星見と私

ほろ苦

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小さな誤解 4

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「ね?団長」
「…はぁ。まあそうだ。エメラルド、彼女は女だ」
「団長がおっしゃるのなら。サナお願いしますね」
「え?は?」
「さて、さっそく部屋を案内してくれないかサナ」

私の肩を抱いたまま部屋を出ていこうとするレイ様に団長が声をかけた。

「騒ぎを起こすなよレイ」

レイ様が片手をあげてヒラヒラとしながら部屋を出ると私はレイ様から離れた。

「ちょっと!さっき男って言ってなかった?」
「冗談だよ」
「じゃあ女なのね」
「想像にお任せします」
「はあ?」

まるで私をからかっているような不適な笑みを溢しているレイ様に私は顔をひきつらせた。
全く付き合ってられないが、案内=世話がかりを頼まれたものだから、仕方ないと私は諦めて私の部屋に案内した。
広くも狭くもない部屋でベットはひとつ

「へー結構キレイにしてるんだね。」
「普通です。布団を取りに行かないと」
「いいよ。一緒のベットで寝るから」

騎士団の宿舎だけあってベットは大柄な男サイズなので確かに余裕はあるが、男か女かわからない奴と一緒に寝れるわけない。
私が目を細めて睨んでいるとレイ様は苦笑いを浮かべて布団を取りに行くことを承諾してくれた。

「サナは彼氏いないの?」
「いません」
「作らないの?」
「…別に」

私だってジレンとお付き合い出来たらどれ程いいか…
そう思っていると通路の奥から偶然ジレンがやって来た。
本日三回目…
今日はスペシャルデイだ。
顔を紅くして俯いていると私の様子に異変を感じたレイ様が私の顔を覗き込んだ。
ほんの数センチの至近距離に顔を近づけてキョトンとしている。

「どうかした?」
「な!」

ジレンからみた私たちはまるで口づけをしているように見えてもおかしくない距離だ。
慌てて私はレイ様から離れてジレンを見ると思った通り顔を紅くして不自然に視線を反らされて私たちを避けるように道を曲がった。
ああー絶対誤解された…
私は失望に肩をおとすとレイ様は気に入らないといった雰囲気だ。

「あれが好みなのか?」
「あれって…ほっといて下さい」
「自分でいうのも何だが、わたしの方が何倍も優良物件だと思うが?」
「それは人それぞれだと思います。というか、男か女かハッキリしてください」

レイ様はニヤリと悪そうな顔をした。

「じゃあ、今晩一緒にお風呂入る?」
「は?」
「それでハッキリするだろ?」
「…嫌ですよ」

私は少しだけ考えたがスパッと断った。
例え同性でも一緒にお風呂に入るほど親しくない。

「ひっかからなかったかー残念」

どうも読めない人だ。
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