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源次郎便

「先輩。これ、数字よみにくいんですけど、205号室ですかねー。206号室ですかねー。」

「宛名も表札もモハメッドなんたらって書いてあるから205号室で、いいんじゃね。」

「でも、隣もそのとなりもモハメッド、ですよ。」

「じゃあ、きっと親戚なんじゃね。大丈夫だって。聴いてきな。」

「親戚ってより、日本人でいうとこの鈴木とか田中みたいなきがするんですよね。オレのうちの近所のコンビニ店員にも、最近モハメッドっているし」

ピンポーン

「あ、はい。はい。サンキュウ。センパーイ、205で、いいそうです。その荷物もってきてくださーい」

「お前。外国語わかるのか。」

「違いますよ。相手がスマホの翻訳機能つかってくれたんですよ。『全部おれの』って画面にでてました。」

「猫型ロボットみたいだな。ぐはは。ほんやくこん。。」

「はいはい。つぎ、いきますよ。となりのアパート302号室にコンサートチケットですね。わあ、大人気アイドルのじゃないっすか。ネットオークションだと、20万円ぐらいで売ってますよ。
あれ6個もある。みんな、宛名が違いますよ。あそこ、ワンルームですよね。そんなに住めるのかな」

「ニックネームなんじゃね？まあ、大丈夫、大丈夫。いってきな。」

ピンポーン

「遅かったなあ。どうだった」

「同じ顔して同じ服きて、おなじ長さの鼻毛でてる人間が6回出てきました。６つ子だそうです。これって、多分。。」

「６つ子か。すげえな。おそ松くんかよ。おし、次いこ。つぎ」

「はあ。。えっと、三軒先の一軒家です。Smith(Pig)宛ですよ。スミスさん、ペットに豚かってるんですかねー。」

「それは、違うな。(この豚野郎め!)って、意味だ。ほら、包みに耳当てて、きいてみな。時計の音が聴こえる。」
チックタックチックタック。。。

「ドッカーンだな。ぐはは」

「センパイ。。早く日本に帰りたいっす。」

「それは無理だ。《世界を結ぶ源次郎便》次のお届けはサハラ砂漠だ!」