復讐のためオークに転生した元いじめられっ子、魔王を牝犬にして飼う。【R18】

いけお

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ワーキャットの気質

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「そういえば、お前の名を聞くのを忘れていたな。 言え」

「……メリナ」

「メリナか。 名を偽るのかどうか試してみたが、嘘は言わなかったな。 ここで俺に嘘偽りを言えば、それはすなわち死を意味する。 これだけはよく覚えておけ」

「それで? これから私は何をすれば良いの? あなたのを咥えて、うっかり私の牙が刺さっても文句は言わないでよね」

 そう言いながら、長い犬歯を見せるメリナ。
 薬で堕とすのは簡単だが、それでは芸が無いしこの娘の力を活かせなくなる。
 過去を捨て、己の全てを捧げさせるだけの価値を示さねばならない。

 ディザイアは、ワーキャットの気質を解析で確認していた。
 気分屋で態度もころころと変わるが、主人と認めた者に対しては情愛を示す。
 その気質を利用するのである。

「さっきは脅し文句としてお前をこれから犯すと言っていたが、それをするとお前の……ワーキャットとしての力を利用出来なくなる。 そこでだ、お前に手を出さない代わりに、周辺の村や町の探索の任を与えようと思う」

「探索?」

 怪訝な顔で見つめるメリナ、ディザイアは詳しい任務の内容の説明を始めた。

「今この拠点にはケラド村と同様に、幾つかの村や町から人が送られてくる。 お前には、その村や町に秘密裏に潜入し情報を入手して欲しいのだ」

「要はあんたとの密約を影で破っているところがないか、見つけてこいってこと?」

「そういうことだ。 お前は夜行性で身体能力も高い、そんな貴重な逸材を部下どもの性欲処理に使えるものか。 付け加えて言えば、お前自身村を守るために俺に嘘の報告なんて出来るわけが無いからな」

(あまりにも条件が良すぎるのが気になるが、オークに犯されずに済むならその役目も悪くない)

 メリナはさっそく、付近の情報収集を開始する。
 するとディザイアが睨んでいた通り、幾つかの集落で密約を破る動きを見つけた。
 それを彼に報告すると、大勢のオーク達の前でメリナを褒め称えたのである。

「この者は我らの為に、有益な情報をもたらしてくれた。 やはり俺の目に狂いなどなかった、これからもその調子で我らの……いや、俺の為に働いて欲しい」

「恥ずかしくなるから、そんな大声で褒めないで欲しい……」

 そっぽを向きながら答えるメリナ。
 ここまで褒められるとは思っていなかったので、内心では少し照れていた。
 その後も何度か彼女は探索を行うたびに、ディザイアに報告する。
 たいした情報を得られなかった時も、彼は責めることはせずに感謝の言葉でその労をねぎらった。

 そんなディザイアに対して、少しずつ心を開くメリナ。
 村の長にはまだ遠く及ばないが、それでも他のオーク達よりはマシだと思い始めている……。



 ある日の夕刻、メリナが探索から戻ると突然ディザイアから呼び出しを受けた。

「メリナ。 お前のこれまでの働きに対する褒美として、2日ほど休暇を与えよう。 ケラド村への一時帰宅も許可する、ついでに村の長にもディザイアが感謝していたと伝えてきてくれないか?」

「えっ! 本当に村に帰っても良いのですか!?」

「無論だ、だが戻ってきたらまたバリバリ働いてもらうからな。 覚悟しておけよ」

「うん、分かった! それじゃあ、行ってきます」

 明るい笑顔を見せながら拠点を出ていくメリナ、その様子を見ながらディザイアは口元を大きく歪める。

「くくくく……。 村の長の本性に気付いた時、一体どんな顔で俺の前に現れるのか楽しみにしているぞ。 メリナ」

 軽やかな足取りで進むメリナがケラドの村に着いたのは、その日の夜遅くだった。 堂々と帰れば良いのに、つい普段の任務の癖で気配を殺して長の家に侵入する。

(たはは。 つい、いつもの癖で忍び込んじゃったよ。 そうだ天井から顔を出して長を驚かせてみよう、私の元気な姿を見せたらきっと喜んでくれるはず♪)

 ケラド村の長は、他の村で迫害されていたメリナを引き取り実の娘のように大切に育ててきた。
 その長に対してメリナは、愛情にも似た感情を抱いていたのである。

 長の寝室の天井まで来たメリナが中を覗いてみると、そこには信じられない光景が広がっていた。

「まったく! コルモンド子爵がワーキャットの娘を飼いたいと言うから、ここまで育ててきてやったのにとんだ計算違いだ。 あのオークが密約を言ってくる前に子爵へ売っておけば良かった」

(えっ……何これ、どういうこと!?)

 今まで見たこともなかった村長の醜悪な顔に、メリナは驚き固まる。
 そしてさらに驚いたのは、長が組み敷いていたのが先日彼女と一緒にディザイアの許に送られた、シスター見習いの娘の母親だったからだ。

「今頃はオーク達に、娘ともども犯されていることだろう。 さすがのメリナもあの娘の本当の父親が、ワシだとは気付いておるまい。  ほれ新しい子供の種をくれてやるのだ、もっと腰を振らんか! 明日はテオの娘がここに来る手筈となっておる、久々の生娘だ。 今から待ち遠しいぞ」

 村に住む人達の為に苦労を惜しまない、善良な人だとこれまで思っていた。
 だがその本性は村の女達を慰み者にする、最低の権力者。
 メリナは音も無く天井から降りると、今は何の感情も湧かなくなった男の首に向け鋭く伸ばした爪を振り下ろしたのである……。

 翌朝拠点に戻ったメリナの手には、ケラド村の長の首が握られていた。
 ディザイアの足下にそれを投げ捨てたメリナは、無表情で彼を問い質す。

「この事を知っていて、私に黙っていたの?」

「ああ、そうだ」

「いつから知っていたの?」

「お前が来た直後だ、解析した時に【長の本当の姿に、まだ気付いていない】と表示されていたからな。 正体を知ってもなお長を守るのか、確かめさせてもらった」

 初めて会話した時のように、歯を食いしばるメリナ。
 だがあの時守ろうと誓っていた長をその手で殺したメリナに、もはや帰れる場所は存在しない。
 そう、新たな主人となるディザイアの待つこの拠点以外には……。

「お前が主と認める者は、俺1人で良い。 お前が自ら邪魔者を消してくれたお陰で準備も整った、俺の命令に従いその褒美として一夜を共に過ごす事が出来る。 お前はそんな牝猫として生まれ変わるのだ、お前が昨日から発情期だってことも解析で既に把握済みだ。 俺の前でどんな佳い啼き声をあげるのか、期待しているぞ」

 そう言うとディザイアは、メリナの尻尾を掴んだ。

「ふにゃん!」

 途端に全身から力が抜け、その場に崩れ落ちるメリナ。
 身体が男を求め、徐々に熱を帯びて火照り出した。
 動けない彼女を抱き上げながら、ディザイアは耳元でそっと囁く。

「最初に連れていった小屋に一緒に来た娘も居る、彼女にお前の痴態を見せてやると良い……」

 ぼんやりとする意識の中、メリナの秘所は期待で既に濡れていた……。
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