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彼の思い
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彼の将来の理想について聞くたびに、その中に僕はいないのだろうと思ってしまう。ただの雑談なのに。
「俺さー恋愛結婚って難しいと思うんだよなー。」
結婚って男女でしかできないことを思い出す。パートナーシップ制度だかなんだか分からないが、そんなことを日ごろから考える人は少ないだろう。つまり僕と唯絃が結婚なんて難しいということだ。
「そうなの?」
とりあえず返事をする。
「世の中相手に夢中になれる時間なんてほんの少ししかないだろ。」
「まあ、そうかもね。」
「だから結婚するならお見合いとか結婚相談所で探すべきかもなって思ってさ。」
「なるほどね。」
いつの間にか涙が出ていた。僕の心は弱すぎる。どうしようもないけれど。きっと理想の結婚相手の姿には僕はない。
9か月、一生のうち1%も付き合ってないのだ。そんな相手と一生を過ごしたいと思う僕のほうがアホらしいのは明白である。
「蛍?聞いてるか?」
「…?ああ、ごめん唯絃、考え事してて。」
「そうか。」
「うん。」
「あのな、蛍。俺蛍のことずーっと好きだからな。」
ずーっとだなんてないんだろう?と唯絃のことを悪く思ってしまう自分がいる。
「ありがとう、唯絃。僕も一生一緒にいたい。」
こんなのも唯絃にとってはただのあいさつに過ぎないのだろう。自滅。僕にとっては特攻と言ってもいいのに。
また、唯絃に抱かれることになった。彼の温かさに包まれる。彼の心臓の音が聞こえる。
「蛍、好きだ、もう離したくない。」
「…。僕も好き。」
唯絃と不安に抱かれている。また悲しくなっていく。
辛い、悲しい、ずっと唯絃と一緒にいたい、唯絃は僕のもの、もう離したくない、ずっと好きなのに…。
ずっと頭はネガティブ思考でぐるぐるしている。
「蛍、ありがとう。今日も大好きだよ。…蛍?」
ああ、考えていたら終わっていたみたいだ。されるがままになってしまった。
「唯絃、ごめん、気持ち良すぎてぼーっとしちゃってて。」
「の割には涙が出てるけど。」
どうやら泣いてしまっていたみたいだ。不安は唯絃には見せたくなかったのに。
「ごめん。」
「謝らなくていいんだぞ。」
「そっか。」
「俺はずっと蛍のことを愛してるよ。」
「本当?」
「ああ。本当さ」
どうしよう。さっきも泣いていたから涙が出やすくなっている。本当かどうかなんてわからないのに "ずっと" という言葉で泣きそうになる。
「俺さ、将来のこといろいろ蛍に話してたけどさ、昔は確かにああいうのが一番だとは思ってたけど、今はそれはそれとして、蛍が一番幸せになってほしいんだ。」
「…?」
「いやもちろんやりたいことはいっぱいあるよ、でもさ、それもちゃんと叶えつつ蛍と一生を過ごしたいなって思った。」
「…!本当に?」
「こんな俺のこと好きっていってくれたんだ。だから蛍のことは一生幸せにしたい。」
「…ありがとう。」
「もしかして俺がなにか悩ませているのかと思ってさ。大丈夫じゃないよな。」
唯絃が僕を大切に思ってくれることを確認できたのか少し安心できた。でもここまで考えてくれる人に具体的な不安や彼の時間を奪ってしまったことを打ち明けてしまったら、なにかかダメになってしまう気がしてしまう。
「蛍、俺が蛍を不安にしてしまってるならそれは申し訳ない。話したくなったらでいいから話してほしいな。」
「それでいいの?」
「もちろん。」
「えへへ、ありがとうな唯絃。」
「蛍、これからもよろしくな。」
「うん。」
「ほら、こっちおいで。」
言われるがまま彼の腕に包まれる。
「唯絃の心臓の音、よく聞こえるね。」
「そうか?蛍の心臓の音もよく聞こえるぞ。」
「え?」
「自分じゃ分からないかあ。でもな、ちゃんと聞こえる。」
そうか。僕の心臓も拍動を続けているのか。
「ほら蛍、これからもずっと一緒だぞ。」
「うん唯絃、一緒の時間を過ごそう。」
僕も唯絃と一緒に寿命を削って生きている。残りいくつかは分からないけれど、ずっと一緒に生きていく。
すこし元気になれた。
「俺さー恋愛結婚って難しいと思うんだよなー。」
結婚って男女でしかできないことを思い出す。パートナーシップ制度だかなんだか分からないが、そんなことを日ごろから考える人は少ないだろう。つまり僕と唯絃が結婚なんて難しいということだ。
「そうなの?」
とりあえず返事をする。
「世の中相手に夢中になれる時間なんてほんの少ししかないだろ。」
「まあ、そうかもね。」
「だから結婚するならお見合いとか結婚相談所で探すべきかもなって思ってさ。」
「なるほどね。」
いつの間にか涙が出ていた。僕の心は弱すぎる。どうしようもないけれど。きっと理想の結婚相手の姿には僕はない。
9か月、一生のうち1%も付き合ってないのだ。そんな相手と一生を過ごしたいと思う僕のほうがアホらしいのは明白である。
「蛍?聞いてるか?」
「…?ああ、ごめん唯絃、考え事してて。」
「そうか。」
「うん。」
「あのな、蛍。俺蛍のことずーっと好きだからな。」
ずーっとだなんてないんだろう?と唯絃のことを悪く思ってしまう自分がいる。
「ありがとう、唯絃。僕も一生一緒にいたい。」
こんなのも唯絃にとってはただのあいさつに過ぎないのだろう。自滅。僕にとっては特攻と言ってもいいのに。
また、唯絃に抱かれることになった。彼の温かさに包まれる。彼の心臓の音が聞こえる。
「蛍、好きだ、もう離したくない。」
「…。僕も好き。」
唯絃と不安に抱かれている。また悲しくなっていく。
辛い、悲しい、ずっと唯絃と一緒にいたい、唯絃は僕のもの、もう離したくない、ずっと好きなのに…。
ずっと頭はネガティブ思考でぐるぐるしている。
「蛍、ありがとう。今日も大好きだよ。…蛍?」
ああ、考えていたら終わっていたみたいだ。されるがままになってしまった。
「唯絃、ごめん、気持ち良すぎてぼーっとしちゃってて。」
「の割には涙が出てるけど。」
どうやら泣いてしまっていたみたいだ。不安は唯絃には見せたくなかったのに。
「ごめん。」
「謝らなくていいんだぞ。」
「そっか。」
「俺はずっと蛍のことを愛してるよ。」
「本当?」
「ああ。本当さ」
どうしよう。さっきも泣いていたから涙が出やすくなっている。本当かどうかなんてわからないのに "ずっと" という言葉で泣きそうになる。
「俺さ、将来のこといろいろ蛍に話してたけどさ、昔は確かにああいうのが一番だとは思ってたけど、今はそれはそれとして、蛍が一番幸せになってほしいんだ。」
「…?」
「いやもちろんやりたいことはいっぱいあるよ、でもさ、それもちゃんと叶えつつ蛍と一生を過ごしたいなって思った。」
「…!本当に?」
「こんな俺のこと好きっていってくれたんだ。だから蛍のことは一生幸せにしたい。」
「…ありがとう。」
「もしかして俺がなにか悩ませているのかと思ってさ。大丈夫じゃないよな。」
唯絃が僕を大切に思ってくれることを確認できたのか少し安心できた。でもここまで考えてくれる人に具体的な不安や彼の時間を奪ってしまったことを打ち明けてしまったら、なにかかダメになってしまう気がしてしまう。
「蛍、俺が蛍を不安にしてしまってるならそれは申し訳ない。話したくなったらでいいから話してほしいな。」
「それでいいの?」
「もちろん。」
「えへへ、ありがとうな唯絃。」
「蛍、これからもよろしくな。」
「うん。」
「ほら、こっちおいで。」
言われるがまま彼の腕に包まれる。
「唯絃の心臓の音、よく聞こえるね。」
「そうか?蛍の心臓の音もよく聞こえるぞ。」
「え?」
「自分じゃ分からないかあ。でもな、ちゃんと聞こえる。」
そうか。僕の心臓も拍動を続けているのか。
「ほら蛍、これからもずっと一緒だぞ。」
「うん唯絃、一緒の時間を過ごそう。」
僕も唯絃と一緒に寿命を削って生きている。残りいくつかは分からないけれど、ずっと一緒に生きていく。
すこし元気になれた。
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