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22.デート
しおりを挟むキール様はシルフィの手を引いて、人が少ない場所に連れて行った。
「何もされはしなかったか」
キール様はシルフィをベンチに座らせ、シルフィの前に膝をついて聞いてくれた。先程の彼らに向けた表情はもうされていない。
「はい、触れられてもいません」
シルフィはキールに、未だに握られている手に視線を落とす。
シルフィは、キール様が先程言われた事が気になったので聞いてみた。
「あの、女性を敵にまわす覚悟って・・・なんですか?そんなものが必要なんですか?」
「・・・・・・それは、君は気にしなくていい」
キール様はシルフィから、視線をそらした。
「そう・・・ですか。それより、シエル様達は・・・?一緒ではないのですか?」
「・・・ああ、シエルは・・・やっぱりミルドレッドと2人がいいと言われてな・・・すまない。ミルドレッドがいればシルフィ嬢も気が楽かと思ったんだが・・・」
キール様は申し訳なさそうにされている。
「大丈夫ですよ。気を使わせてすみません。先程はご迷惑もかけてしまって・・・」
「いや、迷惑ではない。人が多いからはぐれてしまうのは仕方ない。こうして手を繋ぐなりしておかなかったのがいけなかかったんだ。責任は自分にある」
キール様は繋いでいる手を、まだ離されようとはされない。
それどころか、さらに手を絡めてくるため、シルフィは戸惑った。
「2人になってしまったが・・・一緒に祭りをまわるのは嫌だろうか」
キール様は先程とは違い、伺う様に気弱な感じで問いかけて来られた。
「そんな事はありません。まだまだ、知らない事だらけなので、ぜひ見てまわりたいです。その・・・キール様と一緒に・・・」
シルフィは頑張って最後の一言を絞りだした。
キール様は嬉しそうに、目を細めている様にみえる。
「ああ、行こう」
シルフィは、今度こそ、キール様とのデートだなと思いながら手をひかれるのだった。
2人になったデートは、自然と会話が続いた。4人の時は、シルフィは話すことが殆どなく、相槌ばかりだったので、やっとキール様とまともな会話ができて、嬉しく思った。
その後も、祭りを見てまわり、行きたかった本屋も連れて行ってもらい、キール様の行きつけの魔道具店も紹介してもらった。
シルフィにとっては初めての街、お祭りで充実した1日を過ごした。
帰りにキール様は、次に会うのは夜会の日だと言われた。パートナーとして、迎えにまで来てくれると言う。嬉しさをかみしめながら、その日を楽しみに待つのだった。
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