240 / 254
228話 神々の黄昏
しおりを挟む
バラドリンド教国の聖都にある大教会のとある一室。
大きな地図が広げられた広い部屋には、バラドリンド、ハッシュリング、モンテハナムの各代表や軍事関係者が集っていた。
その中心には1人の日本人青年の姿も。
「いやはや、作戦開始からわずか4刻ほどで異教徒共の街の大半を戦禍に巻き込むとは、誠に見事と言うよりほかにありえませんな」
「エンドー殿の采配の妙、感服いたします」
「新たに12人もの勇者を召喚するなど誰が思いつきましょうや!」
「なぁに、こんくらい大したことないすっよ」
法衣を着た老人や犬のような耳を生やした男たちのご機嫌取りに、バラドリンドの6勇者と呼ばれる者たちのまとめ役に収まった猿藤直樹が軽く受け流す。
その両側には陰鬱な表情をした美女が、戦々恐々でナオキの機嫌をうかがっていた。
バラドリンドの6勇者であるタカナシが、勇者のワープゲートを用いた多角的な侵攻によりアイヴィナーゼとウィッシュタニアの国中を混乱させ、その勢いで首都を陥落させる電撃戦をナオキに提案した。
それを聞いたナオキはこのままウィッシュタニアとの国境にある砦を普通に攻めるより面白いと思い、作戦の荒である『都市間での移動時間』や『侵攻中のワープゲートの維持するだけの勇者の人数不足』を上げ、「2つの課題がクリア出来たら、俺が司祭たちに言っといてやるよ」とタカナシに告げた。
タカナシはその場ですこし考えこむと、『都市間の移動はオーラ系スキルによる身体強化を地竜に使って移動速度を上げる』、『ワープゲートの維持はハッシュリングとモンテハナムのダンジョンコアを使い俺たちを呼び出した方法で新たな勇者を呼び出す』と修正を加え、更には『進行中は都市を無視して首都に直接向かわせ、距離的にまだ安全だと思わせた所で首都に総攻撃を仕掛ける』『ついでに収穫目前の穀倉地帯を焼き払えば、戦争に勝てなくともこちらは穀倉地が燃え尽きるまでる相手の兵を釘付けにするだけで翌年にはもっと楽に攻め落とせますよ!』と嬉々として語った。
現実的な実効性と二段構えの策にこれなら行けそうだと思ったナオキは、タカナシの作戦を自分が考えた作戦として上層部に進言し、タカナシには「例の作戦、通ったから」とだけ伝え自分の手柄にした。
このことからナオキは、自分の父親よりも年上の男たちから軍略家としても一目置かれ、元の世界から新たに呼び寄せた12人の大学フットサルサークルの友人たちからも感謝される状況にご満悦だった。
自分で言えばこうやってチヤホヤされるってのに――
「高梨ってやっぱ馬鹿なんじゃね?」
「何か言いましたかな?」
「いやこっちの話。それよりも、相手の砦がソッコーで落ちたのとかちゃんとこの国の奴らに宣伝してくれてんすよね?」
「ご心配なさらずとも、各地の教会を通して信者たちには伝えられております。ちまたでは皆さんの話題で持ち切りだそうですぞ。はっはっはっ!」
このまま戦争に勝って俺たちは英雄だ。
今は教会が用意した陰気臭い女しか抱けないが、ことが終われば街を歩くだけで女が寄ってくるようになる。
ナオキが豪奢な馬車の上で美女に囲まれ、民衆からの歓声を一身に浴びる凱旋パレードの妄想に浸る。
「異教徒共はこちらの真の目的が穀倉地の放火とも知らず、今頃テンヤワンヤで戦っているのでしょうな」
「ついに来たのだな、我らモンテハナムを属国とさげすむグレアムめを膝まづかせる日が!」
「レギルス様っ!」
バラドリンド教の老司祭の言葉に褐色の肌をした青年が歓喜の声を上げると、青年のそばにいた背の低い老人が窘めた。
老人の視線の先にはバラドリンド教の法衣をまとったアイヴィナーゼ王国の元王子、アルフォンス・アイヴィナーゼの姿が目に留まる。
「これは失礼、アルフォンス殿には実の父親でしたな」
「なぁに、奴とは既に決別した身、モンテハナム殿の気に病むことではない。むしろこれまでアイヴィナーゼがモンテハナムへ行っていた所業を鑑みれば、貴殿のお気持ちは察するに余りある。我が父だった者に代わり陳謝致そう」
「なんのなんの、これからは互いに手を取り歩んで行く者同士。今後も懇意にして参りましょうぞ!」
モンテハナムの若き指導者が国を裏切った元王子に近付き手を差し伸べると、アルフォンスはその手を握り返した。
この戦争が終わった領土分割では、レギルスはアイヴィナーゼの南部と西部、アルフォンスはアイヴィナーゼの王都を含めた中央部をそれぞれが納める話し合いが済んでおり、その点では互いに手を取り合う存在の両者。
しかし、アイヴィナーゼの至宝と称えられるクラウディア第一王女をこの戦争の最中に手に入れ、やがてはアイヴィナーゼ中央部をも手中に収める足掛かりにしたいレギルスと、いずれは分割されたアイヴィナーゼを取り戻すつもりでいるアルフォンス。
空々しい笑顔の下にそれぞれの野心を隠す。
そんな2人のやりとりを、妄想から抜け出したナオキが興味なさ気に見ていたところに念話が届く。
『ナオキさぁん、ウィッシュなんたらってとこの王都?に着いたんだけど、急にワープゲートが出なくなったんすよ。どうしたら良っすか?』
念話の相手はウィッシュタニアの首都へ単独先行中である6勇者の1人、エイタだ。
王都に先行するメンバーが敵の王都に到着後は、報告の後に自分の担当する砦に戻って待機する予定となっていた。
先行メンバーの1人であるエイタが担当するのは、バラドリンドの最東の砦であった。
『はぁ? こんな時になに冗談みたいなこと言ってやがる、もっと真面目にやれよな』
エイタを叱りながら、東の砦で何かあったのかもしれないと思ったナオキは、東の砦へのワープゲートを開こうと試みる。
『……っ、マジで開かねえじゃねぇか、どうなってやがんだ? おいタカキ、ワープゲートが開きやがらねぇ、砦はどうなってる?』
『ちょと待ってくれ。こっちはこっちで忙しいってのになんなんだ』
ナオキからの確認にナオキとは同じ歳のタカキが、製造系チートスキルで武器を作成するのを一旦止めた。
『おいおいこっちも開かないぞ、どうなってるんだ? ……まてよ、こっちがダメってことは―――』
タカキが何かを言いかけるも言葉が途切れる。
『言いかけて急に黙るんじゃねぇよ』
『そうっすよタカキさん。……タカキさん?』
『どうしたタカキ? 何とか言えよ』
『タカキさん?』
『聞いてるのかタカキ!』
2人が呼びかけるも、タカキからの応答はそれっきり返ってこなくなった。
『……ちっ、なんだってんだ、ったくよぉ。ナオキだ、急にワープゲートが使えなくなったんだが、お前らの方は自分の砦に行けるか?』
『は? ――こっちは普通に使えんぜ?』
他の勇者たちに飛ばされた念話に、別の砦を拠点で待機していたモンテハナムの勇者として召喚されたオオグリが応答する。
『俺も使えるぞ』
『俺もだ』
『こっちもだぜ』
『俺の方はワープゲート出ねぇわ』
『こっちも出ない』
『出ないぞ?』
『俺は出るけどな』
『俺とかこっちじゃわかんねんだよ!』
オオグリの報告を皮切りに、連絡が取れる十数人からの報告を受け、ナオキがツッコミを入れた。
ツッコミながらも頭の中で報告主の声と彼らが受け持つ兵士の集合場所を冷静に照らし合わせる。
『……つーことは、タカキの居た砦だけゲートが使えねぇ感じか?』
そしてそのタカキは突然音信不通。
ナオキが嫌な予感を覚えながらも現状をおぼろげに掴みかけたその時だった。
ドンッッッッッ!!!!!!!
空から落雷に似た大きな音と共に、足元から刃縦に揺れるような衝撃が直撃した。
まるで地震のような揺れではあったが、衝撃は一度だけだった。
「なんだ今のは!?」
「敵襲ではないのか!?」
「異変はないか報告せよ!」
「警戒を怠るな!」
地面からの衝撃にナオキの周囲は慌ただしく支持を飛ばす。
『今の揺れはなんだったんだ?』
『地震か?』
『お前も感じたか?』
『俺も俺も』
『やっべ、地震とか超やっべ』
他の勇者たちも衝撃にざわつく。
「ナオキ殿、バーニッシュ砦との連絡が途絶えたと報告が上がっております。至急ご確認頂けませんか?」
「あ、ああ、今やっていたところだ」
状況に混乱するナオキが再びタカキの居る砦へのワープゲートを試みると、今度は問題無く開くことができた。
が、開いた先が問題だった。
「あ? 開けるじゃ――」
出現したワープゲートの先ではオレンジ色の光が煌々と広がり猛烈な熱気を噴き出したのだ。
「アっチぃ!?」
「―――――――!!!!」
「「きゃああああああああああ!?」」
凶悪なまでの輻射熱がワープゲートから溢れ、近くに居た使用人が熱にあぶられ床にのたうち回り、ナオキの隣りに居た女性たちが恐怖に悲鳴を上げた。
熱風が直撃したナオキが慌ててワープゲートを閉じた。
低レベルの人が一瞬で全身に大火傷を負う程の熱量に、部屋の中がサウナと化す。
「今度は何事だ!?」
「俺が知るかよ! タカキが居たところにワープを開けたらこうなったんだ!」
状況が飲み込めず説明を求めるレギルスにナオキが怒鳴り返す。
先ほどワープゲートが開かないと言っていた勇者たちの中からも、同じような目にあったと想像できる様子が念話で届く。
「やはり難攻不落のあの要塞に何かあったのでは!?」
「有りえん! 自爆したウィッシュタニアの要塞と違い、あそこには約1万もの兵士が詰めていたのだぞ!」
「憶測で決めるのは危険だ。ナオキ殿、大至急原因の調査をお願い致す!」
その後の確認作業により、バーニッシュ砦のあった場所では数キロ単位で地面が大きくえぐれが発見され、その場で城塞の痕跡どころか兵士の姿は1人たりとも見つからなかった。
これによりバラドリンド教国の戦略拠点からバーニッシュ砦の存在が抹消された。
――バーニッシュ砦消失の数分前――
成層圏まであとわずかな高高度の眼下では雲海が広がり、白い雲の隙間から地表の緑や海の青さがが輝いて見え、俺は素直に美しいと思った。
「壮観だな……」
「ちー……」
それっぽく作られたコックピットの中でのつぶやきに、俺の肩の上で潰れ饅頭と化したハーピーが小さな鳴き声で返してくれた。
左ほほに触れる彼女の柔らかな髪が心地よい。
2人だけの穏やかな時間が流れるも、足元に見えるバラドリンド教国の城塞と小さなうごめく何かを目にすると、心臓が締め付けられ緊張で体が強張る。
そのうごめくモノをあえて何かと称さないと、これからやることに踏み切れない。
高高度で吹き荒れる風に機体が揺らぎ、それが自分の心が揺らいでいるかのような錯覚に捕らわれそうになる。
強風で揺れる機体を魔力で空間に固定。
魔法無効化の結界に因り魔法が通用しない要塞を消し飛ばすための魔法を紡ぐ。
「〈グングニル〉」
言葉と共に機体の右前腕部の下に100メートルはあろうロングバレルの砲身を出現させる。
砲身の後ろに普段〈収納袋様〉と呼ぶ〈異次元収納空間〉を取り付けると、発射口を真下にある要塞に向け機体と同じように空間に固定させる。
「砲身、強度不足かも……。衝撃も逃すようにしないと……」
「わかった」
ミネルバの忠告に砲身に魔力を注いで補強し、機体と砲の両方に射出時に発生する衝撃を逃す流れを魔法で組み込む。
長い砲身の内部には、通過した物体を加速させ弾体を高速で射出するための弾速強化魔法がありったけ敷き詰めてある。
『ねこ殿、砦の周りにマナバッテリーを設置したでござる。ついでに拙者も離れたゆえ、いつでもイケるでござるぞ』
『了解』
地表に居る影剣さんからの念話に短く返す。
「ミネルバ、砦の周囲に防御魔法を展開してくれ。あ、天辺は出来るだけ薄くね。ついでに念話の妨害も頼む」
「ちー!」
マナバッテリーを媒介に防御魔法の結界が砦を覆うのを、〈マナ感知〉を宿した瞳で視認する。
「…………」
後は取り付けた収納袋様から発射する弾を砲に送り込むだけとなるも、発射にまでは踏み切れなかった。
この感覚、子供の頃予約した歯医者に行く時間が迫ってるのに似てるなぁ……。
似てはいるが、今感じているプレッシャーはあの頃感じた気の重さなど比ではない。
だが戦略での負けを取り戻すには、こちらも相手の予想を上回る行動で戦況を覆さなければならない。
ならないのだが、踏み切ったら最後、砦に居る
「……代わる?」
心配そうにこちらを覗き込むミネルバに、俺は首を横に振る。
「いや、これは俺がやるって決めたことだから、誰かに任せるつもりはないよ」
だから今は考えるな。
ただ粛々と事を進めろ。
大きく深呼吸を繰り返し、最後に肺いっぱいに取り込んだ空気をゆっくりと吐き出し無理やり覚悟を決める。
「……戦略級殲滅魔法〈ラグナロク〉」
静かだが明確な殺意を言葉に込め、収納袋様から全長8メートル直径50センチほどの金属の柱を砲身に送り込んだ。
多重に展開された弾速強化魔法によって送り込まれた金属柱が、砲身の中で音速の10倍を超える速度まで一気に加速。
空気を突き破る音の衝撃波に砲身が耐えられず、轟音を伴って砲身が破裂した。
しかし砲が破裂するよりも早く、空気の圧縮熱で灼熱と化した赤い柱が超音速で射出されると、そのまま目標の砦のど真ん中に吸い込まれた。
砲弾がドーンと大きな音で地面に着弾し、着弾地点が砦を地面ごと持ち上げるようゆっくりと紅く膨張したかと思うと、次の瞬間には大爆発となってあらゆるものを上空へ巻き上げた。
戦略級殲滅魔法〈ラグナロク〉
これは 本来なら低軌道上からマッハ9.7の速度で降下させる〈神の杖〉と呼ばれる理論だけの開発中の兵器を元に魔法で再現したものだ。
魔法無効化対策として俺の中では定番となった魔法で加速させた物体によって攻撃する物理攻撃魔法〈フェンリル〉とは原理こそ同じではあるものの、その性質はまるで違う。
フェンリルが金属の物体で相手に直接ダメージを与えるのに対し、ラグナロクは物体を加速させたことによって宿す速度をエネルギーとして着弾地点で放出する運動エネルギー攻撃で、その威力は核兵器に匹敵するとされている。
無論柱その物にもでたらめな攻撃力はあるが、本質は運動エネルギーによる周囲の破壊のため、砲弾ではなく爆弾とみなすのが正しいのだろう。
そしてたった今、その運動エネルギー爆弾によって、俺は大勢の命をこの手にかけた。
爆心地は灼熱した土で構成された巨大なクレーターとなっており、それはあたかも紅い花の様だった。
「……はぁぁぁぁぁぁ……」
自分の中の殺意を深い息と一緒に吐き出す。
見つめた先には紅い罪の花。
やった。
やってしまった。
一発で白金貨3枚分の特殊鋼の弾を消費し、数千人の命を根こそぎ奪った。
死んだら絶対地獄に落ちるな……。
この戦果を相手に突きつけ降伏勧告を行う予定だが、被害は敵軍の10%に達したかどうか。
それに相手はトチ狂った宗教国家、素直に降伏すると思えるほど楽観していない俺ガイル。
あと何回この陰鬱な気持ちを味わうのか、想像しただけで余計に気持ちが沈む。
「お父様……。見て、人がゴミの様よ……」
「んふっ」
ミネルバの特大のボケに思わず笑いで鼻から空気がもれ、笑ってしまった罪悪感で余計にヘコむ。
「元気付けようとしてくれたのは分かるけど、不謹慎過ぎるからやめなさい」
サイコパス過ぎるハーピーを窘めるも、怒られたミネルバは自身の羽毛に顔を埋めてしらを切る。
本当に怒りをぶつけたいのは自分自身なだけに、八つ当たりもいいとこだ。
「……報告もしなきゃだし戻ろっか」
「ちー……!」
大きな紅い花を今一度瞳に焼き付けると、俺は嫌悪感を胸に帰還した。
大きな地図が広げられた広い部屋には、バラドリンド、ハッシュリング、モンテハナムの各代表や軍事関係者が集っていた。
その中心には1人の日本人青年の姿も。
「いやはや、作戦開始からわずか4刻ほどで異教徒共の街の大半を戦禍に巻き込むとは、誠に見事と言うよりほかにありえませんな」
「エンドー殿の采配の妙、感服いたします」
「新たに12人もの勇者を召喚するなど誰が思いつきましょうや!」
「なぁに、こんくらい大したことないすっよ」
法衣を着た老人や犬のような耳を生やした男たちのご機嫌取りに、バラドリンドの6勇者と呼ばれる者たちのまとめ役に収まった猿藤直樹が軽く受け流す。
その両側には陰鬱な表情をした美女が、戦々恐々でナオキの機嫌をうかがっていた。
バラドリンドの6勇者であるタカナシが、勇者のワープゲートを用いた多角的な侵攻によりアイヴィナーゼとウィッシュタニアの国中を混乱させ、その勢いで首都を陥落させる電撃戦をナオキに提案した。
それを聞いたナオキはこのままウィッシュタニアとの国境にある砦を普通に攻めるより面白いと思い、作戦の荒である『都市間での移動時間』や『侵攻中のワープゲートの維持するだけの勇者の人数不足』を上げ、「2つの課題がクリア出来たら、俺が司祭たちに言っといてやるよ」とタカナシに告げた。
タカナシはその場ですこし考えこむと、『都市間の移動はオーラ系スキルによる身体強化を地竜に使って移動速度を上げる』、『ワープゲートの維持はハッシュリングとモンテハナムのダンジョンコアを使い俺たちを呼び出した方法で新たな勇者を呼び出す』と修正を加え、更には『進行中は都市を無視して首都に直接向かわせ、距離的にまだ安全だと思わせた所で首都に総攻撃を仕掛ける』『ついでに収穫目前の穀倉地帯を焼き払えば、戦争に勝てなくともこちらは穀倉地が燃え尽きるまでる相手の兵を釘付けにするだけで翌年にはもっと楽に攻め落とせますよ!』と嬉々として語った。
現実的な実効性と二段構えの策にこれなら行けそうだと思ったナオキは、タカナシの作戦を自分が考えた作戦として上層部に進言し、タカナシには「例の作戦、通ったから」とだけ伝え自分の手柄にした。
このことからナオキは、自分の父親よりも年上の男たちから軍略家としても一目置かれ、元の世界から新たに呼び寄せた12人の大学フットサルサークルの友人たちからも感謝される状況にご満悦だった。
自分で言えばこうやってチヤホヤされるってのに――
「高梨ってやっぱ馬鹿なんじゃね?」
「何か言いましたかな?」
「いやこっちの話。それよりも、相手の砦がソッコーで落ちたのとかちゃんとこの国の奴らに宣伝してくれてんすよね?」
「ご心配なさらずとも、各地の教会を通して信者たちには伝えられております。ちまたでは皆さんの話題で持ち切りだそうですぞ。はっはっはっ!」
このまま戦争に勝って俺たちは英雄だ。
今は教会が用意した陰気臭い女しか抱けないが、ことが終われば街を歩くだけで女が寄ってくるようになる。
ナオキが豪奢な馬車の上で美女に囲まれ、民衆からの歓声を一身に浴びる凱旋パレードの妄想に浸る。
「異教徒共はこちらの真の目的が穀倉地の放火とも知らず、今頃テンヤワンヤで戦っているのでしょうな」
「ついに来たのだな、我らモンテハナムを属国とさげすむグレアムめを膝まづかせる日が!」
「レギルス様っ!」
バラドリンド教の老司祭の言葉に褐色の肌をした青年が歓喜の声を上げると、青年のそばにいた背の低い老人が窘めた。
老人の視線の先にはバラドリンド教の法衣をまとったアイヴィナーゼ王国の元王子、アルフォンス・アイヴィナーゼの姿が目に留まる。
「これは失礼、アルフォンス殿には実の父親でしたな」
「なぁに、奴とは既に決別した身、モンテハナム殿の気に病むことではない。むしろこれまでアイヴィナーゼがモンテハナムへ行っていた所業を鑑みれば、貴殿のお気持ちは察するに余りある。我が父だった者に代わり陳謝致そう」
「なんのなんの、これからは互いに手を取り歩んで行く者同士。今後も懇意にして参りましょうぞ!」
モンテハナムの若き指導者が国を裏切った元王子に近付き手を差し伸べると、アルフォンスはその手を握り返した。
この戦争が終わった領土分割では、レギルスはアイヴィナーゼの南部と西部、アルフォンスはアイヴィナーゼの王都を含めた中央部をそれぞれが納める話し合いが済んでおり、その点では互いに手を取り合う存在の両者。
しかし、アイヴィナーゼの至宝と称えられるクラウディア第一王女をこの戦争の最中に手に入れ、やがてはアイヴィナーゼ中央部をも手中に収める足掛かりにしたいレギルスと、いずれは分割されたアイヴィナーゼを取り戻すつもりでいるアルフォンス。
空々しい笑顔の下にそれぞれの野心を隠す。
そんな2人のやりとりを、妄想から抜け出したナオキが興味なさ気に見ていたところに念話が届く。
『ナオキさぁん、ウィッシュなんたらってとこの王都?に着いたんだけど、急にワープゲートが出なくなったんすよ。どうしたら良っすか?』
念話の相手はウィッシュタニアの首都へ単独先行中である6勇者の1人、エイタだ。
王都に先行するメンバーが敵の王都に到着後は、報告の後に自分の担当する砦に戻って待機する予定となっていた。
先行メンバーの1人であるエイタが担当するのは、バラドリンドの最東の砦であった。
『はぁ? こんな時になに冗談みたいなこと言ってやがる、もっと真面目にやれよな』
エイタを叱りながら、東の砦で何かあったのかもしれないと思ったナオキは、東の砦へのワープゲートを開こうと試みる。
『……っ、マジで開かねえじゃねぇか、どうなってやがんだ? おいタカキ、ワープゲートが開きやがらねぇ、砦はどうなってる?』
『ちょと待ってくれ。こっちはこっちで忙しいってのになんなんだ』
ナオキからの確認にナオキとは同じ歳のタカキが、製造系チートスキルで武器を作成するのを一旦止めた。
『おいおいこっちも開かないぞ、どうなってるんだ? ……まてよ、こっちがダメってことは―――』
タカキが何かを言いかけるも言葉が途切れる。
『言いかけて急に黙るんじゃねぇよ』
『そうっすよタカキさん。……タカキさん?』
『どうしたタカキ? 何とか言えよ』
『タカキさん?』
『聞いてるのかタカキ!』
2人が呼びかけるも、タカキからの応答はそれっきり返ってこなくなった。
『……ちっ、なんだってんだ、ったくよぉ。ナオキだ、急にワープゲートが使えなくなったんだが、お前らの方は自分の砦に行けるか?』
『は? ――こっちは普通に使えんぜ?』
他の勇者たちに飛ばされた念話に、別の砦を拠点で待機していたモンテハナムの勇者として召喚されたオオグリが応答する。
『俺も使えるぞ』
『俺もだ』
『こっちもだぜ』
『俺の方はワープゲート出ねぇわ』
『こっちも出ない』
『出ないぞ?』
『俺は出るけどな』
『俺とかこっちじゃわかんねんだよ!』
オオグリの報告を皮切りに、連絡が取れる十数人からの報告を受け、ナオキがツッコミを入れた。
ツッコミながらも頭の中で報告主の声と彼らが受け持つ兵士の集合場所を冷静に照らし合わせる。
『……つーことは、タカキの居た砦だけゲートが使えねぇ感じか?』
そしてそのタカキは突然音信不通。
ナオキが嫌な予感を覚えながらも現状をおぼろげに掴みかけたその時だった。
ドンッッッッッ!!!!!!!
空から落雷に似た大きな音と共に、足元から刃縦に揺れるような衝撃が直撃した。
まるで地震のような揺れではあったが、衝撃は一度だけだった。
「なんだ今のは!?」
「敵襲ではないのか!?」
「異変はないか報告せよ!」
「警戒を怠るな!」
地面からの衝撃にナオキの周囲は慌ただしく支持を飛ばす。
『今の揺れはなんだったんだ?』
『地震か?』
『お前も感じたか?』
『俺も俺も』
『やっべ、地震とか超やっべ』
他の勇者たちも衝撃にざわつく。
「ナオキ殿、バーニッシュ砦との連絡が途絶えたと報告が上がっております。至急ご確認頂けませんか?」
「あ、ああ、今やっていたところだ」
状況に混乱するナオキが再びタカキの居る砦へのワープゲートを試みると、今度は問題無く開くことができた。
が、開いた先が問題だった。
「あ? 開けるじゃ――」
出現したワープゲートの先ではオレンジ色の光が煌々と広がり猛烈な熱気を噴き出したのだ。
「アっチぃ!?」
「―――――――!!!!」
「「きゃああああああああああ!?」」
凶悪なまでの輻射熱がワープゲートから溢れ、近くに居た使用人が熱にあぶられ床にのたうち回り、ナオキの隣りに居た女性たちが恐怖に悲鳴を上げた。
熱風が直撃したナオキが慌ててワープゲートを閉じた。
低レベルの人が一瞬で全身に大火傷を負う程の熱量に、部屋の中がサウナと化す。
「今度は何事だ!?」
「俺が知るかよ! タカキが居たところにワープを開けたらこうなったんだ!」
状況が飲み込めず説明を求めるレギルスにナオキが怒鳴り返す。
先ほどワープゲートが開かないと言っていた勇者たちの中からも、同じような目にあったと想像できる様子が念話で届く。
「やはり難攻不落のあの要塞に何かあったのでは!?」
「有りえん! 自爆したウィッシュタニアの要塞と違い、あそこには約1万もの兵士が詰めていたのだぞ!」
「憶測で決めるのは危険だ。ナオキ殿、大至急原因の調査をお願い致す!」
その後の確認作業により、バーニッシュ砦のあった場所では数キロ単位で地面が大きくえぐれが発見され、その場で城塞の痕跡どころか兵士の姿は1人たりとも見つからなかった。
これによりバラドリンド教国の戦略拠点からバーニッシュ砦の存在が抹消された。
――バーニッシュ砦消失の数分前――
成層圏まであとわずかな高高度の眼下では雲海が広がり、白い雲の隙間から地表の緑や海の青さがが輝いて見え、俺は素直に美しいと思った。
「壮観だな……」
「ちー……」
それっぽく作られたコックピットの中でのつぶやきに、俺の肩の上で潰れ饅頭と化したハーピーが小さな鳴き声で返してくれた。
左ほほに触れる彼女の柔らかな髪が心地よい。
2人だけの穏やかな時間が流れるも、足元に見えるバラドリンド教国の城塞と小さなうごめく何かを目にすると、心臓が締め付けられ緊張で体が強張る。
そのうごめくモノをあえて何かと称さないと、これからやることに踏み切れない。
高高度で吹き荒れる風に機体が揺らぎ、それが自分の心が揺らいでいるかのような錯覚に捕らわれそうになる。
強風で揺れる機体を魔力で空間に固定。
魔法無効化の結界に因り魔法が通用しない要塞を消し飛ばすための魔法を紡ぐ。
「〈グングニル〉」
言葉と共に機体の右前腕部の下に100メートルはあろうロングバレルの砲身を出現させる。
砲身の後ろに普段〈収納袋様〉と呼ぶ〈異次元収納空間〉を取り付けると、発射口を真下にある要塞に向け機体と同じように空間に固定させる。
「砲身、強度不足かも……。衝撃も逃すようにしないと……」
「わかった」
ミネルバの忠告に砲身に魔力を注いで補強し、機体と砲の両方に射出時に発生する衝撃を逃す流れを魔法で組み込む。
長い砲身の内部には、通過した物体を加速させ弾体を高速で射出するための弾速強化魔法がありったけ敷き詰めてある。
『ねこ殿、砦の周りにマナバッテリーを設置したでござる。ついでに拙者も離れたゆえ、いつでもイケるでござるぞ』
『了解』
地表に居る影剣さんからの念話に短く返す。
「ミネルバ、砦の周囲に防御魔法を展開してくれ。あ、天辺は出来るだけ薄くね。ついでに念話の妨害も頼む」
「ちー!」
マナバッテリーを媒介に防御魔法の結界が砦を覆うのを、〈マナ感知〉を宿した瞳で視認する。
「…………」
後は取り付けた収納袋様から発射する弾を砲に送り込むだけとなるも、発射にまでは踏み切れなかった。
この感覚、子供の頃予約した歯医者に行く時間が迫ってるのに似てるなぁ……。
似てはいるが、今感じているプレッシャーはあの頃感じた気の重さなど比ではない。
だが戦略での負けを取り戻すには、こちらも相手の予想を上回る行動で戦況を覆さなければならない。
ならないのだが、踏み切ったら最後、砦に居る
「……代わる?」
心配そうにこちらを覗き込むミネルバに、俺は首を横に振る。
「いや、これは俺がやるって決めたことだから、誰かに任せるつもりはないよ」
だから今は考えるな。
ただ粛々と事を進めろ。
大きく深呼吸を繰り返し、最後に肺いっぱいに取り込んだ空気をゆっくりと吐き出し無理やり覚悟を決める。
「……戦略級殲滅魔法〈ラグナロク〉」
静かだが明確な殺意を言葉に込め、収納袋様から全長8メートル直径50センチほどの金属の柱を砲身に送り込んだ。
多重に展開された弾速強化魔法によって送り込まれた金属柱が、砲身の中で音速の10倍を超える速度まで一気に加速。
空気を突き破る音の衝撃波に砲身が耐えられず、轟音を伴って砲身が破裂した。
しかし砲が破裂するよりも早く、空気の圧縮熱で灼熱と化した赤い柱が超音速で射出されると、そのまま目標の砦のど真ん中に吸い込まれた。
砲弾がドーンと大きな音で地面に着弾し、着弾地点が砦を地面ごと持ち上げるようゆっくりと紅く膨張したかと思うと、次の瞬間には大爆発となってあらゆるものを上空へ巻き上げた。
戦略級殲滅魔法〈ラグナロク〉
これは 本来なら低軌道上からマッハ9.7の速度で降下させる〈神の杖〉と呼ばれる理論だけの開発中の兵器を元に魔法で再現したものだ。
魔法無効化対策として俺の中では定番となった魔法で加速させた物体によって攻撃する物理攻撃魔法〈フェンリル〉とは原理こそ同じではあるものの、その性質はまるで違う。
フェンリルが金属の物体で相手に直接ダメージを与えるのに対し、ラグナロクは物体を加速させたことによって宿す速度をエネルギーとして着弾地点で放出する運動エネルギー攻撃で、その威力は核兵器に匹敵するとされている。
無論柱その物にもでたらめな攻撃力はあるが、本質は運動エネルギーによる周囲の破壊のため、砲弾ではなく爆弾とみなすのが正しいのだろう。
そしてたった今、その運動エネルギー爆弾によって、俺は大勢の命をこの手にかけた。
爆心地は灼熱した土で構成された巨大なクレーターとなっており、それはあたかも紅い花の様だった。
「……はぁぁぁぁぁぁ……」
自分の中の殺意を深い息と一緒に吐き出す。
見つめた先には紅い罪の花。
やった。
やってしまった。
一発で白金貨3枚分の特殊鋼の弾を消費し、数千人の命を根こそぎ奪った。
死んだら絶対地獄に落ちるな……。
この戦果を相手に突きつけ降伏勧告を行う予定だが、被害は敵軍の10%に達したかどうか。
それに相手はトチ狂った宗教国家、素直に降伏すると思えるほど楽観していない俺ガイル。
あと何回この陰鬱な気持ちを味わうのか、想像しただけで余計に気持ちが沈む。
「お父様……。見て、人がゴミの様よ……」
「んふっ」
ミネルバの特大のボケに思わず笑いで鼻から空気がもれ、笑ってしまった罪悪感で余計にヘコむ。
「元気付けようとしてくれたのは分かるけど、不謹慎過ぎるからやめなさい」
サイコパス過ぎるハーピーを窘めるも、怒られたミネルバは自身の羽毛に顔を埋めてしらを切る。
本当に怒りをぶつけたいのは自分自身なだけに、八つ当たりもいいとこだ。
「……報告もしなきゃだし戻ろっか」
「ちー……!」
大きな紅い花を今一度瞳に焼き付けると、俺は嫌悪感を胸に帰還した。
0
あなたにおすすめの小説
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ボンクラ王子の側近を任されました
里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」
王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。
人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。
そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。
義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。
王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる