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16.パーティー 後編 上
しおりを挟むディミドラが、連れられて行ってしまい、流石に追いかけられないので、自分は一旦会場に戻る事にした。
会場に向かって行くと、誰かが話しかけて来た。
「リンジェーラ嬢、少し・・・話をいいでしょうか」
以前ダンスをした覚えがある伯爵家の令息の・・・誰かだ。爵位はわかるように気をつけているが、名前までは覚えきれない。
「何か御用でしょうか・・・」
「実は、以前からそちらに婚約の打診をしていたのですが、条件に合わないと言われまして。今日は偶然にも居合わせたので、なぜその条件でないといけないか教えて頂きたいと」
どうやら、うちに条件が合わないと、とりあってももらえなかった方のようだ・・・。どの条件で不合格になったのだろうか。
「貴方が、どの条件に合わなかったのかはしりませんが、私は結婚したとしても、師団長に薬師として腕を見込まれていますので、自宅でハーブや薬草の栽培を継続できる事が1番の条件です」
「それでは獣人の使用人や、獣人の客が招けないではないですか」
彼は、リンジェーラとの距離をつめてくる。
「うちの伯爵家では、そのようにしていますわ、職業柄致し方ないといいますか・・・1番の条件なので、こちらは譲れません」
「何も屋敷内にしなくてもよいのではありませんか、別の場所に通うとかでもよいのでわ。それに嫁ぐなら妻として、嫁いだ家を仕切らなければならないのだから、仕事は辞めるべきだ」
彼は自分の都合のよいように意見を述べてくる。
「仕事を辞める気はありません。私は貴族とは申しましても市井で育ちましたので教養もなく、貴族の奥方になる事を望んでいません。貴族の奥方としての役割をお求めになるのならば、他の方を望まれた方が宜しいですよ。理由はお話しましたので、失礼致します。パートナーがまってますので」
リンジェーラが、パートナーである副長を置き去りにしたのだが早くこの場を離れるために使わせてもらった。
「では、なぜ、貴方は今日のパーティーのパートナーに彼を選んだのですか。彼は侯爵の位を賜った獣人だ。そのような高位貴族をパートナーにしているというのに、矛盾していませんか」
彼は、まだ納得出来ないのか、ゾディアス様がパートナーであることの矛盾を、問うてくる。
「今日は、依頼されましたので、パートナーを務めているだけなので、彼をそういう対象にはみていません」
「ならば、次の王都での夜会に私のパートナーとして参加して下さい」
彼は何を勘違いしているのだろうか・・・。条件をのめもしない、ましてや、自分のいいようにしようとする人のパートナーなどごめんだ。
それに彼は同じ伯爵家なのだから、この場で断っても問題はないだろう。
「条件を受け入れられない方の、パートナーとなるメリットはありませんし、どうしてもと仰るなら父に話を通してください。父がお受けすれば私も従います」
父が受ける事はないだろうが・・・。わかったうえでの提案だ。
「メリットだと・・・私が君をパートナーにと言ってやってるんだ」
彼はいきなり、近づいてきて、リンジェーラの腕を掴み引き寄せる。
「何をなさいますか、手を離してください」
いきなりの行動に驚いたが、相手に甘く見られないため、強気に抵抗する。
「庶民育ちは、躾も教養もなっていないな。そんなにお高くとまって誰に見初めてもらおうとしているんだ」
彼は、拒否されたからか、リンジェーラを侮辱しながら、胸元をのぞいてくる。
「まさか、教養ある貴族がこの様な、無礼な行動をされるとは思いませんでしたわ。いいかげん、手を離してッ」
「調子に乗らない方がいい・・・君は黙って私を受け入れたらいい」
手は離されず、反対の手でお尻を触られてしまう。
「いやッ」
獣人対策ばかりしていたため、人に対しての危機感が足りていなかった。胸元を見るように、顔を近づけてくる行動が、視線が気持ち悪く、震えそうになる。獣人に襲われた時と同じ嫌悪感だった。
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