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37.彼の好みのタイプ
彼との約束の日、リンジェーラは副長と薬草採取に行くらしく朝から出かけて行った。もちろん軽くおしゃれをして・・・。
団長と副長が同じ日に休みなんてあるのかと思ったが、やはりこちらに合わせただけのようで、彼は仕事らしく、待ち合わせ時間は昼前になり、場所は宮廷入り口の噴水になった。
約束をしたが、何故自分がわざわざ出向かないといけないのかと思ってしまう。
普通こういうのは男が迎えにくるものではないのかと・・・。ディミドラはこのような経験はないが、彼に少しでも借りを作りたくなくて、待ち合わせ時間よりも早めにきた。
訓練が終わった時間なのか、見学していたであろう女の子達が出てきている。出てきた女の子達は、訓練場での事を話しているようで、話題は彼と副長の話だった。
「今日はゾディアス様がいなかったわね」
「そうね。団長と副長2人が揃って訓練してるのが見れなくて残念だったけど・・・」
「だけど?」
「今日の団長なんだかいつもと違って、上機嫌で艶があったわ」
「確かに、いつもと違って鋭い感じがなかったわね」
「でもいつもみたいに、あの人達が側にいたから牽制されて、結局近づけなかったわ」
「あの人達、自分達が相手をしてもらってるからって、他の子を見下して近づけないものね」
「でもね、最近団長は、彼女達を相手にしてないらしいわ」
「みたいね。あの中の一人が団長に詰め寄ってて、手を振り払われるのをみたし、それに振られた時の話聞いちゃってさ。実は団長って可愛い系が好みで、胸より尻派だって、彼女達が自慢だった胸や顔を否定して振ったらしいわ」
「ほんと、いいざまね。団長に近づいたらそんな貧相な胸じゃ相手にされないとか言ってきてたのにぃ」
「それ私も言われた。なのにあの人達は団長のタイプじゃ全然なかったって。今更タイプじゃないって振られるなんて、お気の毒ね」
彼の周りにいる女性たちがどのような人であるかは、彼女達の会話でだいたい理解できた。胸が大きくてグラマラスな感じの女性だと・・・性格は牽制してきたりするくらい強気だということが・・・。
ディミドラにとっては、別にどうでもよい話ではあるけれど、後に関わってくる可能性のある話だから、しっかり聞いておいた。
彼はタイプではなかったと、いままで関係があった女性を清算しているのだろうが、キリの付け方が下手くそだ。
そんなやり方では、彼の側にいる自分に悪意が向けられるではないかと・・・。どちらにせよ彼が関係した女性達とは、これから関わらないということはないのだろうから、もっとしっかり関係は清算してもらいたいものだと思った。
そして、彼の好きなタイプが可愛い系で、胸より尻派だということは、彼の行動からもなんとなくディミドラは気づいていた。
確かに彼は、毎回ディミドラの腰やお尻を触っていたのだから・・・。
今からこんな場所で、彼と待ち合わせというのは、注目が集まってしまうだろうと危惧して、宮廷の門番さんに団長が来たら伝言を伝えてもらうようにした。
門番の人は訝しげで、へんな事を団長に言うと自分が被害を受けると言い、伝言は了承してくれなかった。
だが、きっと私がいないと彼は探すだろうし、彼に触れておけば彼の言う番の匂いがわかるだろうから、この門番に話しかけるはずだ。
「彼は私の匂いがわかるだろうから、私が居なかったら貴方に聞いてくるはずよ。聞かれたらでいいから伝言をよろしくね」
ディミドラは、すぐに伝言を了承しなかった彼の腕に抱きついて再度お願いをして、この場を離れた。
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