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Day 1
異世界へ!
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私が目を覚ますとそこには広くて大きな空洞の場所があった。毛布が掛けられていることに気づき、毛布の下から何か暖かいものを感じた。私はすかさず毛布を取って確認すると、そこには私の足を枕にして眠っている黒澤さん。私は驚きと恥ずかしさのあまりまた黒澤さんを突き放してしまった。その衝撃で黒澤さんは目を覚ました。
「ん~…みしろおはよー。」
なんてのんきな!今の状況を飲み込んでいるとでも言うの!?
「おはよーじゃないです!な、なにをしているんですか!人の足を枕にして…!」
「…あぁん?」
ギロっと私を睨みつける黒澤さん。そうだ、忘れていた。彼女がヤンキーじゃなくても立ち振る舞いはヤンキーとほぼ変わらない…!私は恐怖のあまり黒澤さんに謝った。するとアハハと笑い出した。
「冗談だよ。…それにしてもほんとに異世界転生するとはなぁ。面白いな、アハハ!」
いえ、ぜんぜん面白くありません。むしろ怖いです。
あたりを見まわすと、まるで洋風の物語に出てきそうな教会みたいなところにいるのを気づく。黒澤さんは立ち上がって、周りを探索し始めた。私もつられて立ち上がり、ガラス窓から外を見ていた。一見普通の外だが、何か違和感を感じた。
「ここ広いなぁ。教会みたいだな。」
「…そうです、ね。」
そんな会話をしつつも、探索し続けるとドンッっと扉が開く音がした。そこに現れたのはまるでこの教会のシスターらしき女性だった。その女性は私達見た途端ニコっと笑ってこっちに歩いてきた。
「おはようございます。お二人とも長旅お疲れ様です。あなたたちがここへ来るのは神からのお告げで分かっていました。」
「もしかして、あの純白のドレスを着た髪の長い女神様みたいな人ですか?」
「まぁ!彼女に会いになさったのですね!えぇ、彼女は全世界の神であり我々生き物の母、イルエナ・クリストフィア様です。イルエナ様は五つの世界を繋ぐ神。」
「五つの世界?」
するとシスターは私達にイルエナ様と五つの世界の事を説明してくれた。
五つの世界。
神々が住むゴッデラス、悪魔が住むデビーヘルス、人間が住むヒューマノス、エルフが住むエルエンラス、ドラゴンが住むドラヌス、この五つの世界が中心となって世界の理となっている。そのうち四つ作ったのがイルエナ様。でもイルエナに嫉妬した悪魔の女王、ルアーナ・ミネルヴァが悪魔の世界を作った。ルアーナは全世界を自分のものにしようとしている。それを阻止するために私達2人をゴッデラスへ転生したのかもしれない、とシスターは言った。全部の世界は時間軸も違えば、価値観やルールも違う。イルエナ様はそれを踏まえて私達を送り出したのか?
長年の月日が経って、5つの世界はそれぞれ王者が君臨していた。ゴッデラスはイルエナ様、デビーヘルスはルアーナ。他の世界にも王者はいるが、皆仲が悪いとの事。そして、1億年に1度だけ宇宙に発生する「ラレーリア」と言うものがある。それは全世界の王者が力として蓄える、いわゆるエネルギーみたいなもの。ラレーリアは普通皆で分け合うが、ルアーナの悪事によって皆それぞれ奪い合う形となった。イルエナ様はそれも含めて私達2人に状況を変えて欲しいらしい。
そんな話を聞いてしまっては、断る理由がないじゃない。それに、せっかく新しい人生が歩めるもの、少しの冒険も楽しいかもね。隣で聞いてた黒澤さんは...目を光らせながら話を聞いていたみたい。
「なぁみしろ!楽しそうじゃん!やろうよ!」
ウキウキな黒澤さんが可愛くてつい笑ってしまった。私は少し不安を抱きながらも前を向いて歩く事を決意した。
「ん~…みしろおはよー。」
なんてのんきな!今の状況を飲み込んでいるとでも言うの!?
「おはよーじゃないです!な、なにをしているんですか!人の足を枕にして…!」
「…あぁん?」
ギロっと私を睨みつける黒澤さん。そうだ、忘れていた。彼女がヤンキーじゃなくても立ち振る舞いはヤンキーとほぼ変わらない…!私は恐怖のあまり黒澤さんに謝った。するとアハハと笑い出した。
「冗談だよ。…それにしてもほんとに異世界転生するとはなぁ。面白いな、アハハ!」
いえ、ぜんぜん面白くありません。むしろ怖いです。
あたりを見まわすと、まるで洋風の物語に出てきそうな教会みたいなところにいるのを気づく。黒澤さんは立ち上がって、周りを探索し始めた。私もつられて立ち上がり、ガラス窓から外を見ていた。一見普通の外だが、何か違和感を感じた。
「ここ広いなぁ。教会みたいだな。」
「…そうです、ね。」
そんな会話をしつつも、探索し続けるとドンッっと扉が開く音がした。そこに現れたのはまるでこの教会のシスターらしき女性だった。その女性は私達見た途端ニコっと笑ってこっちに歩いてきた。
「おはようございます。お二人とも長旅お疲れ様です。あなたたちがここへ来るのは神からのお告げで分かっていました。」
「もしかして、あの純白のドレスを着た髪の長い女神様みたいな人ですか?」
「まぁ!彼女に会いになさったのですね!えぇ、彼女は全世界の神であり我々生き物の母、イルエナ・クリストフィア様です。イルエナ様は五つの世界を繋ぐ神。」
「五つの世界?」
するとシスターは私達にイルエナ様と五つの世界の事を説明してくれた。
五つの世界。
神々が住むゴッデラス、悪魔が住むデビーヘルス、人間が住むヒューマノス、エルフが住むエルエンラス、ドラゴンが住むドラヌス、この五つの世界が中心となって世界の理となっている。そのうち四つ作ったのがイルエナ様。でもイルエナに嫉妬した悪魔の女王、ルアーナ・ミネルヴァが悪魔の世界を作った。ルアーナは全世界を自分のものにしようとしている。それを阻止するために私達2人をゴッデラスへ転生したのかもしれない、とシスターは言った。全部の世界は時間軸も違えば、価値観やルールも違う。イルエナ様はそれを踏まえて私達を送り出したのか?
長年の月日が経って、5つの世界はそれぞれ王者が君臨していた。ゴッデラスはイルエナ様、デビーヘルスはルアーナ。他の世界にも王者はいるが、皆仲が悪いとの事。そして、1億年に1度だけ宇宙に発生する「ラレーリア」と言うものがある。それは全世界の王者が力として蓄える、いわゆるエネルギーみたいなもの。ラレーリアは普通皆で分け合うが、ルアーナの悪事によって皆それぞれ奪い合う形となった。イルエナ様はそれも含めて私達2人に状況を変えて欲しいらしい。
そんな話を聞いてしまっては、断る理由がないじゃない。それに、せっかく新しい人生が歩めるもの、少しの冒険も楽しいかもね。隣で聞いてた黒澤さんは...目を光らせながら話を聞いていたみたい。
「なぁみしろ!楽しそうじゃん!やろうよ!」
ウキウキな黒澤さんが可愛くてつい笑ってしまった。私は少し不安を抱きながらも前を向いて歩く事を決意した。
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