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Day 1
じゃあ逝こう
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「もうこんな毎日は嫌だよ…
死んだら、楽になれるのかな…?」
私は一人屋上でたたずんでいた。
私は無意識に屋上の柵に手を伸ばして体を起こしていた。すると後ろから女の子に話しかけられた。
「あんた、今から死ぬ予定?」
バッと振り向くと、そこには学校中で「ヤンキー」として有名な不良の 黒澤玲央 がいた。彼女とは同じクラスだけど滅多に見ない。いつも屋上にいるのか?一瞬そう思ったけど、今のこの変な状況の事を忘れていた。私は息を飲み込んだ。
「…そう、ですけど…。」
私はここに人がいるのを初めて見たせいか驚きを隠せなかった。黒澤さんはじっと私の事を見始めた。すると私の方へ歩いてきた。た、助けるつもり…?私はとっさにもう一度柵をつかんで叫びながらこう言った。
「わ、わわ私を止めても…む、無駄なので!!」
ビクビクしながら黒澤さんを振り切ろうとした瞬間、いきなり黒澤さんが私の事を抱きしめた。私は何がどうなっているのか全く理解できずにただ茫然と立っているだけだった。そして耳打ちで彼女が言った。
「死ぬならさ、あたしに殺させてよ。」
一瞬頭が真っ白になってびっくりしたから黒澤さんを突き飛ばした。体を守るように全身に手を回した。私は顔を赤らめながら黒澤さんの事をずっとみていた。どうして、今から死ぬのに。もう時間がないのに!すると黒澤さんは「ククク…」と、笑い出していた。私は何が面白いのかわからずにただ立っているだけ。
「あたしさぁ、一応ヤンキーで有名なんだよね。あんたも知ってるでしょ?」
すると黒澤さんが話し出した。
「…は、はい。」
「でもさ、あんたってあたしがヤンキーだって証拠見たことある?っていうか、周りに話してた人達証拠もなくベラベラと話してたでしょ。」
そういえば、黒澤さんがヤンキーだって話は聞いていたけど、ちゃんとした証拠は見たことない。それなのに私は勝手に決めつけていた。
「ご、ごめんなさい。」
「別に謝ってほしい訳じゃない。…でもさ、あたしも人生疲れたんだよね。だからあたしも死のうと思っててさ。」
私は返す言葉が出なかった。
「だから、せっかくだし死ぬ前になにかヤンキーっぽい事したいなーって思ってて。そしたらちょうどあんたが出てきて、死のうとしてたからあたしがあんたを殺してみたくなったわけ。」
この人が何を言っているのかわからない。ヤンキー=殺すだなんてそんな…。
「あんた、名前は?」
「白銀…みしろ、です。」
「…そう、みしろ。こんな形で出会いたくなかったけど、まぁ許してよ。もしかすると死んだら異世界に行けるかもしれないし。…大丈夫、あたしも一緒に死ぬから。」
私は最後の言葉を聞き逃さず、グッと手を胸にあてた。一緒に死ぬ?だったら殺せないじゃない。
あなたも一緒に死ぬんだから。
私は目を閉じてじっと待った。
足音が聞こえる、彼女の足音。
近づてくる、胸の鼓動。
力強く私をつかむ彼女の腕。
そして、私の額にかすかに感じた柔らかい感触。
気づけば私は空気という名の海の中。
深く、もっと深く沈んでゆく。
目を開けるとそこには微笑む彼女。
あぁ、こんな美しい死に方があったなんて。
ありがとう、黒澤さん。
死んだら、楽になれるのかな…?」
私は一人屋上でたたずんでいた。
私は無意識に屋上の柵に手を伸ばして体を起こしていた。すると後ろから女の子に話しかけられた。
「あんた、今から死ぬ予定?」
バッと振り向くと、そこには学校中で「ヤンキー」として有名な不良の 黒澤玲央 がいた。彼女とは同じクラスだけど滅多に見ない。いつも屋上にいるのか?一瞬そう思ったけど、今のこの変な状況の事を忘れていた。私は息を飲み込んだ。
「…そう、ですけど…。」
私はここに人がいるのを初めて見たせいか驚きを隠せなかった。黒澤さんはじっと私の事を見始めた。すると私の方へ歩いてきた。た、助けるつもり…?私はとっさにもう一度柵をつかんで叫びながらこう言った。
「わ、わわ私を止めても…む、無駄なので!!」
ビクビクしながら黒澤さんを振り切ろうとした瞬間、いきなり黒澤さんが私の事を抱きしめた。私は何がどうなっているのか全く理解できずにただ茫然と立っているだけだった。そして耳打ちで彼女が言った。
「死ぬならさ、あたしに殺させてよ。」
一瞬頭が真っ白になってびっくりしたから黒澤さんを突き飛ばした。体を守るように全身に手を回した。私は顔を赤らめながら黒澤さんの事をずっとみていた。どうして、今から死ぬのに。もう時間がないのに!すると黒澤さんは「ククク…」と、笑い出していた。私は何が面白いのかわからずにただ立っているだけ。
「あたしさぁ、一応ヤンキーで有名なんだよね。あんたも知ってるでしょ?」
すると黒澤さんが話し出した。
「…は、はい。」
「でもさ、あんたってあたしがヤンキーだって証拠見たことある?っていうか、周りに話してた人達証拠もなくベラベラと話してたでしょ。」
そういえば、黒澤さんがヤンキーだって話は聞いていたけど、ちゃんとした証拠は見たことない。それなのに私は勝手に決めつけていた。
「ご、ごめんなさい。」
「別に謝ってほしい訳じゃない。…でもさ、あたしも人生疲れたんだよね。だからあたしも死のうと思っててさ。」
私は返す言葉が出なかった。
「だから、せっかくだし死ぬ前になにかヤンキーっぽい事したいなーって思ってて。そしたらちょうどあんたが出てきて、死のうとしてたからあたしがあんたを殺してみたくなったわけ。」
この人が何を言っているのかわからない。ヤンキー=殺すだなんてそんな…。
「あんた、名前は?」
「白銀…みしろ、です。」
「…そう、みしろ。こんな形で出会いたくなかったけど、まぁ許してよ。もしかすると死んだら異世界に行けるかもしれないし。…大丈夫、あたしも一緒に死ぬから。」
私は最後の言葉を聞き逃さず、グッと手を胸にあてた。一緒に死ぬ?だったら殺せないじゃない。
あなたも一緒に死ぬんだから。
私は目を閉じてじっと待った。
足音が聞こえる、彼女の足音。
近づてくる、胸の鼓動。
力強く私をつかむ彼女の腕。
そして、私の額にかすかに感じた柔らかい感触。
気づけば私は空気という名の海の中。
深く、もっと深く沈んでゆく。
目を開けるとそこには微笑む彼女。
あぁ、こんな美しい死に方があったなんて。
ありがとう、黒澤さん。
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