召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした

think

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一年生

無礼者再びです!

昼食も済み、子どもたちとまったりと教会で遊んでいたときのこと。

「おい!リーナを出せ!」

ブレイが教会の扉を乱暴に開けた。
昨日の今日でやってきたな。

「俺が対応しますよ」

セレナさんに対応させるのも嫌なので俺が対応する。
ガラの悪い奴らを十人ほど率いており、ブレイは先日よりも傲慢な表情を見せている。

「貴様か、ちょうどいい外に出ろ!散々に痛めつけてやる!」

「そっちがそれだけの人数で来るならこっちも助っ人をお願いするけど?」

「はぁ?後ろにいる女どもが助けてくれるとでも言うのか?」

ブレイとならず者たちがニヤニヤと笑う。

「その通り」

「情けない奴め!数合わせだか知らんが女に助けを求めるなんてな!」

「いいからさっさと出てけ。子どもたちの教育に悪いんだよ」

「どこまでも生意気な口を……!さっさと出てこい!」

その言葉を残してブレイたちは扉から遠ざかっていった。

「リーナも参加する?」

「もちろんです!私ももう我慢できませんので!」

「フレアはほどほどに手加減頼むぞ?」

「なぜ私だけに言う!?サリアとクリス先輩の方が危険だろう!?」

「それもそっか。二人ともそういうことだから」

「おっけ」

「ほどほどにね!」

「ルース、サポートよろしくな」

「任せておいて」

〔私の出番はありますか!?〕

〔ないよ。ファーナを召喚するほどのことじゃないだろう?〕

〔くっ……ならず者退治は私の得意とするところなのに……〕

〔嫌な特技だな〕

「みなさん、ご無事で……」

「にーちゃん頑張れよ!」

「やっつけちゃって!」

セレナさんやトムスとシェンナといった子どもたちの声援を受けて、俺たちは外に出る。

「おや?リーナも出てくるのか?お前ら!女どもには怪我させるなよ!」

「野郎ども、まあそういうことだ。ただの学生みたいだし、さっさとねんねさせてやりな」

「「「おっす!」」」

ならず者のボスらしき男が指示を出すと一斉に襲いかかってきた。
それを迎え撃つは俺を中心にした五人。
数は不利だが、力量ではどうだろう?
動きを見るに武術をそれなりにかじっているようだが、俺たちの相手ではないだろう。

「おらっ!」
「死ねや!」

俺一人に対し二人が拳を繰り出してくる。
だが遅い。
二つの拳はしっかりと目で捉えられ、反射で目をつぶることもない。

俺は二つの拳をそれぞれ両腕で弾くと、勢いに乗った二人はバランスを崩した。

「「うぉっ!?」」

両サイドへと流れる二人の身体、その右の男の腹に蹴りを繰り出す。

「ぐはっ!?」

背中から思いっきり倒れ込んだ男は腹を押さえ、うめき声をあげていた。

「野郎!」

無傷の方の男が背後から拳を放ってくるが、声を出したら不意打ちにならんだろう?
俺は上半身をずらして攻撃を避ける。

「てめぇ!ちょこまか……ぎゃっ!?」

この状況においても口が回るようだが、そんなことをしている間に俺の拳が顔面を捉えた。
鼻が折れただろうか?
嫌な感触が拳に残る。

「いてぇ!いてぇよぉぉぉ!」

一撃で戦意を失ったようで男は雪が残る道の上で転がり込んだ。

こちらは終わり。
後はどうかなと思って周囲を見れば、他の男たちも道に転がっている。
残念ながら俺が一番最後だったようだ。

「お、おい!どうなってるんだ!貴様の配下は!雑魚ばかりじゃないか!?」

「あいつらが強いんすよ!」

「他の奴らはともかくリーナまでも!……おい!召喚しろ!」

「責任はとってくださいよね!」

「わかっている!」

「来い!ヘルハウンド!」

リーダーの男が召喚獣を繰り出してきた。
ヘルハウンドは狼型の召喚獣であり、ランクはC。

「ははは!どうだ!少し強いくらいでは召喚獣に太刀打ちできまい!」

ブレイは勝ち誇ったように笑い、男も笑った。
そこで俺は曖昧な知識を正当化させるためにリーナに問う。

「リーナ。こういう場合は、正当防衛になるんだっけ?」

「ええ、相手が先に召喚した場合こちらが対抗しても問題ありません」

「よし!お披露目といこうか!」

「こい!ファーナ!」〔出番ですね!〕
「フェザー召喚!」
「ラキシスきてください!」
「お兄ちゃん」
「リフィルおいで!」
「ユニユニ!出番だよ!」

一斉に召喚され、出て来た召喚獣に子どもたちから歓声が上がる。

「わぁぁぁ!」
「かっこいい!」
「すげぇぇぇ!」

「な、なんで貴様らが召喚術を使えるんだ!?」

「なんでって俺たちルードリア学園の生徒だし」

「ルードリアって今年の学生グランプリで全学年で優勝を果たしたっていう学園!?」

学園のことをリーダーは知っているようだ。

「そんな学園の生徒だってなんで教えないんだ!」

「し、知るか!?リーナが行く学園なんて職業訓練だと思っていたんだよ!」

「フェニックスにキリンに氷狼までいやがる!こんなの勝てるか!おい!お前ら逃げるぞ!」

「お、おい!待て!」

リーダーが召喚をキャンセルし、一目散に逃げ出すとそれに部下たちも続いた。
そして残されたのはブレイだけである。

〔それじゃファーナお疲れ〕

〔いえ……何もしてませんが?〕

〔相手の召喚獣がいなくなったんだからこれ以上はダメだろ〕

〔せめてワンパンチくらいはダメですか!?〕

〔ダメダメ。はい、お疲れ〕

〔ああ!私の出番がぁ!〕

いやいやと抵抗するファーナの召喚を取りやめると、みんなもそれに続く。

「さてと、こんなことが続くようじゃゆっくりと滞在できないよな」

俺は呆然とうずくまるブレイを見下ろした後、リーナの方へと視線を向ける

「どうするつもりですか?」

「領主様に直談判しに行くんだよ。今日中に解決させてしまおうか」

「はい!ご案内いたします!」

「おぼっちゃま。さっさと歩け」

「こんなはずじゃ……こんなはずじゃ……」

ブレイはブツブツとひたすらに呟いていた。
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