異世界に飛ばされた警備員は持ってた装備で無双する。

いけお

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第38話 賑やかな日々

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「「帰ったよ~!」」

「あ、お帰りなさいお義兄ちゃんお姉ちゃん♪」

「ご無事で何よりでした、誘二様フォルネーゼ様」

「お帰りなさい、誘二様」

俺とフォルネーゼの2人で砦を見回る生活を始めてから2週間近く経ち、フォルネーゼも冒険者としての生活が板についてきたようだ。しかし、見回りの成果にはかなりの差が有るが。

「全く!わたしが12匹倒しているというのに、あなたはたったの7匹ですか!?もっと、注意深く探してください!」何でだろう・・・立場が入れ替わってる。

「オークの臭いと鼻息は独特のものです、耳と鼻に意識を集中させれば100m離れていても気付けますから明日から早速取り入れてくださいね」

ごめん、フォルネーゼそれ無理!獣並みの嗅覚や聴覚なんて持ち合わせていませんから!?この間狩りで興奮して身体を求めてきたフォルネーゼは、その後も度々興奮状態になると俺を求めてくる様になっていたが彼女は開き直ったのか

「匂いが誤魔化せないなら、それ以上の臭いで消せば良いのですわ!」

っとオークの返り血をわざと全身で浴びて上書きする作戦まで行い始めた。全身真っ赤にしながら、顔がツヤツヤ状態のフォルネーゼを見てバルドやエタさん達は呆れ返り、フォレットちゃんも流石にそこまでするとは思わなかった様で以後茶目っ気を出して余計な一言を言わなくなった。

『ハーレム砦に住む神の御使いが正妻とペアでパーティーを組む様になったそうだ』

『それだけじゃないぞ!どうやら奥さんの方が冒険者の素質が上かもしれないそうだ』

『【神の御使いを尻に敷く女】の称号は伊達じゃないって訳だな』

町の人達がこんな話をヒソヒソとしているのを聞きながら、俺とフォルネーゼは冒険者ギルドの支部に向かっている。ただし、アルムの町じゃない場所の支部にだ。アルムの町でフォルネーゼは元々よく知られている存在だったから、更に名前が売れてしまうのは正直恥ずかしくて顔を出せないそうな。なので、俺がバルナードに向かう途中で立ち寄った町に移動してフォルネーゼの実績報告をする事となった。

「では、フォルネーゼさん。カードをお渡しください」

受付の方はカードを受け取った直後に目に入ったオークの異常な討伐数に気を失ってしまう。そして慌てて飛び出してきたその町の支部長も仰天し、ランクの昇格の判断をこの場では決められないから総本部行くように言われてしまう。仕方ないから2人はバルナードに飛び総本部のラッセルを呼び出す事にした。

「君か、久しぶりだな。そちらの女性が【ハーレム砦を仕切る者】【神の御使いを尻に敷く女】のフォルネーゼさんなのかな?」

「・・・・お願いします、その称号を言うのはご勘弁ください」

フォルネーゼが頭を下げる姿を久しぶりに見た気がした、最近では腰に両手をやり俺を叱る姿ばかり目にしていたからだろうか。

「実はフォルネーゼの実績報告にアルムじゃない町の支部に行ったら、そこの支部長にこの場では昇格は決められないから総本部に行けと言われてしまってさ。めんどくさいけど仕方なく来た訳だ」

「お前もバルドによく似てきているな。言葉遣いもその内同じになるぞきっと」

「それはちょっとイヤかも」

「ははは、まあ冗談はそれくらいにしておいて早速カードを見せて貰っていいかな?」

くそっ!冗談だったのか!?バルドと長い付き合いをしてきただけあって、やはり侮れない人だ。

「誘二君、君よりも華々しいデビューを飾ったようだね。君の奥さんは・・・」

「ええ、そうですね。今じゃ俺が怒られてばかりの毎日ですよ」

「今はそうだろうが、狩りをする場所によっては君の方が優位になる事だってある。お互いに守り守られながら協力するのがパーティーだ、それを忘れない事だな。バルドの奴はしょっちゅう忘れて1人で飛び込んでいたが」

必ずバルドへの小言を忘れないラッセルだが、それだけバルドの実力も認めているからこそ言えるのかもしれない。

「フォルネーゼさん、実績の確認は終了した。君はやや特殊な条件でしか活躍出来そうもないので条件付での昇格になる。この条件を満たしていない場合はEランク相当に過ぎない事を忘れない様に」

そうして渡されたカードのランクは国内2人目となるSSの文字が書かれていた、そして条件の欄に【ただし、SSランクは交 誘二とパーティーを組んでいる間に限る。それ以外の場合ではEランクとして扱う】と表示されていた。

無事に昇格を済ませた俺とフォルネーゼが家に帰ろうとしていると、ラッセルが俺に耳打ちしてきた。

「済まないが聖光教会の総本部にも顔を出してやってくれないか?ウチの女性職員の所為で、今向こうが騒動になっていてね・・・」

(何か有ったのだろうか?まさか、ここの職員がシャンティのハーレムへの嫁入り宣言を教会の人間に漏らしたとか!?)

「フォルネーゼ、ちょっと寄りたい場所が有るんだが一緒に来てくれるかな?」

「構いませんが、どちらに向かわれるのですか?」

「正直気が乗らないんだが、聖光教会の総本部だ。ラッセルの話だと、向こうが今騒動になっているらしい」

「はあ、あなたは何度も言いますが女性を傍に呼び寄せる力をのですから、言葉はそれこそ慎重に選ぶ様にしてくださいね」

「はい、すみませんでした」

正面から入ると大騒ぎになるかもしれないので、応接室に転移するとそこには偶然スフィア大主教が事務仕事をしていた。

「こんにちわ、仕事の邪魔をしてしまってすいません」

「あら、誘二様。シャーリィ様ではなくて今日はフォルネーゼさんと一緒なのですね」

「さっきまで冒険者ギルドの方に顔を出していてさ、そこのラッセルにここに顔を出す様に言われて来たんだよ」

「全くあの男はもう!私に顔を見せられないからって本人がここに来る様に仕向けてたのね!?」

「それってどういうこと?」

「きっと、あいつは各支部長にフォルネーゼさんか誘二様が来たら総本部に行く様に伝えろと指示を出していたんですよ。そして、やってきたら本人にここへ来る様に耳打ちする手筈をしていたんですわきっと」

マジなのか、それ!? あれ? でも、なんでスフィアさんはラッセルの事を知っているのかな?

「ねえ、スフィアさん。ところでラッセルさんの事をよく知っている様ですけど、バルドと同様にお知り合いなのですか?」

「バルドとはあまり付き合いは無いけど、ラッセルとは従兄妹なのよ。だからあそこの職員が仕出かした事を謝りたくても私に会い辛いからあなた本人に顔を出させようと知恵を振り絞ったと思うわ」

「もしかして、あそこの職員の仕出かした事ってシャンティさんのことですか?」

「分かっているなら話が早いわね、あなたは聖光教会を解体させるつもりですか!?」

「ごめん、まさかこんな事になるとは思ってもいなかったんだよ!?」

「けれど、あなたがこのタイミングで来ると言う事は、やはりんですよね」

「このタイミングって何か有ったんですか!?」

「それはもう、有りまくりですよ。あそこの女性職員がキャアキャアいいながらウチの修道女達に言い触らすから、次期総大主教だけじゃなく現総大主教まで姉妹で神の御使いに心を奪われてしまったと大騒ぎ!下からの突き上げにシャンティもついにキレちゃって『妹が好きになった男を私も好きになって何が悪いのよ!?一夫一妻の規範を守っていたら、あの男の傍に居る事なんて出来ない!私はただいまをもって総大主教を退位します!!』って皆の前で叫んじゃったのが、つい3日前の出来事。そして、先程退位が認められて私物の整理をしているところよ」

(そういえば、この間の女性職員の姿が見えなかったな。何らかのペナルティでも受けたかもな)

「さっきラッセルに会いに行った時に、その時に居た女性職員の姿が無かったのを今思い出したけどラッセルが何かペナルティでも与えて自宅謹慎にでもしたのかな?それとも最悪は解雇?」

「・・・解雇や自宅謹慎の方がずっと幸せだったでしょうね。その女性職員達の人生は終わっております」

「終わったって、もしかして殺されたとでも言うのか!?」

「あるいはその方が良かったかもしれませんね、彼女達は地下の闇組織に慰み者として売られました」

慰み者として売られた!?スフィアさんも何でそんな事をしれっと言う事が出来るんだ!?

「ちょっと何でそんな簡単に女性達が性の捌け口にされてる事を当たり前の様に言えるんだ!?」

「そうでもしないと、彼女達は我々教会の者に追い回された挙句に眠る事も許されず死ぬまで犯され続ける事になったでしょうから」

「それが総大主教という教会のトップの面目を丸潰しにして教会の威厳を損ねた者の末路です」

そんな会話をしていると応接室の扉が開いてシャンティが入ってきた。

「スフィア、幻聴かしら? 誘二の声がしたんだけど・・・」

「よお・・・何とか元気そうだな」

シャンティは俺の顔を見ると涙をボロボロ流しながら、抱きついてきた。

「あなたの所為よ!あなたがこの世界にさえ来なければ私やシャーリィは教会で平穏に過ごす事が出来たのに!?今すぐ私を正妻として迎え入れなさい!!」

シャンティは言いたい事を言っているが、背後から忍び寄る存在をすっかり忘れていた。

「・・・シャンティさん?随分と勝手な事を言われますね、正妻は私です。あなたは第4夫人で我慢しなさい。ああ、そういえばシャーリィさんは第2夫人であなたよりも格上となるのですわね。オホホホホ♪」

「・・・第4夫人で構いません、私にも誘二様のお情けをください」

「ならば、いつでもその様に殊勝な心がけをするのですよ。これでよろしいですわよね、誘二さん?」

「は、はい!それで結構です!!」

こうして、俺はシャンティを砦の家に連れ帰る事になった。その後の聖光教会はスフィアが総大主教に昇格し任期を終える直前にラッセルと夫婦となり夫を尻に敷く女傑としてバルナード内でその名が轟く事になる。
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