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第五章 コトリバコ編 エピローグ
第273話
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目を覚ます。
すると、まずは白亜の横顔が視界に飛び込んできた。
どうやら、俺が寝ている間に、病室に入ってきて椅子を置いたあとは、椅子に座って俺を見ていたのだろう。
そして、眠くなって上半身をベッドに預けるような形で寝落ちしたと……、おそらくは、そんな所か。
携帯電話を上着から取り出して時間を確認すると川野外務大臣と会話をしてから4時間ほどしか経過していない。
「はぁぁ……」
欠伸をしながら、上半身を起こしたところで「う……んっ? ご主人様。目が覚めたのか?」と、白亜が心配そうな表情で俺に語り掛けてくる。
「ああ。もう大丈夫だ。まだ本調子とは言わないが、あとは時間を置けば数日で戻る」
「そうか。それは良かったのだ」
心底安心したような素振りの白亜は、
「それよりもご主人様、これからはどうするのだ?」
――と、話しかけてくるが、
「まずは妹の退院が先だな」
「そうであるな。あとは神楽坂都という幼馴染と女子は、どうなっているのか聞きたいのだ」
「――ん? 興味があるのか?」
「うむ。第一奥方となる人物であろう?」
「第一とは……」
「ちなみに妾は、第三奥方という立ち位置になったのだ!」
「第二は?」
「胡桃殿に決まっているであろう!」
「あのな……、妹のアホな遊びに付き合わされていると思うが、俺と妹は兄妹だからな。それに、俺は結婚とか恋人を作るとかは一切考えていない」
「またまたー、ご主人様は――」
「まぁ、信じるか信じないかはお前の勝手だがな。あと都とは、喧嘩中だ」
「喧嘩中ということは……」
「ああ。察してくれ」
「妾が第二奥方に昇進!」
「変な方向に察しなくていいからな」
思わず溜息が出る。
一体、妹とどんな会話をしたというのか……、怖くて聞けないな。
「とりあえず、妹の体について確認しにいくから」
「妾もついていく」
妹の病室に到着すると、住良木が恭しく頭を下げてくる。
そして――、やはりというか急速な肉体修復で肉体には負荷が掛かった影響からなのか、妹は深く熟睡をしていた。
「とくに細胞には異常はないな」
妹の額から指先を離して俺は呟く。
「明日には、退院できるだろう」
「桂木殿は、本当に医療に精通しているのですね」
「まあな……」
「それよりも住良木も迷惑をかけたな。もう結界の維持をしておく必要はないぞ?」
「分かりました。それでは結界の解除をしてまいります。それと、アディールから手紙です」
「手紙?」
受け取った手紙には、屋上に来て欲しいとだけ書かれている。
「桂木殿。アディールのことを宜しくお願いします。あの子は、実力こそありますが、幼く保護者を必要としております。――ですが、そのあまりの優秀さに、周りの大人は庇護する事なく悪意ある感情を向けてくる事があります」
「つまり、俺のところでアディールを預かれってことか? だが、アイツが頼み込んで来ない限り、それは無理だ。己の歩む道は、自身で切り開くしか出来ないからな」
「――それでは、アディールが桂木殿に庇護を求めてきたら助けて頂けるという事で?」
「まぁ、アイツの性格上、そんなことは絶対にありえないから、無いと思うが――、もしあったら、引き受けよう」
「それは天地神明にかけてということで?」
「何度も言わせるな。桂木優斗の名にかけて約束しよう」
まぁ、アディールの言動とツンツンした性格と、俺を敵対視していることから考えても、そんなことは万に一つもないだろうがな!
すると、まずは白亜の横顔が視界に飛び込んできた。
どうやら、俺が寝ている間に、病室に入ってきて椅子を置いたあとは、椅子に座って俺を見ていたのだろう。
そして、眠くなって上半身をベッドに預けるような形で寝落ちしたと……、おそらくは、そんな所か。
携帯電話を上着から取り出して時間を確認すると川野外務大臣と会話をしてから4時間ほどしか経過していない。
「はぁぁ……」
欠伸をしながら、上半身を起こしたところで「う……んっ? ご主人様。目が覚めたのか?」と、白亜が心配そうな表情で俺に語り掛けてくる。
「ああ。もう大丈夫だ。まだ本調子とは言わないが、あとは時間を置けば数日で戻る」
「そうか。それは良かったのだ」
心底安心したような素振りの白亜は、
「それよりもご主人様、これからはどうするのだ?」
――と、話しかけてくるが、
「まずは妹の退院が先だな」
「そうであるな。あとは神楽坂都という幼馴染と女子は、どうなっているのか聞きたいのだ」
「――ん? 興味があるのか?」
「うむ。第一奥方となる人物であろう?」
「第一とは……」
「ちなみに妾は、第三奥方という立ち位置になったのだ!」
「第二は?」
「胡桃殿に決まっているであろう!」
「あのな……、妹のアホな遊びに付き合わされていると思うが、俺と妹は兄妹だからな。それに、俺は結婚とか恋人を作るとかは一切考えていない」
「またまたー、ご主人様は――」
「まぁ、信じるか信じないかはお前の勝手だがな。あと都とは、喧嘩中だ」
「喧嘩中ということは……」
「ああ。察してくれ」
「妾が第二奥方に昇進!」
「変な方向に察しなくていいからな」
思わず溜息が出る。
一体、妹とどんな会話をしたというのか……、怖くて聞けないな。
「とりあえず、妹の体について確認しにいくから」
「妾もついていく」
妹の病室に到着すると、住良木が恭しく頭を下げてくる。
そして――、やはりというか急速な肉体修復で肉体には負荷が掛かった影響からなのか、妹は深く熟睡をしていた。
「とくに細胞には異常はないな」
妹の額から指先を離して俺は呟く。
「明日には、退院できるだろう」
「桂木殿は、本当に医療に精通しているのですね」
「まあな……」
「それよりも住良木も迷惑をかけたな。もう結界の維持をしておく必要はないぞ?」
「分かりました。それでは結界の解除をしてまいります。それと、アディールから手紙です」
「手紙?」
受け取った手紙には、屋上に来て欲しいとだけ書かれている。
「桂木殿。アディールのことを宜しくお願いします。あの子は、実力こそありますが、幼く保護者を必要としております。――ですが、そのあまりの優秀さに、周りの大人は庇護する事なく悪意ある感情を向けてくる事があります」
「つまり、俺のところでアディールを預かれってことか? だが、アイツが頼み込んで来ない限り、それは無理だ。己の歩む道は、自身で切り開くしか出来ないからな」
「――それでは、アディールが桂木殿に庇護を求めてきたら助けて頂けるという事で?」
「まぁ、アイツの性格上、そんなことは絶対にありえないから、無いと思うが――、もしあったら、引き受けよう」
「それは天地神明にかけてということで?」
「何度も言わせるな。桂木優斗の名にかけて約束しよう」
まぁ、アディールの言動とツンツンした性格と、俺を敵対視していることから考えても、そんなことは万に一つもないだろうがな!
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