チョコが溶ける前に

ha-tsu

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チョコが溶ける前に

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家へと帰宅途中私はある物に目を奪われていた。
"今年のバレンタインは手作りで気持ちを伝えよう"
私が目を奪われていたのは、バレンタインの特設会場だ。
「今年のバレンタインは手作りで……か……今年こそは高史たかふみにチョコ渡したいなぁ……でも今年は一人かな?もう彼女作ってるかな?」
私は幼馴染である橋本はしもと  高史たかふみに昔から片思いをしている。
片思いをしているが、一度も思いを伝えたり、素振りを見せた事も無かった。
そうして十五年過ごしてきた、その十五年の間に高史は何人かの彼女と付き合っていた事も知っている。
「よし!今年は頑張って手作りにして勇気をだして高史に告白する!!」
そう決意し私はチョコレート売り場で材料を買い家に帰った。
「よし!まずは手作りチョコの前に……高史に彼女いないかの確認だよね?……私に出来るかな?」
少し不安になりながらも私は高史に電話をする。
十コールほど鳴らすも出ない。
「まだ仕事してるのかな?まぁまた後でかければいいよね。」
そう自分に言い聞かせ電話を切る。
私は電話に出ないし、もしかしたら彼女がいて今一緒に居るのかもしれないと思い、またチョコ作りを躊躇っていた。
"ピロン"
メールの着信音が鳴る。
私は慌ててメールをチェックする。

「さっきは電話出れなくてゴメン、なんか用だった?」

高史からのメールだった。
私はメールならと思いそれとなく聞くことにした。

「ゴメン別に用はないんだけどね、お二人の邪魔しちゃったかな?本当にゴメンね。」

そう返信をした。
少し間が開き返事は帰ってきた。

「用が無いのかよ(笑)ってかなんで二人で居るの知ってんだよ、ウケる。」

どうやら内容からすると、彼女といるようだった。
私はそれ以上返信はしなかった。
「やっぱり私なんかが高史の事好きになっちゃいけないよね?多分気持ち伝えたら高史だって困るし……今の関係が保てなくなるならこの気持ちは言わない方がいいよね……」
私の中で結論が出ると、チョコ作りはしない事にした。

翌日、朝起きるとケータイにメールが届いていた。
差出人は高史だった。

「おはよ、昨日の用は無いは嘘だろ?何か聞きたいか、言いたいかは知らないが、オレに遠慮しなくてもいいからな、気が変わったらまたメールしろよ。」

……いつも私の事はお見通しである。
今日は仕事も休みだった事もありもう一度チョコを渡すか考えていた……
考えて出た結論は、とりあえずチョコを作って、当日渡すかどうするかを考える事にした。
「よし!そうと決まればチョコ作るぞ!」
私は張り切ってチョコを作る事にした。

当日、高 史には事前に予定が有るかは確認済、本日は夜の二十一時より飲みに行くとの事で、待ち合わせは十九時にする事にした。
「……って言うか今日めっちゃ寒い。」
私は冷たい風が吹く中高史が来るのを待っていた。
すると、遠くの方で高史が見えたと思うと、女の人数名と歩いていた。
「……ってなんで数名なの?一体誰と歩いてるの?」
そう思いながら高史を見ていると、私に気が付いたのか、慌てて手を振りながらこちらへ走ってきた。

「ゴメンちょっと遅くなった、今日寒いよな……どっか店入る?」
さっきまでの女性は居なかったかの様な振る舞い方だった。
「……ねぇ高史さっきの人と過ごさなくてもいいの?」
私はボソッとそう呟いた。
高史はその声を聴き逃してはくれなかった。
「さっきの人は仕事の上司とその友達なんだよ、途中まで一緒の道だからって言われて一緒に歩いてただけだよ、どしたん?今日何かおかしいぞ?」
そう言うと高史は私の顔を覗き込んできた。
私は突然の出来事に動揺してしまい、
「な……何でも無いんだからね!別に何も気にしてないし。」
「……でも顔真っ赤だよ?」
その言葉に初めて自分の顔が赤い事に気付く。
恥ずかしさの余り私は「高史のアホ!!」と一言言うと走って逃げてしまった。
私はガムシャラに走り、気が付けば雪も降ってきて、近くの砂浜に来ていた。
「……はぁ今年もやっぱりチョコ渡せなかったし、好きって気持ち伝えられなかったなぁ……私の方がアホだよね……」
ボソッとそう呟き私はそのあと海に叫ばずにはいられなかった。
私は辺りを見回し誰も居ない事を確認してから、
「私のアホーー!こんなにも高史のこと好きなのに、意気地無し!!」
私が叫び終わった瞬間背中に温かい何かがくっついた。
私は周りに誰も居ない事を確認して叫んだつもりでいたので、当然何が背中にくっついたのか分からずビックリしたその瞬間に、大きな両手が私を包んだ。
「ごめん……さっきのって本当?そうだったら嬉しいんだけど、オレも実は好きなんだ、ずっと前から好きなんだ、オレと付き合ってくれる?」
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