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35.お互いの報告
しおりを挟むキール様と、婚約式の話も行った。
婚約式は、教会で行われる。双方の相違がないことを、神の前で誓う形式だ。そして、両家で事前に話し会われた契約書が読み上げられる。読み上げる事で、皆に内容を知らしめ不正が起こらぬように水晶へ記録される。
お互いに契約書を持つが、把握するためだけの意味をもつ。契約書に違反がある事をすれば、決められた、対価を払う事になるのだ。
その契約書の内容を、少し話したが2人が特別に望むものはなかった。浮気はしない、もしした場合の賠償、離縁など一般的なもので、当主としての仕事の内容も話したが、シルフィの思うようにしてよいと言われた。
キール様は、役に立たないとは言われたが、一緒に努力したいとも言ってくれる。シルフィはそれがとても嬉しかった。
学園ではシェリー様の噂話が勢いよく広まっており、周りにはいつもよりたくさんの人がいた。未来の皇后に近づいておこうという魂胆がわかる。
シルフィが近寄ると、シェリー様は輪の中から抜け出して来て、シルフィの手を引いてきた。
「来てくれてよかった。癒しがいないと気が滅入ってたの」
シェリー様は疲れた表情をした。
「私にも、シルフィ嬢の指輪がほしいわ・・・1日でこの有様よ。話し方から噂の真相とか聞きたくてしょうがないってのが、わかりやす過ぎなんだから」
「お疲れ様です。ご実家でも大変だったみたいですね。私もシェリー様に報告したい事があって・・・」
「聞いてるわよ。キールお兄様と婚約の話でしょ?」
シェリー様は小声で話される。
「はい」
「学園で静かに過ごしたいなら、発表までは周りに知られない方がいいわね。シルフィ嬢の場合、指輪があるから大丈夫でしょうけど・・・話をするには人が多いし、帰りに私の屋敷へいらっしゃいよ。私も聞いてほしくて待ってたの」
「ぜひ。顔合わせはありますが、リーディア様にももう一度ご挨拶させてもらいたいです」
「勿論。母なら家にいるから、呼んであげるわ。兄から話は聞いたけど、父が今私の事でピリピリしてるから、お兄様からも婚約っていう話が出た時、お父様の冷気で凍えそうだったわ。あっ、貴方達のは反対してないのよ?勿論私の・・・。せっかくデュークと思い会えたのに父に反対されてるから、あの夜会の日から会えてないのよ」
シェリー様は寂しそうだ。
「父ってば、話を聞いたらすぐに、転移魔法で王宮に向かおうとするから・・・、止めるのに苦労したわ。デュークを氷漬けにしてやるなんて怖い事いうし・・・」
シェリー様はため息を付いて遠い目をするのだった。
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