80 / 106
〜ルシウス視点〜
17.
しおりを挟む腕の中で、ルシウスに身を預けたまま寝てしまったレミリアを、ルシウスは部屋まで送り届けた。
このまま、ずっとそばにいたいとも思ったが、ルシウスは学園での出来事をレミリアの父に報告するため、執務室を訪れる。
ルシウスが入室を許可され、レミリアの父と対面し、学園での事を報告した。手首以外に怪我はなく、応急処置は指示したため、今は眠っているので明日医者に見てもらってほしいと告げた。
「わかった。そのようにしよう・・・それでその男達が何処の誰だかわかっているのだろうな」
「レミリアから話を聞いたかぎり検討はついていますので、今からその家に行ってこようと思います」
「そうか、うちの者も同行させて報告を聞くとしよう。学園には明日出向くようにする」
「わかりました。そのように」
それから同行者をつれて、あの場にいた令息達の家を巡り話しをした。皆格下の家のため、こちらのいう事に反論は無く、厳しく対応をすると言質をとり、書面にどのような対処をするか記して送るように指示をした。
翌日も学園内での問題のため、経営陣が対応におわれており、侯爵も出向いたため学園が騒がしかった。
その日はレミリアに朝あえなかったため、昼にカードにメッセージを書き、見舞いの花と一緒に届けさせた。
そして夕刻、ルシウスは贈り物を持ってレミリアに会いに行く。
「レミリア、これを受け取ってくれるか。大急ぎで仕上げてもらったんだ」
レミリアはルシウスがさしだした箱を開ける。そして不思議そうな顔でルシウスを見てくる。不思議に思っても無理はない、レミリアの手では抜けてしまいそうなサイズなのだから・・・。
「これは・・・。何故、2つも・・・」
「これは対になっているんだ。1つはレミリアに、もう1つは俺がつける」
見ているだけで、ブレスレットを受け取らないレミリアに焦れ、ルシウスは説明を始める。
「レミリアが危険な目にあう事がないよう。もしあったとしても駆けつけらるようにつけていて欲しい」
ルシウスはレミリアの手をとり、ブレスレットを腕に通した。
大きすぎたブレスレットは、パチっと音がしてレミリアの手首に合わせて縮んでいく。
「魔導具・・・ですか」
レミリアはルシウスを見上げた。
「ああ、これを腕から抜こうとすれば、対のブレスレットが光り、位置を示すようになっている」
ルシウスは自分の腕にも対のブレスレットを嵌め、外して見せた。
「こんな魔導具があるのですね」
レミリアのブレスレットが光り、位置が表示される。
「中々発動のアイディアが難しかったんだが、レミリアが外した指輪をみて参考にしてみた」
ルシウスの言葉にレミリアは視線をブレスレットから動かさなくなる。
「いつも付けていてくれ。その指輪が、今まで外されなかったように・・・・・・何かある時に外すのは、指輪ではなくブレスレットを代わりにしてくれ」
ルシウスはレミリアの手を取り、指輪に口づけた。レミリアにもう指輪を外してもらいたくない・・・そんな気持ちをこめて・・・。
326
あなたにおすすめの小説
すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…
アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。
婚約者には役目がある。
例え、私との時間が取れなくても、
例え、一人で夜会に行く事になっても、
例え、貴方が彼女を愛していても、
私は貴方を愛してる。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 女性視点、男性視点があります。
❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。
アズやっこ
恋愛
私は旦那様を愛していました。
今日は三年目の結婚記念日。帰らない旦那様をそれでも待ち続けました。
私は旦那様を愛していました。それでも旦那様は私を愛してくれないのですね。
これはお別れではありません。役目が終わったので交代するだけです。役立たずの妻で申し訳ありませんでした。
【完結】好きでもない私とは婚約解消してください
里音
恋愛
騎士団にいる彼はとても一途で誠実な人物だ。初恋で恋人だった幼なじみが家のために他家へ嫁いで行ってもまだ彼女を思い新たな恋人を作ることをしないと有名だ。私も憧れていた1人だった。
そんな彼との婚約が成立した。それは彼の行動で私が傷を負ったからだ。傷は残らないのに責任感からの婚約ではあるが、彼はプロポーズをしてくれた。その瞬間憧れが好きになっていた。
婚約して6ヶ月、接点のほとんどない2人だが少しずつ距離も縮まり幸せな日々を送っていた。と思っていたのに、彼の元恋人が離婚をして帰ってくる話を聞いて彼が私との婚約を「最悪だ」と後悔しているのを聞いてしまった。
もう何も信じられない
ミカン♬
恋愛
ウェンディは同じ学年の恋人がいる。彼は伯爵令息のエドアルト。1年生の時に学園の図書室で出会って二人は友達になり、仲を育んで恋人に発展し今は卒業後の婚約を待っていた。
ウェンディは平民なのでエドアルトの家からは反対されていたが、卒業して互いに気持ちが変わらなければ婚約を認めると約束されたのだ。
その彼が他の令嬢に恋をしてしまったようだ。彼女はソーニア様。ウェンディよりも遥かに可憐で天使のような男爵令嬢。
「すまないけど、今だけ自由にさせてくれないか」
あんなに愛を囁いてくれたのに、もう彼の全てが信じられなくなった。
ガネット・フォルンは愛されたい
アズやっこ
恋愛
私はガネット・フォルンと申します。
子供も産めない役立たずの私は愛しておりました元旦那様の嫁を他の方へお譲りし、友との約束の為、辺境へ侍女としてやって参りました。
元旦那様と離縁し、傷物になった私が一人で生きていく為には侍女になるしかありませんでした。
それでも時々思うのです。私も愛されたかったと。私だけを愛してくれる男性が現れる事を夢に見るのです。
私も誰かに一途に愛されたかった。
❈ 旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。の作品のガネットの話です。
❈ ガネットにも幸せを…と、作者の自己満足作品です。
伯爵令嬢の婚約解消理由
七宮 ゆえ
恋愛
私には、小さい頃から親に決められていた婚約者がいます。
婚約者は容姿端麗、文武両道、金枝玉葉という世のご令嬢方が黄色い悲鳴をあげること間違い無しなお方です。
そんな彼と私の関係は、婚約者としても友人としても比較的良好でありました。
しかしある日、彼から婚約を解消しようという提案を受けました。勿論私達の仲が不仲になったとか、そういう話ではありません。それにはやむを得ない事情があったのです。主に、国とか国とか国とか。
一体何があったのかというと、それは……
これは、そんな私たちの少しだけ複雑な婚約についてのお話。
*本編は8話+番外編を載せる予定です。
*小説家になろうに同時掲載しております。
*なろうの方でも、アルファポリスの方でも色んな方に続編を読みたいとのお言葉を貰ったので、続きを只今執筆しております。
【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる