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48.訪問
しおりを挟む団長から上手く逃げて、ディミドラと予定通りに行く予定だったお店を巡ってから、屋敷に帰った。
帰ったら、今回のことを聞いた兄と父にお説教をされてしまった。ディミドラが絡んだ事で、団長が父に話したのだろうと思う。
だからか、父は明日にでも、団長にきちんとお礼を言いなさいと言ってくるのだった。一応お礼は言ったのになと思ったが、手土産を持っていきなさいとも言われる。
おそらく団長はディミドラに逃げられたため、こちら側に圧をかけてきたのだろう・・・。手土産は逃げられる場合を考慮してなのだろうが・・・。
もちろんディミドラも側で話を聞いていた。
「リンジー1人だけじゃ行かせられないから・・・私も行くわ。嫌だけど」
こうなるとわかって・・・。
次の日、父に言われた通り、しぶしぶだが団長の元を尋ねた。普通なら行かない、騎士団本部にだ。
リンジェーラはさすがに、いつもの香りは少し抑えている。
ジェイクが出迎えてくれ、いつものような顔もせずに団長室へ案内してくれる。団長室までの間に、ジェイクはこの前の事を詫びてきた。終わった事だし、あの令嬢の影響もあるのだから気にしてないと返事をしておいた。
ジェイクは、リンジェーラに見せた事がなかった笑みを浮かべて、部屋まで案内すると立ち去っていった。
去り際に、副長に捨てられたら嫁にもらってやるからな、と言われたが嫌味ではなさそうだった。ジェイクの目を見ると、リンジェーラへの好意が伝わってきたのだが、リンジェーラにはその気はなかったので、遠慮しますと断っておいた。
「リンジーはモテるわね」
ディミドラはリンジェーラを見て、からかってくる。
「まあ・・・ある程度はね。デラだってモテそうだけど?」
「まぁ、こちらも・・・それなりにはね。でも自分より弱い人に興味はないわ」
ディミドラも謙遜はしない・・・。リンジェーラは自分の容姿がいい事は知っているし、ディミドラも然りだ。
部屋の前で話をしていたため、声で気づかれたのか、団長室のドアが中から開けられた。
「ほお・・・それなり。それはぜひ聞きたいな」
開いたらドアからは団長が現れる。嫉妬丸出しな表情だ。
「あら、お耳がよろしいのね。そんな無駄な事をお聞いてどうするおつもり?」
「別に、知っておきたいだけだ・・・。どうもしない」
どうもしないという感じではなさそうだったが・・・。大方言い寄った相手を把握して牽制でもしたいのだろう。獣人は独占欲が強い。
「なら知らなくても問題ありません。せっかく差し入れを持って来たのですから、部屋に入れてもらえます?それともお忙しいようでしたら、渡してすぐ帰りますが?」
ディミドラの帰るという発言を聞き、団長はすぐに部屋への道をあけた。
「入ってくれ」
「では、失礼します」
ディミドラは満足そうに室内へ歩みをすすめた。団長はディミドラの手のひらの上で転がされているのだが、会えただけで嬉しそうにディミドラを見ているのだった。
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