婚約者には好きな人〜ネガティブ思考令嬢は婚約破棄を告げスルーされる〜

ドール

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56.撤回

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「ルシウスッ、私、私は、ルシウスとずっと一緒にいたい。だから、貴方との婚約を、破棄する事を、撤回します・・・・・・私を貴方の唯一の妻にして下さい」

 ルシウスに抱えられたまま、彼の空色の瞳と見つめ合いながら、レミリアは望まれた言葉を口にする。けれどそれは、レミリアも望んでいた言葉を・・・・・・。
 

「勿論だ。ありがとうレミリア・・・」
 

 レミリアが告げた言葉にルシウスの目が揺らめいて、強く抱きしめられた。そして、大切にすると、ルシウスは切実に言ってくれた。


 ルシウスの腕に抱かれ、レミリアは今までの苦しさが嘘のように幸福に包まれていた。ルシウスの体温に安心していると、ルシウスの鼓動が少し早く打つのをレミリアは感じルシウスを見上げる。

 ルシウスの熱の籠った瞳と視線が交わると、レミリアの鼓動も早くなってしまい、それが伝わっているだろうと思うと、さらに高鳴ってしまった。


 そんな中、馬車が丁度停止し、着いた先はレミリアの屋敷ではなくルシウスの屋敷のようだった。

 なぜこちらへ来たのかレミリアはわからなかったが、ルシウスはレミリアを抱えたまま馬車を降りて、足早にどこかに向かって歩き出してしまい、レミリアは疑問を口に出せなかった。


 そして、ルシウスの部屋とも違う、レミリアが来たことのない一室に連れてこられると、ベッドに優しく下されて、そのまま倒れ込むようにルシウスがレミリアに覆い被さってきた。


「レミリア、俺は、もう我慢をしなくてもいいだろうか・・・」


「我慢?」


「ああ、レミリアに触れる事、レミリアの素肌を見る事、レミリアを深くまで愛する事を・・・」
 レミリアはルシウスの温かい指先で唇をなぞられ、制服のリボンを外される。そしてルシウスの言った意味を徐々に理解した。


 ルシウスがレミリアをもとめてくれているということに、嬉しくも恥ずかしい気持ちが勝ってしまいレミリアは身体が強張ってしまう。


「本当は、以前あの男に触られた時も我慢は限界だった。だから、また同じ事がおこって、今回は自制が出来そうにない。自分勝手ですまない」

 ルシウスはレミリアの緊張をほぐすように、頬を撫でたり、優しく口付けを至る所におとしていく。

 ただ目だけは決してレミリアから逸らされず、狙われた獲物のように大人しくルシウスの行動を受け入れるしかレミリアにはできなかった。


 けれどそれは無理矢理ではなく、レミリアも望んでいた触れあいで、望んでいたルシウスの行動なので、レミリアは自分もルシウスを求めているのだと自分から口付けをルシウスに贈るのだった。





 



 









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