魔術師見習い、ニッポンの侍の末裔を召喚する(?)

三毛猫 ポチ

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行間10 あんたが1番!

第66話 カイインバンゴウ (後編)

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 ステラはあくまでニコニコ顔だし、キャミも「そうそう、わたしも知りたーい」とか言ってニコニコ顔で敦盛に視線を向けている。
「・・・えーと、それはねー、えーと・・・」
 敦盛は酒を飲んでない(当たり前だ!)にも関わらず歯切れが悪い。
 そりゃあそうだ、自分の右には満里奈が座ってるし、満里奈はとうの昔に『ニャンニャンクラブ』の名前の由来に気付いている!実際、敦盛は『チラッ』と満里奈を見たけど、満里奈は明らかに軽蔑のまなこで敦盛を見ているから、敦盛は言いたくても言えないのだ。

「はーーー・・・」

 敦盛が全然説明しないから、痺れを切らしたのか満里奈がため息の後に口を開いた。
「ま、簡単に言えば、お兄ちゃんが憧れている、可愛い子揃いの集団の事よねー」
 そう言うと満里奈は敦盛に視線を合わせたが、明らかに目が冷たい!敦盛は背中から冷や汗が出来ていた。
「マリナさーん、それって、実在するんですかあ?」
 ステラが興味津々と言った目で満里奈に聞いてきたけど、今度の満里奈はニコッとしてステラの方を向いた。
「ううん、この世界には実在しないよー」
「という事はー、イズモの国の物語に出てくる女の子だけの冒険者パーティとか、劇団の公演で出てくる、強くて可愛い子揃いの冒険者パーティとかなんですかねえ」
「えーと、それはねえー、えーと・・・」

 今度は満里奈の方が言葉に詰まった!

 ステラの解釈が想定外だった事が最大の理由だが、落ち着いて考えれば、この世界で『アイドルグループ』とか『女子高生』『テレビ』という言葉を使って、果たして理解できるのか甚だ疑問になってきたからだ。だいたい、テレビどころか電気そのものが無い異世界では、価値観や常識が違い過ぎる!

 みんなの視線が満里奈に集まる!しかも敦盛は満里奈を見てニヤニヤしている。

 満里奈は完全にヤケクソだ!

「そう!それよ!!、強くて可愛い子揃いの冒険者パーティ!!!」
「「「「「「「「「わおーーー!」」」」」」」」」

 ステラだけでなくエミーナたちからも歓声があがった!

 満里奈は内心では「カワイコちゃんクラブを公認しちゃった・・・」とボヤいたけど、全員がキャーキャー騒いでいる状態で「冗談でした」とも言えない。腹の虫が収まらないから、満里奈は敦盛の足に思いっきり『ボカッ!』と蹴りを入れたのは言うまでもなかった。
「・・・サンキュー!」
 敦盛は右足を右手でスリスリしながら左手を顔の前に持ってきたけど、結構本気の蹴りで相当痛い。けど、形の上ではだ!本当は堕天使リーザではないが『オーホッホッホッホッー!』と高笑いしたい気分だ!

「はーー・・・『サンキュー』じゃあないわよ!」
 満里奈は少々お怒りモードで、腹の虫は完全に収まってない。
「・・・ついでに、ウチからお兄ちゃんに聞いてもいい?」
 満里奈は相当冷たい目で敦盛を見てるけど、敦盛はニヤニヤ顔だ。何を言われようが、相当ハチャメチャな事を言わない限り、いくらでも誤魔化せるのだから。

「まさかとは思うけど、などと言わないでしょうね!」
「「「「「「「「「「 カイインバンゴウ? 」」」」」」」」」

 満里奈は敦盛にドスのきいたツッコミを入れたつもりだったが、何故か敦盛ではなく女の子の方が一斉に反応した!
 満里奈は「ヤバイ!」と内心では思ったが、
 敦盛はさっき以上のニヤニヤ顔をして満里奈を見ているし、残り9人の女の子も全員、満里奈に注目している!

「えーとー、それはねー、えーとー・・・」

 満里奈はまたしても返答に困った。本家の『にゃんこクラブ』は、たしか登録順に会員番号を付けられていて、既に36番まで行ってるけど卒業して欠番になっている番号もある。「会員番号」という言葉を言うだけならともかく、『にゃんこクラブ』における「会員番号」を説明するとなると、相当骨が折れる!
 満里奈のアセアセを見てニヤニヤしてた敦盛だけど、あまり揶揄うと後が怖い。
 だから敦盛は「俺が説明してやるよ」と言ったから、全員の視線が敦盛に集中した!

「そんなの、ファンが勝手に作った、リーダーにメンバーが会った順につけて行ったストーリー上の通し番号だ」
「「「「「「「「「 へえええええええーーーーーーーーーっ 」」」」」」」」」

 敦盛はクールな目でそう言いながら、左手に持ったジンジャエールをグイッと飲み干すと、それをエポの方にグラスを突き出しながら「お替り頂戴!」と言って、顔だけは満里奈に向けて「そうだろ?」と言った。
 満里奈は開いた口が塞がらなかった。しかも敦盛の表情は明らかに揶揄っているが見え見えだ。本家の『にゃんこクラブ』は加入順に番号を付けていったのだから、敦盛の説明はデタラメもいいところだけど、それを「間違っている」と言ったところで証拠が無いのだ!
 しかも、他の9人がキャーキャー言いながら「わたしが先だ」「いいえ、わたしです」などと言い合ってる!
 アルコールが入ってる事務局3人のうち、当日カウンターにいたステラはともかく、デスクにいたキャミとミニカは酒の勢いに任せて殆ど喧嘩腰で争っているし、魔法工房で敦盛を召喚(?)したエミーナとルシーダは、どっちが先に敦盛に会ったのかで本気で口論しているくらいだから、もう修正が効かないのは満里奈の目から見ても明らかだ!

 満里奈は「はーー・・・」とため息をつくしかなかった・・・

「・・・という事は、マリナさんが1番で間違いないですよね!」
「へっ?」

 ココアが興奮気味に満里奈に言ってきたから、満里奈は思わず間抜けな返事をしてしまった。でも、考えてみれば、敦盛が言った通りに『会員番号』を付けるなら、満里奈が『会員番号1番』になるのは間違いない!ある意味、この世界に一番遅く来た(?)にも関わらず、1番の番号を貰えるのは感動モノ以外の何物でもない!
 満里奈は感激のあまり、立ち上がった!

「そ、そうよ!ウチが栄誉ある『会員番号1番』阿佐満里奈!!明日から『ニャンニャンクラブ』の正式メンバーになりまーす!!!』

 満里奈が歓喜の表情で叫ぶと、他の10人から一斉に「ウォーーー!」という歓声と共に拍手が沸き上がった。
 結局、争っていたエミーナとルシーダ、それとキャミとミニカは、敦盛がボソッと「同じだったらジャンケンだぞー」と言ったからジャンケンで決めた。
 ただし、「ジャンケン」の意味が分かってなかったから、敦盛と満里奈が実演しながら説明して決めた。

「会員番号2番エミーナ、『ニャンニャンクラブ』正式メンバーの魔術師でーす!」
「会員番号3番ルシーダ、『ニャンニャンクラブ』正式メンバーの神官でーす!」
「会員番号4番エポ、『ニャンニャンクラブ』補佐メンバー、というか後方支援担当でーす!」
「会員番号5番シエナ、『ニャンニャンクラブ』補佐メンバー、というかニャンニャンクラブの応援隊長でーす!」
「会員番号6番ステラ、『ニャンニャンクラブ』補佐メンバー、事務局受付担当の新人でーす!」
「会員番号7番キャミ、『ニャンニャンクラブ補佐メンバー、事務局の総務係でーす!」
「会員番号8番ミニカ、『ニャンニャンクラブ』補佐メンバー、事務局の庶務係でーす!」
「会員番号9番アキュラ、『ニャンニャンクラブ』補佐メンバー、正規審判員1級でーす!」
「会員番号10番ココア、『ニャンニャンクラブ』正式メンバーの盗賊シーフでーす!」
「会員番号11番シルフィ、『ニャンニャンクラブ』正式メンバー、精霊使い兼弓手アーチャーでーす!」

 結局・・・結構遅い時間までエポも混じってワーワーやっていたし、一番ニコニコ顔だったのは敦盛なのは間違いなかった。
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