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第19話 新たな娼館の候補地
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「支結君、これが女子生徒の身体測定結果のリストよ。顔写真も付いているわ」
「有難う御座います、阪井先生。約束通り、希望の生徒をセッティングしますので名前を教えてくれませんか?」
「2-Cの武藤君をお願い。彼、野球部の次期エースで女子からも人気が高いのに野球一筋でやってきた所為で未だ童貞らしいの。そんな無垢な彼を私好みに変える事が出来れば最高だわ・・・」
顧問から急に大事な打ち合わせが入った為今日の部活は中止すると連絡が入った武藤は、空いた時間をどう過ごそうか迷っていた。
「お~い、武藤!急に部活が休みになって暇だろ、久しぶりに一緒に帰らないか?」
「柳と須藤か、ああ良いぜ。一緒に帰ろう」
「ところでさ、武藤に相談が有るんだが少しだけ裏の神社に寄らないか?」
学校裏の神社に立ち寄った3人は拝殿横のベンチに腰掛けた、様子のおかしい事に気が付いた武藤が2人を問い質す。
「2人共、俺をこんな所に呼び出して何をするつもりだ?」
「それは俺の方から説明するよ」
物陰から1人の男子生徒が姿を現す、学年章から3年生だと分かる。
「俺は3年の支結 契だ、ここ最近そこの2人と接点を持つ機会が多くてね。君をここまで連れてくる様にお願いしたんだよ」
「それで3年生が2年の俺に何の用だ?」
「そう警戒する必要は無い、今日は君も美味しい思いが出来るビジネスの話が有るんだ。少しだけ聞いてくれないか?」
「危ない橋を渡るのは御免だ、ここで失礼する」
武藤は立ち上がるとその場を離れようとした、だが契の発した次の言葉で動けなくなってしまった。
「そうか・・・それは残念だ、校長がスポーツ特待生として君を推薦しようとしているのだが断るというのなら無かった事にするしかないな」
「何だって!?」
武藤は母子家庭で育ち、経済状況はあまり良くない。だが母親は息子が野球に専念出来る様に小さい頃から援助を惜しまず、また武藤自身もそんな母親へ恩返しする為に血の滲む様な練習を繰り返した結果今の地位を築いたのである。
「もう気付いていると思うが、このビジネスの話には校長も少し関わっている。学校の授業料を免除されるだけでも、かなり生活の負担は軽減される筈だがそれでも危ない橋を渡るつもりは無いか?」
「話の内容次第だ、母さんに迷惑を掛ける真似だけは出来ないからな」
「別に難しい話じゃないよ、保険医の阪井先生とは面識有るかな?」
「ああ、よく世話になってる。練習での擦り傷はしょっちゅうだからな」
「なら話は早い、阪井先生は君の味見をしたいそうなんだ。今夜一晩彼女の相手をしてくれれば、すぐにでも君はスポーツ特待生になれる。それだけじゃない、今後も彼女の相手をしてくれるのでならばその度に報酬を支払う準備が我々には有る」
契は財布の中から無造作に1万円札を10枚ほど抜いた。
「俺からスポーツ特待生になった君への祝い金だ、これとほぼ同額が月に数回口座に振り込まれる様になるだろう。阪井先生は君を自分好みの男に変えたいらしいから」
武藤はゆっくりと手を伸ばすと契の手からお金を受け取った・・・。
「これで契約は成立だ、そこの隙間から本殿の中に入りたまえ。君が来るのを阪井先生が中でお待ちかねだ」
武藤が本殿に入るのを見届けた契は協力してくれた2人に礼を言う。
「2人共協力してくれて本当に助かったよ、約束通り菜々の学校外への持ち出しを許可しよう。町外れのホテルの310号室で既に準備を済ませてあるから急いで向かうと良い」
「「有難うございます」」
須藤と柳の姿が消えると、契は阪井から受け取った女子生徒のリストを見ながら歩き始めた。
(これで人気の出そうな女を事前に選べる様になった、だが今の図書室のままでは狭すぎる。もっと広くて普段誰も訪れない場所を見付けないと・・・)
翌日、契は校長に新たな娼館の候補地として相応しい場所を紹介してもらう事にした。
「どうかね?ここなら住宅地からかなり離れていて人通りもほとんど無い、中に忍び込めば私有地への不法侵入で訴える事も出来るし何よりバブル全盛期に作ったまでは良かったが会社も既に倒産しているので土地を安く買い叩く事が出来る。君の条件にピッタリだと思うのだが」
「ここは盲点でした、確かに土地も広いし人目に付きにくい。最初予算を貯めてマンションでも建てようと考えていましたがここなら好きなだけ個室を増やせます。校長と本部長さんの秘密の別荘も作れそうですね」
「先にわしらの希望を言われてしもうたわい、同じ様な場所ならまだ県内に幾つも有るから軌道に乗ったら私立の女子校の校長達を紹介するから増やしてみると良い」
「私立女子か、それなら顔写真付きのリストや人材確保も楽に出来そうだ。お礼はやはり校長専属の愛妾ですか?」
「年老いた妻よりも若い女の方が良いに決まっている、君には今後とも期待しているよ」
校長が契に紹介したのは潰れたゴルフ場だった、これだけの広さが有れば連れてきた女を娼婦に仕立て上げる為の指導ルームを別に作る事も出来るし女子高の寮の名目で女達を住まわせて客の相手をさせる事も可能だ。契の暴走は止まる事無く、他校の女子生徒までその欲望の糧として喰らおうとしていた。それから2ヶ月の後、ついに運命の刻が訪れる。
村瀬 響子の妊娠が発覚する、宿した子の父親の名前は・・・・支結 契。
「有難う御座います、阪井先生。約束通り、希望の生徒をセッティングしますので名前を教えてくれませんか?」
「2-Cの武藤君をお願い。彼、野球部の次期エースで女子からも人気が高いのに野球一筋でやってきた所為で未だ童貞らしいの。そんな無垢な彼を私好みに変える事が出来れば最高だわ・・・」
顧問から急に大事な打ち合わせが入った為今日の部活は中止すると連絡が入った武藤は、空いた時間をどう過ごそうか迷っていた。
「お~い、武藤!急に部活が休みになって暇だろ、久しぶりに一緒に帰らないか?」
「柳と須藤か、ああ良いぜ。一緒に帰ろう」
「ところでさ、武藤に相談が有るんだが少しだけ裏の神社に寄らないか?」
学校裏の神社に立ち寄った3人は拝殿横のベンチに腰掛けた、様子のおかしい事に気が付いた武藤が2人を問い質す。
「2人共、俺をこんな所に呼び出して何をするつもりだ?」
「それは俺の方から説明するよ」
物陰から1人の男子生徒が姿を現す、学年章から3年生だと分かる。
「俺は3年の支結 契だ、ここ最近そこの2人と接点を持つ機会が多くてね。君をここまで連れてくる様にお願いしたんだよ」
「それで3年生が2年の俺に何の用だ?」
「そう警戒する必要は無い、今日は君も美味しい思いが出来るビジネスの話が有るんだ。少しだけ聞いてくれないか?」
「危ない橋を渡るのは御免だ、ここで失礼する」
武藤は立ち上がるとその場を離れようとした、だが契の発した次の言葉で動けなくなってしまった。
「そうか・・・それは残念だ、校長がスポーツ特待生として君を推薦しようとしているのだが断るというのなら無かった事にするしかないな」
「何だって!?」
武藤は母子家庭で育ち、経済状況はあまり良くない。だが母親は息子が野球に専念出来る様に小さい頃から援助を惜しまず、また武藤自身もそんな母親へ恩返しする為に血の滲む様な練習を繰り返した結果今の地位を築いたのである。
「もう気付いていると思うが、このビジネスの話には校長も少し関わっている。学校の授業料を免除されるだけでも、かなり生活の負担は軽減される筈だがそれでも危ない橋を渡るつもりは無いか?」
「話の内容次第だ、母さんに迷惑を掛ける真似だけは出来ないからな」
「別に難しい話じゃないよ、保険医の阪井先生とは面識有るかな?」
「ああ、よく世話になってる。練習での擦り傷はしょっちゅうだからな」
「なら話は早い、阪井先生は君の味見をしたいそうなんだ。今夜一晩彼女の相手をしてくれれば、すぐにでも君はスポーツ特待生になれる。それだけじゃない、今後も彼女の相手をしてくれるのでならばその度に報酬を支払う準備が我々には有る」
契は財布の中から無造作に1万円札を10枚ほど抜いた。
「俺からスポーツ特待生になった君への祝い金だ、これとほぼ同額が月に数回口座に振り込まれる様になるだろう。阪井先生は君を自分好みの男に変えたいらしいから」
武藤はゆっくりと手を伸ばすと契の手からお金を受け取った・・・。
「これで契約は成立だ、そこの隙間から本殿の中に入りたまえ。君が来るのを阪井先生が中でお待ちかねだ」
武藤が本殿に入るのを見届けた契は協力してくれた2人に礼を言う。
「2人共協力してくれて本当に助かったよ、約束通り菜々の学校外への持ち出しを許可しよう。町外れのホテルの310号室で既に準備を済ませてあるから急いで向かうと良い」
「「有難うございます」」
須藤と柳の姿が消えると、契は阪井から受け取った女子生徒のリストを見ながら歩き始めた。
(これで人気の出そうな女を事前に選べる様になった、だが今の図書室のままでは狭すぎる。もっと広くて普段誰も訪れない場所を見付けないと・・・)
翌日、契は校長に新たな娼館の候補地として相応しい場所を紹介してもらう事にした。
「どうかね?ここなら住宅地からかなり離れていて人通りもほとんど無い、中に忍び込めば私有地への不法侵入で訴える事も出来るし何よりバブル全盛期に作ったまでは良かったが会社も既に倒産しているので土地を安く買い叩く事が出来る。君の条件にピッタリだと思うのだが」
「ここは盲点でした、確かに土地も広いし人目に付きにくい。最初予算を貯めてマンションでも建てようと考えていましたがここなら好きなだけ個室を増やせます。校長と本部長さんの秘密の別荘も作れそうですね」
「先にわしらの希望を言われてしもうたわい、同じ様な場所ならまだ県内に幾つも有るから軌道に乗ったら私立の女子校の校長達を紹介するから増やしてみると良い」
「私立女子か、それなら顔写真付きのリストや人材確保も楽に出来そうだ。お礼はやはり校長専属の愛妾ですか?」
「年老いた妻よりも若い女の方が良いに決まっている、君には今後とも期待しているよ」
校長が契に紹介したのは潰れたゴルフ場だった、これだけの広さが有れば連れてきた女を娼婦に仕立て上げる為の指導ルームを別に作る事も出来るし女子高の寮の名目で女達を住まわせて客の相手をさせる事も可能だ。契の暴走は止まる事無く、他校の女子生徒までその欲望の糧として喰らおうとしていた。それから2ヶ月の後、ついに運命の刻が訪れる。
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