5 / 87
第5話 怪にも色々居る様で・・・
しおりを挟む
『なんですって!?護さんの後ろで大勢居る人達って全員が異世界の神様なの!?』
「実はそうなんだ、八百万の神って表現になるけどありとあらゆる物に神は宿っているって日本人独特の考え方だよね」
レミアは俺の後ろに居る守護霊を名乗る者達が実は全て異世界の神だと知って驚いていた。とりあえず現在の状況を説明すると、レミアには道を迷わせる呪いを解いてもらい最初に立ち寄った村から近い集落を案内して貰っている。道中にお互いの事を知っておこうと話をしている中で先程の守護霊達の話題になっていた訳だ。
「今度はこちらの番になるけどさ、怪はレミアの様に自我を持った者も多いのかな?」
『さあ?私の様に人から怪になった者の中には生前の記憶を残している者も居る様だけど、動物から怪になった場合や他種族で怪になっている者とは意思や言葉が通じない所為で怪同士で襲い合ってしまうケースも多いわね』
「怪が怪を襲う!?」
『怪に対して物凄く深い負の感情を持ちながら死んだ為に、怪を殺す為だけに生き続ける怪となってしまった者も居る話だし。怪は必ず1つの思考で動いている訳じゃ無いってだけ覚えておくと良いわよ』
「この世界の門番の話だと、怪は全種族共通の敵として認識されていると言っていたんだけどな」
『死んでない者を無差別に襲おうとする怪に対しては、その考え方で良いと思うわ。ただ、負の感情といってもあんまり共感出来ない負の感情で怪として生き返り人の世界でしぶとく生きてるのも居るし実際』
さっき俺の魂を食べさせろと言っていたのをレミアはすっかり忘れていた、俺達と出会わなければレミアも共通の敵としていずれ討伐されていたのかもしれない。本人はその事に気付いてない様だけど敢えて言わない事にする。
「共感出来ない負の感情って何?」
それよりも個人的にこちらの方が気になった、怪となった者にさえ共感されない負の感情とは一体・・・。
『お金に対する異常なまでの欲よ、もっと稼ぎたい・もっとお金を増やしたい・人より硬貨1枚でも多く所持したい・・・全てのお金を手に入れない限り死ぬ事なんて出来ないからこの連中はゴキブリみたいに数が増えて困っているのよ』
あ、こちらの世界にもゴキブリが居るんだ。1人見たら30人は金の亡者の怪が居るって考えるとぞっとする光景だな確かに。
「金の亡者の怪が増えすぎても、生きてる商人達にはいい迷惑な話だな」
『でしょ!?だから、定期的に金の亡者の怪を半強制的に減らしているわよこちらの世界では』
「減らす?一体どんな方法で?」
『全財産没収、身包み剥がして街中にポイッっで絶望してそのまま死んじゃうわね』
「その没収した財産はどうするの?」
『どうせこういう人達はあくどい商売で大勢の人を苦しめていたから、今度は社会で活かす為に孤児院や学校の子供達の食事代などに分配して使われているわ』
死んでからもせっせと汚くお金を貯め続けていたのに、ある日突然財産を全て没収された上に身包み剥がされたとあってはショックで確かに死ぬかもしれない。けど、自業自得だから別にいいか。
「お金が大事に使われるならそれが1番だよね、あと1つ質問してもいいかな?」
『いいわよ、どうぞ』
「こちらの世界にも神様っているの?」
『居るわよ、神族の頂の存在ね』
「神族って具体的にどんな方達が居るのかな?自分の居た世界と違っているかもしれないから少しだけ興味が有るんだよね」
『まあ別に構わないけど・・・神族は上中下の位に分かれているわね。ちなみに魔族も同じ分け方しているから覚えておくと便利よ。下位神族は主に天使たちね、中位神族は上級の天使と下級の神の混合で、上位神族は中級以上の神のみで構成されているわ。下位と中位、中位と上位では力の差が歴然だから位を偽る事は無理ね」
「じゃあ、下級の神は別の名で呼ばれていたりするのかな?」
『カンが良いわね、その通りよ。下級の神は非神とも呼ばれているわ。神の筈だけど神に非ずってね』
(同じ神同士、神族同士の筈なのに嘆かわしい限りです)
「俺達の居た世界とこちらの世界じゃ常識も違うだろうから、今はまだとやかく言うべきじゃないよ」
『まあ、お互いの世界の良い部分が交じり合う事が出来れば更に良い世界になるわよきっと』
「凄くポジティブな考え方をしているよねレミアは、どうして怪になっているのか不思議だよ」
『これでもシスターを目指していたしね、大きな街の教会へ礼拝に向かう途中で道に迷って空腹で死んじゃったからそれが心残りになっているのだと思うわ』
「じゃあ、その目的地の教会へ行けばレミアの心残りは解消されるのかな?」
『多分ね、あなたに出会うまではその事さえ忘れていたのだけれど・・・」
「俺はこの世界の地図を作る為に旅をするつもりだから、レミアの目的地もそのついでだ。一緒に旅を続けて更にお互いを知っていけばもっと良い解決法も見つかるかもしれないしね」
『ありがとう、護さん』
この時はまだ人から怪になった者と生きている人だって話し合えば分かり合えると思っていた。しかし、後日こちらの世界の人の行いでその思いが失望に変わる事になるとは考えが及ばなかった。そしてその時に天照達が起こす神罰がきっかけで俺の名前がこの世界で知れ渡る事になると予想している者は誰も居なかった。
「実はそうなんだ、八百万の神って表現になるけどありとあらゆる物に神は宿っているって日本人独特の考え方だよね」
レミアは俺の後ろに居る守護霊を名乗る者達が実は全て異世界の神だと知って驚いていた。とりあえず現在の状況を説明すると、レミアには道を迷わせる呪いを解いてもらい最初に立ち寄った村から近い集落を案内して貰っている。道中にお互いの事を知っておこうと話をしている中で先程の守護霊達の話題になっていた訳だ。
「今度はこちらの番になるけどさ、怪はレミアの様に自我を持った者も多いのかな?」
『さあ?私の様に人から怪になった者の中には生前の記憶を残している者も居る様だけど、動物から怪になった場合や他種族で怪になっている者とは意思や言葉が通じない所為で怪同士で襲い合ってしまうケースも多いわね』
「怪が怪を襲う!?」
『怪に対して物凄く深い負の感情を持ちながら死んだ為に、怪を殺す為だけに生き続ける怪となってしまった者も居る話だし。怪は必ず1つの思考で動いている訳じゃ無いってだけ覚えておくと良いわよ』
「この世界の門番の話だと、怪は全種族共通の敵として認識されていると言っていたんだけどな」
『死んでない者を無差別に襲おうとする怪に対しては、その考え方で良いと思うわ。ただ、負の感情といってもあんまり共感出来ない負の感情で怪として生き返り人の世界でしぶとく生きてるのも居るし実際』
さっき俺の魂を食べさせろと言っていたのをレミアはすっかり忘れていた、俺達と出会わなければレミアも共通の敵としていずれ討伐されていたのかもしれない。本人はその事に気付いてない様だけど敢えて言わない事にする。
「共感出来ない負の感情って何?」
それよりも個人的にこちらの方が気になった、怪となった者にさえ共感されない負の感情とは一体・・・。
『お金に対する異常なまでの欲よ、もっと稼ぎたい・もっとお金を増やしたい・人より硬貨1枚でも多く所持したい・・・全てのお金を手に入れない限り死ぬ事なんて出来ないからこの連中はゴキブリみたいに数が増えて困っているのよ』
あ、こちらの世界にもゴキブリが居るんだ。1人見たら30人は金の亡者の怪が居るって考えるとぞっとする光景だな確かに。
「金の亡者の怪が増えすぎても、生きてる商人達にはいい迷惑な話だな」
『でしょ!?だから、定期的に金の亡者の怪を半強制的に減らしているわよこちらの世界では』
「減らす?一体どんな方法で?」
『全財産没収、身包み剥がして街中にポイッっで絶望してそのまま死んじゃうわね』
「その没収した財産はどうするの?」
『どうせこういう人達はあくどい商売で大勢の人を苦しめていたから、今度は社会で活かす為に孤児院や学校の子供達の食事代などに分配して使われているわ』
死んでからもせっせと汚くお金を貯め続けていたのに、ある日突然財産を全て没収された上に身包み剥がされたとあってはショックで確かに死ぬかもしれない。けど、自業自得だから別にいいか。
「お金が大事に使われるならそれが1番だよね、あと1つ質問してもいいかな?」
『いいわよ、どうぞ』
「こちらの世界にも神様っているの?」
『居るわよ、神族の頂の存在ね』
「神族って具体的にどんな方達が居るのかな?自分の居た世界と違っているかもしれないから少しだけ興味が有るんだよね」
『まあ別に構わないけど・・・神族は上中下の位に分かれているわね。ちなみに魔族も同じ分け方しているから覚えておくと便利よ。下位神族は主に天使たちね、中位神族は上級の天使と下級の神の混合で、上位神族は中級以上の神のみで構成されているわ。下位と中位、中位と上位では力の差が歴然だから位を偽る事は無理ね」
「じゃあ、下級の神は別の名で呼ばれていたりするのかな?」
『カンが良いわね、その通りよ。下級の神は非神とも呼ばれているわ。神の筈だけど神に非ずってね』
(同じ神同士、神族同士の筈なのに嘆かわしい限りです)
「俺達の居た世界とこちらの世界じゃ常識も違うだろうから、今はまだとやかく言うべきじゃないよ」
『まあ、お互いの世界の良い部分が交じり合う事が出来れば更に良い世界になるわよきっと』
「凄くポジティブな考え方をしているよねレミアは、どうして怪になっているのか不思議だよ」
『これでもシスターを目指していたしね、大きな街の教会へ礼拝に向かう途中で道に迷って空腹で死んじゃったからそれが心残りになっているのだと思うわ』
「じゃあ、その目的地の教会へ行けばレミアの心残りは解消されるのかな?」
『多分ね、あなたに出会うまではその事さえ忘れていたのだけれど・・・」
「俺はこの世界の地図を作る為に旅をするつもりだから、レミアの目的地もそのついでだ。一緒に旅を続けて更にお互いを知っていけばもっと良い解決法も見つかるかもしれないしね」
『ありがとう、護さん』
この時はまだ人から怪になった者と生きている人だって話し合えば分かり合えると思っていた。しかし、後日こちらの世界の人の行いでその思いが失望に変わる事になるとは考えが及ばなかった。そしてその時に天照達が起こす神罰がきっかけで俺の名前がこの世界で知れ渡る事になると予想している者は誰も居なかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,920
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる