家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから

ハーーナ殿下

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第3話:冒険者ギルド

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家出したボクは転移装置で、遠い国に転移。
ダラクという都市国家に到着。

ここは初代勇者様の降臨の地で、魔物や野盗に襲われて廃れていた街。

サラという神官見習いの子を助けてから、ボクは当初の目的地である冒険ギルドに向かう。



「おお、ここが冒険ギルドか!」

街の中央広場に、並んでいた建物を発見。
看板に冒険者ギルドを書いてある。

ついに憧れの冒険ギルドに、自分はやってきたのだ。

「うーん、それにしても、ここも外観が、ちょっとだな」

この街の建物は基本的に、さびれている。
その中でも冒険ギルドには別格。
壁や屋根に穴が開き、かなり危険な雰囲気だ。

「でも入るしかないな、よし!」

勇気を出して、扉を開けて中に入っていく。
中は薄暗い雰囲気。
目が慣れてきたので観察する。

入口の正面にカウンターがあって、受付のお姉さんが座って……いない。

横の壁には掲示板があり、色んな依頼が張られて……いない。

あれ?
何やら様子が変だな。

実家の書物で読んだ冒険譚と、少し内容が違う。
もしかしたら冒険譚が間違いなのかな?

あっ、でも奥に人がいる。
椅子が並んでいる待機所に、冒険者らしき人たちはいた。

でも活気はなく、どこか殺伐としている雰囲気だ。

そんな時、一人の大柄の男の人が近づいていくる。

「あーん? ボウズ、見ねぇ顔だな⁉ こんな場所に何の用だ⁉」

かなり筋肉隆々な人だ。
腰に大きな斧を下げて、かなり強そうな戦士タイプ。
あと顔が熊のように怖い。

あっ、見とれていないで、挨拶をしないと。

「えーと、ボクはハリトと申します。歳は十四歳で成人済みです。冒険者になりたくて、この街にきました!」

よし、ちゃんと挨拶を出来たぞ。
道中で練習してきたように、スラスラと言えた。

ん?
でも、相手の人の反応がないな?

「ぷっ……はっはっは……! 冒険者になりたいだと、ボウズ⁉ おい、みんな、聞いたか?このクソッたれの街にわざわざ来て、冒険者になる奴がいたぞ!」

「なんだと、本当か?」

「がっはっは……バカな奴もいたもんだな!」

「まったくだ!」

室内にいた冒険者が、一斉に笑いだす。
何がおかしいのだろうか?

でも、あまり良くない雰囲気なことは、分かる。

「えーと、この国の事情は、少しだけ聞いてきました。とても大変だとは聞いています。だからこそボクは冒険者になりたいんです! 困っている人を助ける“冒険王リック”のように!」

“冒険王リック”は愛読していた冒険譚の著者。
今から五十年前に実在した冒険者。
大陸中の大事件を、仲間と共に解決した英雄だ。

「ぷっはっはっは……おい聞いたか、このボウズ。“冒険王リック”みたいになりたんだってよ!」

「こいつは、ウケるぜ!」

またギルド内に失笑が、響き渡る。
馬鹿にされているのだろう。

でも、どこか違和感がある。
みんなはボクのことを馬鹿にしているが、どこか自傷的な雰囲気もあった。

何があったんだろうか、このギルドで?

「おい、そのボウズは本気らしいぜ! 誰か入団試験をやってやれよ!」

「ああ、そうだな。合格したら、入れてやろうぜ!」

「はん! それならオレにやってやるか!」

オレの前に出てきたのは、さっきの顔が熊のように怖い人だ。
この人が入団テストを、してくれているのだろう。
有り難い。

「おい、裏の鍛錬場に行くぞ、ボウズ!」

「はい、よろしくお願いします!」

熊のような人の後を、付いていく。

「おい、見に行こうぜ!」

「ゼオン相手に何分持つか、賭けようぜ!」

「バカ、何秒の間違いだろうが!」

「そうだな! がっはっは……!」

他の冒険者の人たちも、全員ゾロゾロ付いて来る。
どうやら見学をするのであろう。
なんか緊張する。

ゼオンさんという巨漢の人の後を付いていき、裏の野外の訓練場に着いた。

「さて、殺すと、さすがにマズイから、訓練用の武器にするか。おい、ボウズ、お前も、好きな武器をそこから選べ」

「あっ、はい」

訓練場には、色んな形の武器が並んでいた。

 片手剣や両手剣、槍、斧、短剣、ハンマーなど、色んな武器が揃っていた。
刃の部分は丸くなっているが、本物の金属製だ。

「うわー、凄いな……こんなに沢山の種類の武器。ん? それに、ちゃんと手入れはされているぞ」

これで確信した。
ここにいる冒険者人たちのことを。

「おい、ボウズ、決まった?」

「あっ、はい、片手剣にします」

片手剣をチョイスする。

幼い頃から使っていたのと、近い感じの形状。
これなら十分に実力を発揮できる。

「それじゃ、試験を始めるぞ。ルールは簡単だ。ボウズは一撃でも、オレに当てられたら合格だ。お前が先に戦闘不能になったら、不合格だ。分かったか?」

「はい、分かりました!」

ルールは単純明快だった。
いつも姉さんたちと稽古しているのと、同じルールだ。

「あと、オレはこれでも“冒険者ランクB”。この中でも上の方だ。だから負けても恥じることはない。精いっぱい、かかってこい」

「ラ、ランクB……だったんですか……」

その単語を聞いて、思わず足がすくんでしまう。

何故なら冒険者ランクBは、かなりの強者なのだ。

(ヤ、ヤバイ……ボク、死んでしまうかもしれない……)

冒険者になる前に、まさかこんなピンチになるなんて……。
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