獣人の番!?匂いだけで求められたくない!〜薬師(調香師)の逃亡〜【本編完結】

ドール

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10.手紙

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 兄が戻り、貰った手紙を眺める。まずは要件に想像がつく団長からの手紙を読むことにし、封を開ける。

 
 予想通り、辺境伯のディミドラ様の事のようだ。名前は伏せられているが、内容でわかる。手紙の返事は返ってきたようだが、内容は団長の望むものではなかったようだ。

 襲われる恐怖はわかるため、団長に同情はできないが、被害にあった令嬢には受け入れて貰えなくても、誠心誠意尽くしてほしいとリンジェーラは思う。
 団長はどのような内容の手紙を送ったのか気になったので、返事の内容に質問をいれておく事にした。

 
 ゾディアス様の手紙には、この間の事を気にしてかリンジェーラを心配する内容だった。それに、あの日から宮廷には行っていないので、それもあって今回手紙を書いてくれたみたいだった。

 団長が迷惑をかけるとも書いてあり、出来れば力になってやってほしいとも・・・。団長の事情を知る獣人だからこそ、うまくいってほしいと思っているのだろう・・・。


 ゾディアス様にも、手紙の返事を書いたが、普段少し会話をする程度なので、他に何を書いたらいいかわからず、無難な文になってしまった。お礼の手紙だけというのもなと思い、回復薬の小瓶ポーションをオマケに付けておいた。

 獣人は匂いにも味にも敏感ため、ポーションは不味いので極力使用したがらない。だから、獣人でも飲みやすいように試作を作っていたのだ。
 副長には必要ないものかもしれないが、もし使用したら味の感想を受け付けると手紙に追加しておく。


 数日後には、また手紙が届いたが、今度はお願い事が書いてあった。副長のパートナーとして、辺境伯領での夜会に出席してほしいという内容の手紙が団長、副長の2人から届いた。

 討伐での功労者である2人が、辺境伯から招待を受けたらしく、団長への招待状には、パートナーにはディミドラ嬢にさせるから、副長と副長のパートナーを伴い参加して欲しいと書いてあったみたいだ。


 副長からの手紙にも、パートナーをお願いしたいと書いてある。リンジェーラは、王都ではパーティーには参加した事はなく、家で開かれるものだけしか参加はしなかった。

 家ならば獣人達は来たがらず、人族だけしか参加はしないので、リンジェーラ安心して参加できていた。


 だが、辺境伯領に行くならば、少なからず獣人はいるだろう・・・。


 匂いを嗅いでも、事情を知っても問題なかった団長ならば、配慮してくれるだろうが、自分が副長のパートナーにならなければいけないのなら、いつもの香りをまとうわけにはいかない。


 副長には匂いを嗅がれていないので、大丈夫という保証はない・・・それに、事情はあまり話したくはなかった。


 だが、団長の手紙を見ると、絶対に団長は行く気だし、こちらも巻き込む気だろうから、団長に条件をつけてパーティーへの参加は了解する事にしたのだった。
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