36 / 41
第36話【閑話】姉《剣聖》エルザ視点
しおりを挟む
少し時間が戻る。
剣聖エルザが弟ハリトを発見したのは、古代竜アバロン戦が開幕した直後であった。
エルザはダラクの街の近隣に到着。
城壁の上に、弟の姿を発見したのだ。
「ん? あれはハリト! ようやく見つけたわ!」
かなりの遠距離だったが、剣聖の視力は桁違い。
弟の姿を確認する。
「急いで、連れ戻さないと! ん? でも、ハリト、あの竜と戦うつもりなの⁉」
ハリトのいる街へ、巨大な竜が迫っていた。
明らかに戦おうとしていたのだ。
「ふう……それじゃ、あの戦いが終るまで、待つしかないか。仕方がないわね」
シーリング家には独特の家訓がある。
それは『身内が強敵に挑む戦いには、絶対に手を貸してはならぬ!』という内容だ。
武によって家を成してきた、シーリング家ならではの独自の家訓。
だから大事な弟を見つけても、エルザは動くことが出来ないのだ。
ダラク近郊の丘から、エルザは見守ることにした。
「それにしても、どういう状況なのしから? あの城塞都市が、今のハリトの拠点の街ぽいけど。あの国王っぽい人や、冒険者みたなオジさんと、ハリトは話し込んでいるわね?」
剣聖エルザの視力は尋常ではない。
城壁の上のハリトの様子を、細部まで確認できる。
読唇術で、ある程度の会話も理解できた。
「ふーん、なるほど。ハリトはあの街で、けっこう頼りにされているのね」
城壁の上での他の人との会話、そこから弟の街での存在感が感じられる。
冒険者らしき者たちや、国王、騎士から絶大な信頼を受けているのだ。
「あの街で何があったか分からないけど、やるじゃん、ハリト」
つい先日までは、少し頼りない弟だった。
家族の全員の才能を受け継いでいるが、ハリト本人がそれを自覚していなかったのだ。
そのため姉エリザは、いつも厳しい言葉をかけていた。
「あっ、戦いが始まる。へー、けっこう、やるじゃん。ハリトの仲間たちは」
巨大な飛行竜を相手に、騎士と兵士たちは懸命に戦っていた。
戦術も悪くない。
格上の竜を相手に、互角以上の戦いをしていたのだ。
「ん? ハリトが動いた。へー、聖魔法もさまになっているじゃん、あいつ」
ハリトは聖魔法で、仲間たちを守っていた。
防御と回復を広域で発動。
犠牲者を出さないように、懸命に戦っていた。
過保護な姉エルザから見ても、なかなかの弟の頑張りだ。
「ハリト、頑張っているね……ん⁉ いやいやいや……私は何をさっきから感心しているんだ! この戦いが終わったら、ハリトに説教して連れ戻すのに!」
過保護すぎるが故に、エルザの思考原理はかなりおかしい。
自分自身で混乱しているのだ。
「ん? あれは召喚魔法? 火蜥蜴? えっ、あの竜って、もしかして古代竜だったの⁉」
脳筋剣士であるエルザは、そこまで魔物に博学ではない。
ようやく弟が戦っている相手の正体に、気がついたのだ。
「いやー、いくらなんでも古代竜は危険でしょ、未熟なハリトの相手には! 早くハリトを助けないと!」
エルザは立ち上がる。
自分の剣を手にして駆け出す。
「いや、でも、手助けは家訓で出来なんだった⁉」
シーリング家の家訓を思い出す、急に足を止める。
「……でも、このままだよ可愛いハリトが⁉ うーん、どうしよう……」
とにかくエルザは弟の近くまで、近づいていくことにした。
だがハリトの動きも素早い。
城を襲おうとした古代竜を、巨大な石板によって迎撃。
吹き飛ばして平原へと向かっていった。
「あっ、あっちに行っちゃった! 急がないと! あのままだと可愛いハリトが、竜ごときに怪我をしちゃう!」
ハリトと古代竜アバロンとの戦いの近くへ、過保護なエルザは向かっていく。
ドッゴーン!
だが時は既に遅し。
弟と古代竜の一騎打ちは、幕を開けていた。
今のところはハリトが優勢。
圧倒的な魔法とシーリング剣術で、古代竜と押していた。
「おお、さすがハリト! 私の可愛い弟!」
近づきながら、思わず歓喜の声を上げる。
未熟な弟だけど、可愛さは人一倍なのだ。
――――だが、そんな弟に危機が迫っていた。
「ん? ハリトの剣が、もたない⁉ あのままじゃ⁉」
弟が使っていた剣は、明らかに普通の剣。
強固な古代竜の鱗に、既に耐久力が限界にきていたのだ。
「あー⁉ 何で、あんな、へぼい剣を使っているのよ! 家に一杯あったじゃ、あんな竜をワンパンできる剣が!」
近づいてきたエルザは、思わず愚痴る。
だが今は愚痴っても意味はない。
大事な弟の危機が迫っていたのだ。
このまま巨大な爪によって、ハリトは大怪我をしそうなのだ。
「危ない! でも、手助けはできないし……あっ、そうだ!」
エルザは背負い袋の中から、一本の剣を取り出す。
ハリトの部屋から持って来たら、弟の愛剣だった。
過保護なエルザは、念のために弟の剣を持ってきたのだ。
「これなら手助けじゃないから、大丈夫なはず……」
剣を投擲の構えに入る。
「ふう……いくわよ……ハリト!」
思わず名前を叫んで、投擲する。
狙いう先は、剣が折れて困っている弟の手元だ。
ヒューイーーン!
剣聖であるエルザの投擲は、普通ではない。
恐ろしいほどのコントロールで、閃光のようにハリトの手元に到着。
ズッ、シャーーーーーーーーーーーン!
見事にハリトは愛剣で、古代竜を一刀両断。
剣聖であるエルザの目から見ても、見事な一撃だった。
「やったー! さすはハリト! 私の自慢の弟だわ!」
遠目で見ていたエルザは、思わずガッツポーズ。
自慢の弟の快勝に、飛び上がって喜ぶ。
そして咳ばらいをして、すぐに冷静にもどる。
「ふう……ごほん。あ、あんな古代竜程度に、手こずるなんて、相変わらずハリトは子どもなんだから。私が剣を渡してあげなかったら、どうなっていたことやら」
過保護すぎるために、素直に弟を褒められない。
何しろ本人を目の前にして褒めたら、自信過剰でハリトが危険なことになってしまうからだ。
「でも、ハリト……強くなっていたわね。家にいた時よりも、何倍も」
そしてやっぱり称賛する。
理由は分からないが、弟は何段階も強くなったのだ。
根本的な強さは家にいた時と、あまり変わらない。
だが内面的な強さが違う。
一人の男としての意思の強さが、比べ物ならないほど成長していたのだ。
「もしかして、家出をして、一人で生活をして、だから強くなったの……?」
その一つの仮説にたどり着く。
家族の元を離れたことによって、ハリトは確実に成長していることを。
「いやいやいや! 私は何をさっきから感心しているんだ! これからハリトに説教して連れ戻すのに!」
エルザは我に返る。
ハリトと騎士たちの話も、ちょうど終わっていた。
巨大な古代竜の素材も収納して、街に戻るところだ。
「あの感じだと、戦いが終わったから、後は街に戻るだけよね。それじゃ、私も任務を実行しないと」
まずはあの街に行って、ハリトの居場所を探す。
あと、どんな暮らしをしているか、ちょっと調べてみよう。
さっきの城壁の上の感じだと、神官の少女と仲良さそうにしていた。
あの子との関係も気になるところだ。
他にも騎士や冒険者ギルドの連中からも、ハリトのことを聞いてみよう。
自慢の弟が、どんな生活をしていたのか、調べていこう。
本人に対面するのは、それから後でも大丈夫だろう。
「よし、それじゃ、行くか、あの街に!」
――――エルザが、そう口にした時だった。
頭の中に声が響く。
家族からの遠距離通信だった。
……『エルザよ、聞こえているか?』
「ん? お父様? どうしたの?」
通信してきた相手は、王都にいる実の父。
魔道具で遠距離通信してきたのだ。
……『実は大変なことが起きようとしている。そらでも異常な皆既日食は、観測できたか?』
「皆既日食? ええ、さっきの陽が隠れたヤツね。特に問題はないかな、こっちは? 古代竜が出たくらいで」
……『そうか。やはり大陸各地で、前兆が起きているのか。よし、剣聖であるお前の力が、こっちで必要だ。今すぐ“戻す”ぞ!』
父親のその言葉の直後、エルザの全身が光り始める。
通信機を媒体にして、強制転移の魔道具が発動したのだ。
「えっ⁉ パパ、ちょっと待ってよ! ハリトがすぐ、そこにいるんだけど!」
……『その問題は後だ! 世界の危機に迫っているのだ!』
「えっ⁉ ちょ、ちょっと、待ってよ、パパ。 ああ、ハリト……!」
ビュン!
そうい残してエルザの姿は、ダラク地方から消える。
王都にある実家に、強制帰還されてしまったのだ。
◇
こうしてハリトの知らないところで、彼の連れ戻しの危機は去った。
だが古代竜よりも大きな危険が、大陸全体を襲おうとしていたのだった。
剣聖エルザが弟ハリトを発見したのは、古代竜アバロン戦が開幕した直後であった。
エルザはダラクの街の近隣に到着。
城壁の上に、弟の姿を発見したのだ。
「ん? あれはハリト! ようやく見つけたわ!」
かなりの遠距離だったが、剣聖の視力は桁違い。
弟の姿を確認する。
「急いで、連れ戻さないと! ん? でも、ハリト、あの竜と戦うつもりなの⁉」
ハリトのいる街へ、巨大な竜が迫っていた。
明らかに戦おうとしていたのだ。
「ふう……それじゃ、あの戦いが終るまで、待つしかないか。仕方がないわね」
シーリング家には独特の家訓がある。
それは『身内が強敵に挑む戦いには、絶対に手を貸してはならぬ!』という内容だ。
武によって家を成してきた、シーリング家ならではの独自の家訓。
だから大事な弟を見つけても、エルザは動くことが出来ないのだ。
ダラク近郊の丘から、エルザは見守ることにした。
「それにしても、どういう状況なのしから? あの城塞都市が、今のハリトの拠点の街ぽいけど。あの国王っぽい人や、冒険者みたなオジさんと、ハリトは話し込んでいるわね?」
剣聖エルザの視力は尋常ではない。
城壁の上のハリトの様子を、細部まで確認できる。
読唇術で、ある程度の会話も理解できた。
「ふーん、なるほど。ハリトはあの街で、けっこう頼りにされているのね」
城壁の上での他の人との会話、そこから弟の街での存在感が感じられる。
冒険者らしき者たちや、国王、騎士から絶大な信頼を受けているのだ。
「あの街で何があったか分からないけど、やるじゃん、ハリト」
つい先日までは、少し頼りない弟だった。
家族の全員の才能を受け継いでいるが、ハリト本人がそれを自覚していなかったのだ。
そのため姉エリザは、いつも厳しい言葉をかけていた。
「あっ、戦いが始まる。へー、けっこう、やるじゃん。ハリトの仲間たちは」
巨大な飛行竜を相手に、騎士と兵士たちは懸命に戦っていた。
戦術も悪くない。
格上の竜を相手に、互角以上の戦いをしていたのだ。
「ん? ハリトが動いた。へー、聖魔法もさまになっているじゃん、あいつ」
ハリトは聖魔法で、仲間たちを守っていた。
防御と回復を広域で発動。
犠牲者を出さないように、懸命に戦っていた。
過保護な姉エルザから見ても、なかなかの弟の頑張りだ。
「ハリト、頑張っているね……ん⁉ いやいやいや……私は何をさっきから感心しているんだ! この戦いが終わったら、ハリトに説教して連れ戻すのに!」
過保護すぎるが故に、エルザの思考原理はかなりおかしい。
自分自身で混乱しているのだ。
「ん? あれは召喚魔法? 火蜥蜴? えっ、あの竜って、もしかして古代竜だったの⁉」
脳筋剣士であるエルザは、そこまで魔物に博学ではない。
ようやく弟が戦っている相手の正体に、気がついたのだ。
「いやー、いくらなんでも古代竜は危険でしょ、未熟なハリトの相手には! 早くハリトを助けないと!」
エルザは立ち上がる。
自分の剣を手にして駆け出す。
「いや、でも、手助けは家訓で出来なんだった⁉」
シーリング家の家訓を思い出す、急に足を止める。
「……でも、このままだよ可愛いハリトが⁉ うーん、どうしよう……」
とにかくエルザは弟の近くまで、近づいていくことにした。
だがハリトの動きも素早い。
城を襲おうとした古代竜を、巨大な石板によって迎撃。
吹き飛ばして平原へと向かっていった。
「あっ、あっちに行っちゃった! 急がないと! あのままだと可愛いハリトが、竜ごときに怪我をしちゃう!」
ハリトと古代竜アバロンとの戦いの近くへ、過保護なエルザは向かっていく。
ドッゴーン!
だが時は既に遅し。
弟と古代竜の一騎打ちは、幕を開けていた。
今のところはハリトが優勢。
圧倒的な魔法とシーリング剣術で、古代竜と押していた。
「おお、さすがハリト! 私の可愛い弟!」
近づきながら、思わず歓喜の声を上げる。
未熟な弟だけど、可愛さは人一倍なのだ。
――――だが、そんな弟に危機が迫っていた。
「ん? ハリトの剣が、もたない⁉ あのままじゃ⁉」
弟が使っていた剣は、明らかに普通の剣。
強固な古代竜の鱗に、既に耐久力が限界にきていたのだ。
「あー⁉ 何で、あんな、へぼい剣を使っているのよ! 家に一杯あったじゃ、あんな竜をワンパンできる剣が!」
近づいてきたエルザは、思わず愚痴る。
だが今は愚痴っても意味はない。
大事な弟の危機が迫っていたのだ。
このまま巨大な爪によって、ハリトは大怪我をしそうなのだ。
「危ない! でも、手助けはできないし……あっ、そうだ!」
エルザは背負い袋の中から、一本の剣を取り出す。
ハリトの部屋から持って来たら、弟の愛剣だった。
過保護なエルザは、念のために弟の剣を持ってきたのだ。
「これなら手助けじゃないから、大丈夫なはず……」
剣を投擲の構えに入る。
「ふう……いくわよ……ハリト!」
思わず名前を叫んで、投擲する。
狙いう先は、剣が折れて困っている弟の手元だ。
ヒューイーーン!
剣聖であるエルザの投擲は、普通ではない。
恐ろしいほどのコントロールで、閃光のようにハリトの手元に到着。
ズッ、シャーーーーーーーーーーーン!
見事にハリトは愛剣で、古代竜を一刀両断。
剣聖であるエルザの目から見ても、見事な一撃だった。
「やったー! さすはハリト! 私の自慢の弟だわ!」
遠目で見ていたエルザは、思わずガッツポーズ。
自慢の弟の快勝に、飛び上がって喜ぶ。
そして咳ばらいをして、すぐに冷静にもどる。
「ふう……ごほん。あ、あんな古代竜程度に、手こずるなんて、相変わらずハリトは子どもなんだから。私が剣を渡してあげなかったら、どうなっていたことやら」
過保護すぎるために、素直に弟を褒められない。
何しろ本人を目の前にして褒めたら、自信過剰でハリトが危険なことになってしまうからだ。
「でも、ハリト……強くなっていたわね。家にいた時よりも、何倍も」
そしてやっぱり称賛する。
理由は分からないが、弟は何段階も強くなったのだ。
根本的な強さは家にいた時と、あまり変わらない。
だが内面的な強さが違う。
一人の男としての意思の強さが、比べ物ならないほど成長していたのだ。
「もしかして、家出をして、一人で生活をして、だから強くなったの……?」
その一つの仮説にたどり着く。
家族の元を離れたことによって、ハリトは確実に成長していることを。
「いやいやいや! 私は何をさっきから感心しているんだ! これからハリトに説教して連れ戻すのに!」
エルザは我に返る。
ハリトと騎士たちの話も、ちょうど終わっていた。
巨大な古代竜の素材も収納して、街に戻るところだ。
「あの感じだと、戦いが終わったから、後は街に戻るだけよね。それじゃ、私も任務を実行しないと」
まずはあの街に行って、ハリトの居場所を探す。
あと、どんな暮らしをしているか、ちょっと調べてみよう。
さっきの城壁の上の感じだと、神官の少女と仲良さそうにしていた。
あの子との関係も気になるところだ。
他にも騎士や冒険者ギルドの連中からも、ハリトのことを聞いてみよう。
自慢の弟が、どんな生活をしていたのか、調べていこう。
本人に対面するのは、それから後でも大丈夫だろう。
「よし、それじゃ、行くか、あの街に!」
――――エルザが、そう口にした時だった。
頭の中に声が響く。
家族からの遠距離通信だった。
……『エルザよ、聞こえているか?』
「ん? お父様? どうしたの?」
通信してきた相手は、王都にいる実の父。
魔道具で遠距離通信してきたのだ。
……『実は大変なことが起きようとしている。そらでも異常な皆既日食は、観測できたか?』
「皆既日食? ええ、さっきの陽が隠れたヤツね。特に問題はないかな、こっちは? 古代竜が出たくらいで」
……『そうか。やはり大陸各地で、前兆が起きているのか。よし、剣聖であるお前の力が、こっちで必要だ。今すぐ“戻す”ぞ!』
父親のその言葉の直後、エルザの全身が光り始める。
通信機を媒体にして、強制転移の魔道具が発動したのだ。
「えっ⁉ パパ、ちょっと待ってよ! ハリトがすぐ、そこにいるんだけど!」
……『その問題は後だ! 世界の危機に迫っているのだ!』
「えっ⁉ ちょ、ちょっと、待ってよ、パパ。 ああ、ハリト……!」
ビュン!
そうい残してエルザの姿は、ダラク地方から消える。
王都にある実家に、強制帰還されてしまったのだ。
◇
こうしてハリトの知らないところで、彼の連れ戻しの危機は去った。
だが古代竜よりも大きな危険が、大陸全体を襲おうとしていたのだった。
99
あなたにおすすめの小説
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる