婚約者には好きな人〜ネガティブ思考令嬢は婚約破棄を告げスルーされる〜

ドール

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54.妹

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「私は、何を勘違いしているの」

 
 
 ルシウスは、顔を上げたレミリアと目を合わせると、あの子は俺達の妹なんだよと告げてきた。

「・・・・・・妹?」
 ルシウスの口から告げられた勘違いは妹という単語。

「そうだ。俺の妹であり、レミリアの妹だ」


「私に、妹なんていないわ」
 レミリアはルシウスの言っている事がわからなかった・・・。


「レミリアの母と俺の父との子・・・だから俺達の妹だ。髪の色は父似で俺と大差ない色だし、瞳の色は母譲り。顔は父似だな」
 確かに言われてみたら最初に思った事だった。ルシウスと似た髪色をした子だと認識したはずだ。

 ルシウスは母親似だし、ルシウスの父とはレミリアはあまり顔を合わせなかったから気づきもしなかった。


「・・・・・・それは、婚外子ということ?」
 だが、母はいつ妊娠なんてしていただろうかと考える。

「ああ、だから、お爺様には内密に行動していたんだ」


「あの子は、母が・・・家から出て行った後に出来た子なのね」
 レミリアは母が病気になり、療養のため屋敷を出たと思っていたが、違ったようだ。


「レミリアの母は療養という形で別邸に移り、ルーナを産んだ。そして産後の肥立ちが悪く、亡くなったと父から聞いている」
 

「そう・・・だから、あの子を見るたびに胸が騒つく感じがしたのかもしれないわね」


「それは・・・嫉妬だったのではなかったのか?」
 
「ッ、それは、それもあるかも知れないけれど・・・」
  レミリアはまた指摘されて俯いてしまう。自分は実の妹に嫉妬して、2人の関係に悩んでいたのを恥ずかしく思ったし、実際はそんな関係ではなくて安堵したのも事実だった。


「そうだと、俺は嬉しい」
 ルシウスはレミリアの頬に手を添え、また口付けてきた。けれど今度は、ついばむだけの口づけをされた。


「でも、それを私に内緒にしていたのはどうして?」
 レミリアはルシウスの口付けから逃れるように疑問を口にする。

「実は、何度も打ち明けようとしたんだが・・・伝えようとすると邪魔が入って伝えることができなかった」    


「でも、伝える機会はいくらでもあったと思うのだけれど・・・」
 馬車でも、屋敷でも伝えられたはずだとレミリアは思う。


「あの時の当主は、まだお爺様だったからな・・・レミリアに伝える時に漏れてしまうのは避けたかった。だからなるべく2人きりで伝えたかったんだ」


「2人きりなら、今だってそうよ?」
 レミリアとルシウスは馬車に乗って2人きりだ。


「だが、御者がいるだろう。意外に馬車の中は会話が聞こえる。当主が変わるまでは油断ができなかったんだ。せっかくの計画が駄目になる可能性は潰しておくのが安全だ」

「計画?」

「この計画が漏れれば、俺達の結婚も危うくなっていた」
 ルシウスはレミリアの手を握り、計画のあらましを説明するのだった。











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