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55.計画
しおりを挟む「お爺様は、俺とレミリアの婚約も、実は渋っていたんだ。互いの親が恋人同士で、互いの子を婚約させようとしているのは異様に見えたんだろう。それに2人ともが長子だから、揉めると思っていたようだ」
今の両親達をみれば、異様な事はレミリアにもわかる。
「・・・そうね。でも、婚約したわ」
「ああ、お爺様にはレミリアが嫁いでくると報告してたようだからな」
レミリアも、自分が嫁ぐとばかり思っていた。
「ルシウスのお母様が、私と結婚させて私の父と同じ家名をルシウスが名乗ることを望んでいたのは知らなかったの?」
「母とは合わせないようにしていたからな・・・だが、レミリアはどこでそれを?」
「父が教えてくれたわ。ルシウスと婚約を解消したいと父に伝えた日に。だから婚約は解消できないと・・・」
ルシウスはまた、いつもの眉間に皺を寄せた顔になった。
「そうか・・・レミリアにそんな事を伝えた事に腹が立つが、解消出来ないと言ってもらえてよかったよ」
レミリアはルシウスに申し訳なくなり、あの時父が言っていた事を思い出す。
「そういえば、願いを聞くかわりとして、ルシウスを婿に望んだとも言っていたわ」
「ああ・・・それは、レミリアの母を療養として屋敷からだす事を俺の父が望んだんだ。2人はこっそりと会っていて、ルーナを身籠っていた」
レミリアは幼かったため、母が身籠っているのには気づいておらず、母が屋敷を出ていく時も記憶にはなかった。療養のために出て行ったのはそう教えられたのだ。
「そのまま屋敷で産めば、子の父親はレミリアの父という事になってしまう。だから婚外子としてでも、愛する人の子は2人で育てたいと思ったようだ。母の事があるからそれだけが理由ではないだろうが・・・」
認められなくてもか・・・それだけ2人は自分達の子に拘ったということだ・・・。
もとめられて産まれてきた子というのは、少し羨ましいとレミリアは思った。自分に無いものを羨んでも虚しいだけなのに・・・・・・。
「まあ、それでも、今のルーナを見るかぎり、教養に関してはそのままの方がよかったようには思うよ。あの子も頑張っているのだけれど貴族としてはまだまだで、フォローが必要になる」
「それで・・・ルシウスはあの子と一緒にいたの?」
ルシウスがあの子と居たのは妹として、フォローをするため・・・。聞いていた噂も、妹だけど、それが周りにはバレないように・・・。
「ああ、父に頼まれていたし、トラブルを招きやすいみたいだったからな。おちおち1人にはできなかった。だが、ルーナの側にいてくれる頼りになる奴が現れたから任せる事にした。あいつなら大丈夫だろう」
ルシウスは意外にも、アイザックを信頼しているようだ。
「レミリアのフォローをあいつがしていた事を聞いた時は殺意が沸いたがな・・・。今はそれが任せられる理由の一つにはなった」
ルシウスはアイザックが今までレミリアのフォローをしていた事を本人から教えられたようだ。教えたと言うよりも、アイザックがルシウスに認めてもらうために交渉してきたのだと言った。
「お爺様に計画が知られる事なく、家督も父が継いだ今、もう隠す必要は何もない」
ルシウスはレミリアを真っ直ぐに見た。
「俺が至らないばかりに、レミリアを傷つけ続けた。だが、これからは決してレミリアを傷つけないと誓う・・・だから、レミリアの口から聞きたい。婚約は、破棄は、撤回すると言ってくれ」
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