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第五話 牢獄にて
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「で?何か言う事は?」
「調子に乗ってすいませんでした...」
木製の枷で後ろ手に拘束されたマリは仕方なくといった様子で頭を下げた。
こうして見ると彼女の体が如何に華奢かよく分かる。
そんな事を思った次の瞬間、マリが ''ブンっ,,と音が出そうなくらい勢いよく頭を振り上げた。
さながらヘッドバンギングだ。
その反動でマリの胸に付いた小さな二つの山は極々僅かに振動した...ように見えた。
実際に揺れたかどうか判断がつかないほどマリの胸は小さかった。
無論、手枷を付けているのはマリだけではない。
正もまた後ろ手に拘束されマリと一緒の牢獄に閉じ込められていた。
何故こんな事になっているか、それは1時間ほど前の事だ。
~~およそ1時間前~~
「おい、待てって」
正は自分の20mほど先を走っている馬鹿を追いかける。
「早く早くぅ」
マリは正の言葉を無視しスピードを上げて門へと向かっていった。
そうして門に1人で着いたマリを待っていたのは門兵による検問だった。
手始めに名前や年齢、町へ入る目的などを訊かれた。
しかし、あろうことか駄女神は目的を訊かれた際
馬鹿正直に「異世界から来てとりあえず近くにある町へトラックに乗ってきました」
と答えてしまった。
マリの前に立ちふさがった門兵はしばらくフリーズしていたが
数秒後にやっと脳の再起動が完了したらしく
数人の門兵同士で耳打ちしあいマリは手枷をつけられた。
それだけなら正まで捕まるようなことにはならなかったのだがそこは駄女神
2分ほど遅れて門へと到着した正を見つけるや否や
「ただしさ~ん」
と枷をつけられた手に代わり上半身を左右に振って正を呼んだ。
そこから先は言わなくとも分かるであろうが
不審人物の知り合いということで有無を言わさず捕らえられ
手枷をはめられ牢獄にぶち込まれ今に至る。
振り返るだけで余りの理不尽さに泣きたくなってきたので
「どこの世界に異世界からきましたなんて言うアホがいるんだよ...」
と少し悪態をつくと。
件のアホが
「いやでも実際異世界から来ましたし~」
と悪びれる様子もなくケロッとした顔で言い放った。
―――カツン―――
余りのアホさ加減に馬鹿らしくなった正は過去の事ではなく
未来の事を考える思考へと脳をシフトした。
「マリ、俺たちこの先どうなると思う?」
―――カツン―――
「そうですねぇ、殺されはしないと思いますけど拷問くらいはされるかもですね。」
「拷問!?なんでそこまでされるんだよ!」
「いや、正さん忘れてるかもですけど一応この世界戦時中ですからね。」
―――カツン―――
そういえばこの世界に来てすぐそんな様なことを聞いた気がする。
確かに戦時中なら怪しい人物に拷問くらいして情報を吐かせるような事をするかもしれない。
そんな事を考え始めると得体のしれない恐怖が正を襲う。
―――カッ―――
背中に嫌な寒気を覚えた正が鉄格子の方へ振り返ると
そこには綺麗なドレスを身に纏った女の子がいた。
先ほどまで響いていた靴音は恐らく彼女のものだろう。
その女の子は鈴を転がすような声で
「あなた達が異世界から来たというスパイ?」
と尋ねてきた。
「調子に乗ってすいませんでした...」
木製の枷で後ろ手に拘束されたマリは仕方なくといった様子で頭を下げた。
こうして見ると彼女の体が如何に華奢かよく分かる。
そんな事を思った次の瞬間、マリが ''ブンっ,,と音が出そうなくらい勢いよく頭を振り上げた。
さながらヘッドバンギングだ。
その反動でマリの胸に付いた小さな二つの山は極々僅かに振動した...ように見えた。
実際に揺れたかどうか判断がつかないほどマリの胸は小さかった。
無論、手枷を付けているのはマリだけではない。
正もまた後ろ手に拘束されマリと一緒の牢獄に閉じ込められていた。
何故こんな事になっているか、それは1時間ほど前の事だ。
~~およそ1時間前~~
「おい、待てって」
正は自分の20mほど先を走っている馬鹿を追いかける。
「早く早くぅ」
マリは正の言葉を無視しスピードを上げて門へと向かっていった。
そうして門に1人で着いたマリを待っていたのは門兵による検問だった。
手始めに名前や年齢、町へ入る目的などを訊かれた。
しかし、あろうことか駄女神は目的を訊かれた際
馬鹿正直に「異世界から来てとりあえず近くにある町へトラックに乗ってきました」
と答えてしまった。
マリの前に立ちふさがった門兵はしばらくフリーズしていたが
数秒後にやっと脳の再起動が完了したらしく
数人の門兵同士で耳打ちしあいマリは手枷をつけられた。
それだけなら正まで捕まるようなことにはならなかったのだがそこは駄女神
2分ほど遅れて門へと到着した正を見つけるや否や
「ただしさ~ん」
と枷をつけられた手に代わり上半身を左右に振って正を呼んだ。
そこから先は言わなくとも分かるであろうが
不審人物の知り合いということで有無を言わさず捕らえられ
手枷をはめられ牢獄にぶち込まれ今に至る。
振り返るだけで余りの理不尽さに泣きたくなってきたので
「どこの世界に異世界からきましたなんて言うアホがいるんだよ...」
と少し悪態をつくと。
件のアホが
「いやでも実際異世界から来ましたし~」
と悪びれる様子もなくケロッとした顔で言い放った。
―――カツン―――
余りのアホさ加減に馬鹿らしくなった正は過去の事ではなく
未来の事を考える思考へと脳をシフトした。
「マリ、俺たちこの先どうなると思う?」
―――カツン―――
「そうですねぇ、殺されはしないと思いますけど拷問くらいはされるかもですね。」
「拷問!?なんでそこまでされるんだよ!」
「いや、正さん忘れてるかもですけど一応この世界戦時中ですからね。」
―――カツン―――
そういえばこの世界に来てすぐそんな様なことを聞いた気がする。
確かに戦時中なら怪しい人物に拷問くらいして情報を吐かせるような事をするかもしれない。
そんな事を考え始めると得体のしれない恐怖が正を襲う。
―――カッ―――
背中に嫌な寒気を覚えた正が鉄格子の方へ振り返ると
そこには綺麗なドレスを身に纏った女の子がいた。
先ほどまで響いていた靴音は恐らく彼女のものだろう。
その女の子は鈴を転がすような声で
「あなた達が異世界から来たというスパイ?」
と尋ねてきた。
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