何?何が起きたん?」
僕があたふたしていると、厨房でいた壱馬の声がした。
「あっちっ!!」
「壱馬?どしたんや?」
僕は急いで厨房に向かった。
そこには、床に倒れ込んでいる壱馬の姿があった。
「大丈夫か?……ってやばいやん!すぐ救急車!」
そこにいた壱馬は何故か熱い油をかぶっていた。
幸い命に関わるやけどにはならなかった。
そんな事故があった次の日、僕は店長に呼び止められていた。
「どうしたんですか店長?」
店長は何故か怯えていた。
巻野まきのくんこの前何か隠してるか聞いたよね?実は僕もあとから聞いた話なんだけどね……」
店長は言いずらそうに話を続けた。
「この前の改装工事の際に店舗を拡張したじゃん、その拡張した部分の基礎を作る時に地面を掘り起こしたら地面から人間の白骨が出てきたんだよ。」
僕はそれを聞き言葉が出なくなった。
「一応業者の人とちゃんと供養はしたんだけどね……その白骨を預けた所から何故か無くなったらしいんだよ……それもリニューアルオープン初日の日に。」
その後店長は色々と話してくれた。
その白骨があった場所がちょうど倉庫の場所だったとか、白骨と共にたくさんの壺がでてきて、壺は紙?みたいな物で封がされていたなど。
僕は決まってあの人影を見るのは倉庫だった。
今も倉庫で人影を見かける。
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