魔術師見習い、ニッポンの侍の末裔を召喚する(?)

三毛猫 ポチ

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アツモリ、セーラー服の女の子に導かれ堕天使と戦う

第63話 〇バアに〇バア呼ばわれされる筋合いはなーい!

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 敦盛は最後尾の荷馬車の中にいた。
 行く時は大量の矢が乗っていたけど、世界樹の葉が積んであるのは前の3台だけだから、空の荷馬車だ。

 行く時は御者を除いて6人だったが、フレア主任がエルフの集落で正体を現しシビックが亡くなったけど、その代わり満里奈が加わったから5人に・・・となる筈なのだが、何故か6人が乗っている!!

「・・・いやー、そういう訳ですからー、行く宛が無いから一緒について行く事にしましたー!」

 そう言って敦盛の左でニコニコ顔になって座っているのは・・・シルフィだ!
「・・・お前さあ、本当に『永久追放処分』なのかあ?」
 敦盛は「冗談だろ?」とばかりに何度もシルフィに尋ねているけど、シルフィはたった一言「本当だよー」としか言わない。
「・・・だってー、わたくしはー、エルフ族の中でー、ただ一人、世界樹の木を邪魔物扱いしてたんだよー。その世界樹の木の下にー、あーんなバケモノを封印したとあればー、わたくしを集落に置いてたら誰もが安心して寝られないのは人間にも分かる筈だよー」
「た、たしかに筋は通ってるけど・・・」
 シルフィが言ってる事はもっともだ。
 でも、何らかの原因でリーザが世界樹の木の下に封印された事が魔王軍に漏れたら・・・そうなったらエルフの集落は再び魔王軍の攻撃に晒される事になる。
 一番可能性が高いのは・・・ミゼット商会側だ。
「・・・アツモリさあん、もしかして、ミゼット商会側から情報がポロリと漏れる事を心配してませんかあ?」
 シルフィはそう言いながら敦盛の顔を覗き込んでるけど、殆ど緊張感が無い話しっぷりに敦盛の方が拍子抜けしているくらいだ。
「そりゃあそうだろ?俺たち冒険者ギルドの連中は守秘義務がある。場合によってはギルドの規則で刺客を放たれても文句は言えない。でも、ミゼット商会は金の力とかでアッサリ喋る奴で出ても不思議ではないぞ」
「大丈夫だよー」
「あのさあ・・・」
「あのねー、アツモリたちは気付いていたかどうは知らないけどー、樹木の精霊ドライアードに命じて、ちょっーとばかりオツムの中をいじらせてもらいましたあ」
「はあ!?お前さあー、まさかとは思うけど人間の記憶をいじれるのかあ!?」
「世界樹の樹木の精霊ドライアードだから出来るんですよー。だからー、あの人たちはー、普通に武器を下ろして世界樹の葉と交換したとしか覚えてないですよー」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。フレア主任はどうなる?まさかとは思うけどエミーナあたりのフレア主任ソックリの人形を作らせて、それを操り人形パペットマンにするつもりかあ?」
「そんな面倒なことはー、ぜーんぜん心配しなくてもいいですよお。あの主任さんはねー、エルフの集落にくる前に死んだって事になってるからさあ」
「それって酷くない?」
「だってー、エルフの集落を出たらー、世界樹の樹木の精霊ドライアードの力を使えなくなるからあ、これ以外に方法はないよー」
「だからといってさあ、本当なら俺は『青銅ブロンズ』から『シルバー』になれるくらいの功績を上げたのに、それを証明してくれる、唯一かつ絶対的な証言を・・・」
「はあい、その通りでーす。誰も覚えてないから証言できませーん」
「勘弁してくれよお、俺たちは『骨折り損のくたびれ儲け』だぞー」

 そう言うと敦盛は『ガックリ』とばかりに肩を落としたし、それはエミーナたちも同じだ。
 内心はエミーナも『バカヤロー!』と罵声を浴びせたい気分だが、たしかにこの事が公になったら、下手をしたら魔王ウーノ自らエルフの集落に乗り込みかねない。そう考えたら、あの集落でリーザが永遠に眠り続けているのを公表しない方がいいのかもしれない。やった事は卑劣かもしれないが、結果だけを見れば最善の策だ。

「・・・わたくしはー、こう見えてもエルフだよー。精霊魔法が使えるしー、アツモリが天寿を全うしたとしてもー、わたくしは300歳くらいですよー。アツモリが7回くらい人間をやり直して初めてアツモリと一緒に天に召されるかどうかだからー、これ以上の役に立つ精霊使いはいないと思うけどなー」

 シルフィはそう言ってニコニコ顔で敦盛を見てるけど、エミーナは何故シルフィがこの馬車にいるのか、その本当の理由を分かっていた。
 たしかに世界樹の木をシルフィが嫌っていたのは事実だろうが、本当に追放されたなら、エルフの集落からで追い出されるはずなのに、自分の皮鎧レザーアマーだけではなく、銀色に光る弓とレイピアを持っているのはおかしい。それも、どちらも凄まじいまでの魔法の波動を感じるような武器だ。
 考えられるのはただ1つ!永久追放処分とはデマカセであり、本当はエルフの宝ともいうべき武器を、黙って持ち出して。ただ、それをシルフィに言うのはやめた。のは事実だけど、貴重な戦力なのは間違いないのだから。

 でも、敦盛を挟んで逆側にいる人物はシルフィをさっきからずうっと睨み続けている!
 そう、満里奈だ。
「・・・だいたいさあ、『永久追放処分』とかカッコイイ事を言ってるけど、言い換えれば犯罪者でしょ!犯罪者が『アルマーニの勇者』の力になってやる?それこそ『天に唾をする』とはこの事よね!!」
「まあまあ、人間の一生なんて儚いんですからあ、そんなカッカカッカしてたら、あっという間に皺だらけになっちゃいますよお」
「そういうお前はウチの10倍以上も生きてるババアだろ!ババアにババア呼ばわれされる筋合いはなーい!」
「あらー、わたくしの肌はスベスベですよお。人間というのはー、あっという間に皺だらけになっちゃいますよお」
「ババアに言われたく無ーい!」

 結局、この2人、ファウナの街に帰るまで歯車が噛み合う事はなかった・・・
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