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86話 イルミナ
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「あ、寝てた……」
「もう起きたのかえ、存外眠りが浅いのじゃな」
人間形態のメティーカさんが枕に頭を預け、またも母が子をあやす様に抱きしめてくれていた。
普段自分がやっていることをされると照れくさいが、今は二人きりなので存分に甘えさせてもらう。
よくよく考えると、妻は一人を除いて全員年下。
唯一年上であるセシルが精神年齢的には一番下なので、こういう状況はとても新鮮だ。
誰に憚ることなく甘えられる幸せ……。
そのメティーカさんだが、時折頬を摺り寄せる甘えを見せる彼女の頭を撫でてあげる。
次第に少女の様な仕草で甘えてきたため、失礼ながら可愛いと思った。
絶世ののじゃ美女が見せる乙女の仕草、そのギャップがたまらない。
「お主はその……いつもあのように優しく女を抱くのかえ?」
「そんなことないですよ、でもやっぱり無理はさせられませんからね」
話をしている最中も頭を撫で続け、頭や額、頬や唇に軽く口づけして溢れる愛情を植え付けていく。
こうしている時が一番女性を愛おしく思えた。
肌の触れ合いと愛情だけで繋がってると思えるこの瞬間がとても心地よく、女性と接している時間の中で特別に大事にしたいと思っている。
「ありのままの姿の我を愛しんでくれる者に出会うたのもお主が初めてじゃ。しかもこれほどまでに気遣うてくれようとは……」
メティーカさんがうっとり顔で唇を重ねてくる。
それはもう彼女がこれまで関わっていた男共の目が節穴なのだと言いたくなるが、こればかりは個人の性癖なので断言できないのが実にもどかしい。
……あれ? でも確か――
「メリティエには、人化魔法を覚える前に恋愛の末彼女を身籠ったと聞いてますが?」
「しもうた」
蕩け切っていたメティーカさんが俺の言葉に我に返り、なにか盛大なやらかしをしてしまったといったご様子となる。
メリティエから聞いた話しでは、貴族の婿養子である父と召使いをしていたメティーカさんが恋に落ち、授かったのがメリティエで、それが正妻にバレて魔族領から出奔、その時にメリティエの父から初めて人化魔法を授かったと聞いている。
だったら、ラミア形態のイルミナさんが愛されたことが無いというのはおかしな話だ。
「その、なんじゃ、メリティエに話したあの話なのじゃが……あれは嘘じゃ……」
「どの辺がですか?」
「ほぼ全てじゃ……。この話しをしたのはあの子がまだ幼く、自分の父の事を知りたいとせがんだ故じゃが、実際には何かと言い辛い事も多くてのぅ。それに、ああいった悲恋物の方が小さい女子には受けが良いかと思うてな……」
メティーカさんがそう言って白状すると、本当に起きた事を話し始めた。
なんでもメリティエの父は魔貴族のボンボンで、メティーカさんに近付いたのも彼女が研究していた人化の魔法に目をつけたからと言うものだった。
人化に成功したメティーカさんと関係を持つも、ラミアである彼女自身を愛していたわけではなく、生まれてきたメリティエもあの姿であったため大激怒。
『俺はな、人族の女が好みなんだ! 生まれて来た娘も人族ならまだ受け入れられた、だがどうだ、こんな醜い蛇が娘では仲間から笑いものになるではないか!』
そう発狂し、その場で娘に手をかけようとしたため、娘を守ろうとしたメティーカさんが元恋人に瀕死の重傷を負わせて逃亡。
報復を恐れて人族領へ来たのが真相であった。
あと、魔族領でも半人半蛇であるラミアを好む男性は極めて稀なのだとか。
奴隷契約の内容を弄っておらず、俺に嘘を言うと苦痛を受ける設定のままなので事実のようだ。
人間萌えの魔族か、俺とは真逆だな。
「当時は初めて男に言い寄られて舞い上がっておったが、道理で人化の術で人の姿となった時のみ求めて来よった訳じゃ」
うん、なんていうか色々と残念な話である。
「大変だったのですね……。それで、どうしてまたあんな勇者に捕まっていたんですか?」
「それはじゃな、蓄えていた金品を元手にアイヴィナーゼの首都で魔法屋を開いて切り盛りしておったのじゃが、ある時この国の兵士共に踏み込まれ捕まってしもうた。たまたまこの姿で居たのを何者かに覗き見られ通報されたと兵士共が話しておったのぅ」
あぁ、なんとなく想像がつく。
メティーカさんの人間形態も凄まじい美女だ、男なら誰だって彼女の裸体を覗き見たくもなりますわ。
ただし、大福さんを除く。
いや、レンさんもか。
特殊性癖の二人はこの際無視して話をもどす。
で、彼女の家を覗き見しようとしたところをたまたま本来の姿に戻っていた彼女を見てしまったと。
不運極まりない話である。
「ちなみに魔法屋ってどんな事してたんです?」
「魔法でポーションを作ったり、魔道具を作ってそれを販売しておった。他にも魔族領から流れて来た者達に人化の魔法を施したりしておった。我の目にかかれば、ちゃちな変装魔法程度では容易に見破れる故な」
そう言うと、普通の人の目だった黒い両目が、真っ赤な虹彩をした爬虫類のそれに変わった。
「あ、綺麗」
「こ、こんなことで喜ばせるでないわ」
恥じらい身をくねらせる絶世の美女可愛い。
どうやら彼女は元の姿を褒められるのがよっぽど嬉しいご様子だ。
「何はともあれ、店は没収されてしもうたし、正体もばれては再建は不可能じゃな」
「では行く当てとかは無いんですよね?」
「うむ、出来ればここで娘と共に置いてくれるとありがたい。お主に請われれば、身を差し出すのもやぶさかではない故」
火照った顔に甘えた口調で懇願するメティーカさん。
だがそんな愛人関係なんて簡単に壊れそうな物よりも、もっと確固たる繋がりにしておきたい。
「妻として迎えたいと言ったらだめですか?」
「妻じゃと!? 気娘でもない我を情婦でなく、嫁に娶ってくれると言うのかえ!?」
「一目見た時からあなたを強く欲しいと思ってしまったので……ダメですか?」
「ダメなモノか! 命を救われた上に、これほど情熱的に我を求める男の求婚を断れるはずが無かろう……」
またも乙女モードで頬を染めると、さらに身体を密着させてくれた。
半身が埋まるほどの肉厚と弾力がとても気持ち良い。
もうなにこの人ホントに可愛いなぁ。
「もとからそのつもりでしたから大丈夫ですよ。う、うん……、大丈夫……」
だ、大丈夫だ、買わなければならない白金の結婚指輪がたかだか9個から10個に増えたくらいなんともないぜ……。
あっそうか、新たに女性を娶るとこんな罠が待ち構えていたのか!
まさかこの二段構えも考慮に入れての、あのおねだりなんて事はありませんよねリシアさん?
いや、リシアはああ見えてかなり思慮深い、計算の内とみてまず間違いないな。
え、あれ、ちょっと待てよ?
じゃぁモリーさん親子に手を出すと更にもう2つ追加か!?
oh、なんてこったい……。
当分彼女達には手を出せないな。
今の関係を維持するためにも、手を出さない方が良いとは思うが。
「……なんぞ思うところでもあるのかえ?」
「いえ、ちょっと出費がかさむなぁと思っただけです。こちらの話なので、安心して嫁に来てください」
これに関してはどう捻出するかを考えるよりも、このまま迷宮探索を進めて収入を増やす事を意識したほうが良いだろう。
なにせ現在迷宮の四十一階層までクリアしているのだ、その間に仕入れたアイテムなどがかなりの量になっている。
人数分で割っても儲けは十分期待できるはずだ。
俺の分の儲けは全て指輪の代金に飛んでいく事が確定しているが、それでもまだ全員分の指輪の代金には届いていない事も何となくわかる。
でもまぁお金なんかより、彼女達の笑顔の方が遥かに価値があるので構わないか。
そもそもこっちでのお金の使い道なんて、装備の新調くらいしかないんだよなぁ。
酒たばこ博打の類には一切興味がなく、食事はローザの家庭料理さえ口にできれば十分満足している。
女性に至ってはこれ以上の美姫が居るのかって程の充実っぷりである。
けど、さすがにこれ以上のハーレム拡張は考え物だな。
単に性欲や収集欲を満たすだけならボーナススキルの〈精力増強〉を使えば連続で百人とだって行為に及べるだろうが、一人に割く時間が短くなるのがいただけない。
彼女達とは一人一人とちゃんと向き合いたい。
現在メティーカさんと甘い後戯とピロートークに耽っているように、皆ともこうして触れ合っていたいのだ。
甘える様に縋り付く彼女をそれ以上に甘やかすと、しばらくしてリビングへと連れて行った。
改めてメティーカさんと皆との顔合わせをしてから昼食を済ませると、彼女を休ませるためにもメリティエには個室を使う様にと言って送らせた。
これでしばらくは親子水入らずになれるだろう。
自己紹介の時に〝本名がバレると色々と面倒なことになるかもしれないので、メティーカではなく人間形態の時に使っているイルミナの名で呼んでほしい〟と告げられた。
メリティエの父が名前を辿って人族領にまで探しに来ていた場合、非常に面倒なことになると予想される。
人間の名前の方でも問題になるのではと思ったのだが、俺の奴隷として暮らしている分には例え魔族領側の種族であっても問題は無いけど。
むしろ魔族の特徴が濃いメリティエの方を、本来の姿をバレない様にしないとだな。
夜の営みを行う際は戸締りとカーテンの閉め忘れがないかのチェックを厳重にしよう。
ボーナススキルにある魔法でカギをかけられる〈ロック〉の出番だな。
食後はリビングでクク達の毛繕いなどをし、まったりとくつろいだ。
「もう起きたのかえ、存外眠りが浅いのじゃな」
人間形態のメティーカさんが枕に頭を預け、またも母が子をあやす様に抱きしめてくれていた。
普段自分がやっていることをされると照れくさいが、今は二人きりなので存分に甘えさせてもらう。
よくよく考えると、妻は一人を除いて全員年下。
唯一年上であるセシルが精神年齢的には一番下なので、こういう状況はとても新鮮だ。
誰に憚ることなく甘えられる幸せ……。
そのメティーカさんだが、時折頬を摺り寄せる甘えを見せる彼女の頭を撫でてあげる。
次第に少女の様な仕草で甘えてきたため、失礼ながら可愛いと思った。
絶世ののじゃ美女が見せる乙女の仕草、そのギャップがたまらない。
「お主はその……いつもあのように優しく女を抱くのかえ?」
「そんなことないですよ、でもやっぱり無理はさせられませんからね」
話をしている最中も頭を撫で続け、頭や額、頬や唇に軽く口づけして溢れる愛情を植え付けていく。
こうしている時が一番女性を愛おしく思えた。
肌の触れ合いと愛情だけで繋がってると思えるこの瞬間がとても心地よく、女性と接している時間の中で特別に大事にしたいと思っている。
「ありのままの姿の我を愛しんでくれる者に出会うたのもお主が初めてじゃ。しかもこれほどまでに気遣うてくれようとは……」
メティーカさんがうっとり顔で唇を重ねてくる。
それはもう彼女がこれまで関わっていた男共の目が節穴なのだと言いたくなるが、こればかりは個人の性癖なので断言できないのが実にもどかしい。
……あれ? でも確か――
「メリティエには、人化魔法を覚える前に恋愛の末彼女を身籠ったと聞いてますが?」
「しもうた」
蕩け切っていたメティーカさんが俺の言葉に我に返り、なにか盛大なやらかしをしてしまったといったご様子となる。
メリティエから聞いた話しでは、貴族の婿養子である父と召使いをしていたメティーカさんが恋に落ち、授かったのがメリティエで、それが正妻にバレて魔族領から出奔、その時にメリティエの父から初めて人化魔法を授かったと聞いている。
だったら、ラミア形態のイルミナさんが愛されたことが無いというのはおかしな話だ。
「その、なんじゃ、メリティエに話したあの話なのじゃが……あれは嘘じゃ……」
「どの辺がですか?」
「ほぼ全てじゃ……。この話しをしたのはあの子がまだ幼く、自分の父の事を知りたいとせがんだ故じゃが、実際には何かと言い辛い事も多くてのぅ。それに、ああいった悲恋物の方が小さい女子には受けが良いかと思うてな……」
メティーカさんがそう言って白状すると、本当に起きた事を話し始めた。
なんでもメリティエの父は魔貴族のボンボンで、メティーカさんに近付いたのも彼女が研究していた人化の魔法に目をつけたからと言うものだった。
人化に成功したメティーカさんと関係を持つも、ラミアである彼女自身を愛していたわけではなく、生まれてきたメリティエもあの姿であったため大激怒。
『俺はな、人族の女が好みなんだ! 生まれて来た娘も人族ならまだ受け入れられた、だがどうだ、こんな醜い蛇が娘では仲間から笑いものになるではないか!』
そう発狂し、その場で娘に手をかけようとしたため、娘を守ろうとしたメティーカさんが元恋人に瀕死の重傷を負わせて逃亡。
報復を恐れて人族領へ来たのが真相であった。
あと、魔族領でも半人半蛇であるラミアを好む男性は極めて稀なのだとか。
奴隷契約の内容を弄っておらず、俺に嘘を言うと苦痛を受ける設定のままなので事実のようだ。
人間萌えの魔族か、俺とは真逆だな。
「当時は初めて男に言い寄られて舞い上がっておったが、道理で人化の術で人の姿となった時のみ求めて来よった訳じゃ」
うん、なんていうか色々と残念な話である。
「大変だったのですね……。それで、どうしてまたあんな勇者に捕まっていたんですか?」
「それはじゃな、蓄えていた金品を元手にアイヴィナーゼの首都で魔法屋を開いて切り盛りしておったのじゃが、ある時この国の兵士共に踏み込まれ捕まってしもうた。たまたまこの姿で居たのを何者かに覗き見られ通報されたと兵士共が話しておったのぅ」
あぁ、なんとなく想像がつく。
メティーカさんの人間形態も凄まじい美女だ、男なら誰だって彼女の裸体を覗き見たくもなりますわ。
ただし、大福さんを除く。
いや、レンさんもか。
特殊性癖の二人はこの際無視して話をもどす。
で、彼女の家を覗き見しようとしたところをたまたま本来の姿に戻っていた彼女を見てしまったと。
不運極まりない話である。
「ちなみに魔法屋ってどんな事してたんです?」
「魔法でポーションを作ったり、魔道具を作ってそれを販売しておった。他にも魔族領から流れて来た者達に人化の魔法を施したりしておった。我の目にかかれば、ちゃちな変装魔法程度では容易に見破れる故な」
そう言うと、普通の人の目だった黒い両目が、真っ赤な虹彩をした爬虫類のそれに変わった。
「あ、綺麗」
「こ、こんなことで喜ばせるでないわ」
恥じらい身をくねらせる絶世の美女可愛い。
どうやら彼女は元の姿を褒められるのがよっぽど嬉しいご様子だ。
「何はともあれ、店は没収されてしもうたし、正体もばれては再建は不可能じゃな」
「では行く当てとかは無いんですよね?」
「うむ、出来ればここで娘と共に置いてくれるとありがたい。お主に請われれば、身を差し出すのもやぶさかではない故」
火照った顔に甘えた口調で懇願するメティーカさん。
だがそんな愛人関係なんて簡単に壊れそうな物よりも、もっと確固たる繋がりにしておきたい。
「妻として迎えたいと言ったらだめですか?」
「妻じゃと!? 気娘でもない我を情婦でなく、嫁に娶ってくれると言うのかえ!?」
「一目見た時からあなたを強く欲しいと思ってしまったので……ダメですか?」
「ダメなモノか! 命を救われた上に、これほど情熱的に我を求める男の求婚を断れるはずが無かろう……」
またも乙女モードで頬を染めると、さらに身体を密着させてくれた。
半身が埋まるほどの肉厚と弾力がとても気持ち良い。
もうなにこの人ホントに可愛いなぁ。
「もとからそのつもりでしたから大丈夫ですよ。う、うん……、大丈夫……」
だ、大丈夫だ、買わなければならない白金の結婚指輪がたかだか9個から10個に増えたくらいなんともないぜ……。
あっそうか、新たに女性を娶るとこんな罠が待ち構えていたのか!
まさかこの二段構えも考慮に入れての、あのおねだりなんて事はありませんよねリシアさん?
いや、リシアはああ見えてかなり思慮深い、計算の内とみてまず間違いないな。
え、あれ、ちょっと待てよ?
じゃぁモリーさん親子に手を出すと更にもう2つ追加か!?
oh、なんてこったい……。
当分彼女達には手を出せないな。
今の関係を維持するためにも、手を出さない方が良いとは思うが。
「……なんぞ思うところでもあるのかえ?」
「いえ、ちょっと出費がかさむなぁと思っただけです。こちらの話なので、安心して嫁に来てください」
これに関してはどう捻出するかを考えるよりも、このまま迷宮探索を進めて収入を増やす事を意識したほうが良いだろう。
なにせ現在迷宮の四十一階層までクリアしているのだ、その間に仕入れたアイテムなどがかなりの量になっている。
人数分で割っても儲けは十分期待できるはずだ。
俺の分の儲けは全て指輪の代金に飛んでいく事が確定しているが、それでもまだ全員分の指輪の代金には届いていない事も何となくわかる。
でもまぁお金なんかより、彼女達の笑顔の方が遥かに価値があるので構わないか。
そもそもこっちでのお金の使い道なんて、装備の新調くらいしかないんだよなぁ。
酒たばこ博打の類には一切興味がなく、食事はローザの家庭料理さえ口にできれば十分満足している。
女性に至ってはこれ以上の美姫が居るのかって程の充実っぷりである。
けど、さすがにこれ以上のハーレム拡張は考え物だな。
単に性欲や収集欲を満たすだけならボーナススキルの〈精力増強〉を使えば連続で百人とだって行為に及べるだろうが、一人に割く時間が短くなるのがいただけない。
彼女達とは一人一人とちゃんと向き合いたい。
現在メティーカさんと甘い後戯とピロートークに耽っているように、皆ともこうして触れ合っていたいのだ。
甘える様に縋り付く彼女をそれ以上に甘やかすと、しばらくしてリビングへと連れて行った。
改めてメティーカさんと皆との顔合わせをしてから昼食を済ませると、彼女を休ませるためにもメリティエには個室を使う様にと言って送らせた。
これでしばらくは親子水入らずになれるだろう。
自己紹介の時に〝本名がバレると色々と面倒なことになるかもしれないので、メティーカではなく人間形態の時に使っているイルミナの名で呼んでほしい〟と告げられた。
メリティエの父が名前を辿って人族領にまで探しに来ていた場合、非常に面倒なことになると予想される。
人間の名前の方でも問題になるのではと思ったのだが、俺の奴隷として暮らしている分には例え魔族領側の種族であっても問題は無いけど。
むしろ魔族の特徴が濃いメリティエの方を、本来の姿をバレない様にしないとだな。
夜の営みを行う際は戸締りとカーテンの閉め忘れがないかのチェックを厳重にしよう。
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