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47.姉への求婚者
しおりを挟むキール様が連れてきた彼は、姉と愛称で呼び合う仲だったようで訳ありみたいだ。
キール様は彼が、リズリーお姉様の恋人で、サウザント伯爵家の長男、ロイド=サウザントだと教えてくれた。
だが、姉は恋人の関係を終わらせたのは彼だと言い、話もしたくないようだった。
温厚そうな彼が、姉を振ったのが納得いかず、シルフィは応接室で話をするように頑なに拒否する姉を説得した。
きっと姉がおかしいのは彼が関係しているのだろうと・・・ならば元に戻すのは姉を変えてしまった張本人しかいないと考えた。
「リズ・・・説明させて欲しい」
応接室に移動し、彼は話を切り出す。この部屋には姉達だけでは話ができない可能性もあるため、シルフィとキールも一緒に話を聞く事にした。
「・・・話をしたら、帰って。本当は聞きたくも無いけど」
お姉様は、話だけは聞いてくれる姿勢だ。
「はじめに言っておく。僕は、君との約束を破ろうとしたのではないんだ。あれは、父が勝手にした事で、僕は待つ気でいた。父は焦っていたんだ・・・。恋人がリズだと言うことは伝えていなかった。君に接触され焦らせたくなかったから。ただ、時期が来たら妻にしたい人を紹介すると父には言っていた・・・」
「・・・」
姉は黙って話を聞いている。
「君は、僕が待てずに新しい恋人を作ったと・・・思ったんだろう」
「・・・」
姉は視線を逸らしただけで返事はしなかった。
「・・・あの日は、父の知り合いの娘を相手するように言われていた。父は僕を理解してくれていると思っていたから、それが見合いだとは思わなかった」
「・・・」
「父に時期が来たらと言っていたけれど、相手も告げず、三年は待たせていたから・・・。父は僕が騙されているのだと思ったみたいだ。僕は一人息子だから、家を継がなくてはいけない」
「・・・」
「あの日、相手は見合いのつもりでやってきていて、でも僕がその気もなく相手をするものだから、これは父がセッティングした見合いだと教えてもらった。父から僕が、恋人に何年も結婚をまたされている・・・恋人が誰かも知らせてはくれないと。騙されているだろうがから、僕の目を覚まさせてやってほしいと言われたみたいだった・・・」
「あの日・・・私が見たのは、全部貴方の意思ではないというの・・・」
「ああ・・・」
「でも手を握って見つめ合ってたわ!」
「すまない・・・いつも君にするクセが・・・でてしまったみたいだ。彼女は理解してくれたから・・・つい、手を。お礼を言いながら握ってしまって、相手にも呆れて指摘されたよ」
「・・・・・・」
「キール殿が侯爵家に婿入りして、妹さんが家督を継ぐ話しは聞いた。父に・・・君を合わせたい。リズ・・・僕には君だけだ。僕の妻になってほしい。君が了承してくれるまで・・・僕はいつまでも待つよ。すでに3年もまったんだから、待つのは慣れた」
ロイド様は姉の手を握り、縋るように求婚した。ロイド様を見る姉の目は潤んで、うなずいて了承の返事をしたのだった。
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