地球人

トマト

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うちのおとうさん

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春男は、大学生。
友人の茂、俊太とだらだら話をしていた。

茂 「ちっさいときは、親父のこと、怖かったんだけど、今は なんか、話してても、なに、つまんねえこと、言ってるんだろうって、思ちゃうんだよなあ」

俊太「わかるわかる。特に 親父の身長ぬいてからは、ちっさくみえちゃうよな」

春男「へえ。俊太くん、おとうさんより、身長高いの?すごいね」

俊太「そっか。春男、小柄だもんなあ。150センチぐらい?」

春男「うん。それぐらいー。おとうさんは、今、210センチぐらいだから、抜かすなんて全然無理ー」

茂 「うそつけ。お前のとうちゃん、小学校の運動会のとき、見たけど、そんなに高くなかったじゃん?」

春男 「あの頃はとうさん、170センチぐらいだったもん。ぼくが生まれた頃は150センチぐらいだったらしいんだけどね」

茂 「え?お前のとうちゃん、大人になってからも背が伸びてるの?」

春男「あったりまえじゃん。生きてるんだから、そりゃ伸びるさ」
ヘラヘラと笑う。

俊太「うそだろ。写真とかある?」

春男「うん。あるよー。」

スマホを出して家族写真をみせる。

春男「ね。背 2メートル以上あるでしょ。」

俊太 「おい。背もだけど、この耳たぶなんだよ。50センチぐらいあるじゃん。特殊メイク?」

春男 「それって、普通じゃないの?ほら」

といって、長い髪をかきあげ、隠れていた自分の耳たぶをみせる。

茂 「おまえんち、宇宙人なんじゃないの?地球人じゃないって。」

春男「ひどい!そんなことないよー」

友人たちに責められて、春男は、泣きながら、帰ってしまった。

家につくと、書斎で仕事をしている父のところへいく。
父は、小説家なのだ。

春男「とうさん。みんなが、僕達は地球人じゃないていうんだ」

父「安心しろ。私達は間違いなく地球人だ。ただなあ。。。。」

春男 「?」

父 「先住民である我々、『デモサピエンス』は、もう、ほとんど残ってないんだ。お前の同級生たちは、きっとみんな『ホモサピエンス』だろうからなあ。」

春男は驚きはしたが、そういえば、と思いあたることもあった。明日、みんなに説明してみよう。

父「それにしても、いままで、みんなと違うことにきづかなかったなんて、本当に お前は、ピュアだなあ。はっはっは。まるで、サンタクロースがお父さんだと、知らない幼児のようだよ。ホッホッほ」
   !  !  !

春男 「えええ!!!。サンタクロース、とうさんだったの?うわああああ。とうさんのうそつきー。ばかあああ」

家を飛び出した春男が、戻ってくることはなかった。








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