婚約者には好きな人〜ネガティブ思考令嬢は婚約破棄を告げスルーされる〜

ドール

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10.見た事がない姿

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 レミリアの名を呼び、ルシウスが険しい表情をし勢いよく駆け寄ってきた。そしてロゼリエから、レミリアを引き剥がす様に引き寄せられ、なぜかルシウスに抱きしめられるように彼の腕の中にとらわれた。


「ル、ルシウス」


「レミリアに何をした」
 レミリアは、ルシウスに抱きしめられ動揺しながらも、ルシウスが発した言葉で我に返り、ルシウスがロゼリエに対し威圧するような声色に慌てた。


「ルシウスッやめて、ロゼは何もしてないわ」


「何も、してないわけがないだろう・・・目が赤い。わざわざ、こんな人気のない場所に連れてくるとは」
 ルシウスは、レミリアの目を覗き込んだあと、ロゼリエに向き直り鋭い視線を向けてしまう。


「違ッ、ロゼが悪いんじゃ、私が・・・勝手に」
 レミリアは、ルシウスの初めて見る様子に上手く言葉がでなかった。いつも彼は感情を滅多に表さず、冷静に周りを見れている人だったから・・・。
 だから・・・レミリアはルシウスが知らない人に見え戸惑った。

 何故このようにロゼリエに対して敵意を向けるのか、理解もできず、ただルシウスの姿に、震えながら縋り止めることしかできなかった。


 そこへ、やはり見ていたからか、ロゼリエを庇うように、ロゼリエの婚約者であるワイアットが現れる。


「ルシウス、落ちつきなって。彼女は違うっていってるだろう」  
 彼はロゼリエを背に庇い、ルシウスの視線からロゼリエを守った。


「お前は黙っていろ。・・・自分の婚約者だからと庇おうとするな。彼女が普段、令嬢達を泣かせている場を仲裁しているんだから、お前だってわかっているだろう。今回も今までのようにレミリアに何か言ったに決まっている」
 ルシウスはロゼリエの噂を信じている様だった。友人である筈のワイアットにまでくってかかる。
 

「・・・・・・彼女を理解しているからこそ、違うと言っているんだよ。ルシウスこそ、自分の婚約者の言うことを、ちゃんと聞いてあげた方がいいよ。思い込むと視野が狭くなるのが君の悪い所だ。それに、彼女は君の姿に怯えている」
 ワイアットは、レミリアに視線を向け、大丈夫だからというように微笑んだ。


 ルシウスはワイアットの言葉を受け、こちらを振り返った。


 そして、レミリアの状況を理解したようで、ルシウスの腕を縋るように掴んでいたレミリアの手に、自身の手を重ねてきた。


「・・・レミリア・・・」
 ルシウスはレミリアの震える手を握り、いつもの冷静な彼に戻ったようだった。


 レミリアはルシウスが戸惑う様な表情に驚きつつも、ロゼリエの方を向いて謝った。

「別にいいのよ・・・私のせいで泣かせてしまったのは事実だから」

 ロゼリエがそういうと、またルシウスはロゼリエへの視線が鋭くなってしまう。だが、ルシウスが何か言う前にレミリアは、誤解をとくために、嬉し泣きはもうさせないでねと急いで告げた。

 その言葉をルシウスは聞いて、勘違いで自分がしでかしてしまった事を理解し、ロゼリエに向き直り謝罪をするのだ。


「ヴァークレイ嬢、申し訳ない・・・失礼をした」


「よろしいですよ。ここは、学園内ですから今回は謝罪を受け入れますわ。私も次からは、レミリアを泣かせない様に気をつけることに致しましょう」
 ロザリエは学園内だから目を瞑ってあげると、次は気をつけろとルシウスに忠告し、謝罪をうけいれた。

 そして綺麗に微笑んで、レミリアに愛されているように思うわよと、耳打ちをしてくるのだった。

 















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