雑文エッセイ

越川千太郎

文字の大きさ
2 / 26

2、眠り

しおりを挟む
春になると、なぜねむいのか。 春は温度も湿度も睡眠に快適な季節で「よく眠れるからねむいのだ」という説と、春は季節の変わり目で身体に変調を起こしやすく「だから、だるくて、ねむいのさ」という説とがある。
多分、両説とも当たってるかもしれない。とにかく、ねむい。睡眠とは一種の脳の栄養補給作業で補給が不十分だと、ねむくなる」という説もあった。なるほど、ぐっすり眠ったあとは、さわやかで、若がえり、新しい勇気もわいて、いかにも補給十分といった実感がある。
ところが、この栄養補給説に反論して「一体、ひとは起きて働くために眠るのだろうか」と疑った人がいる。むしろ話はあべこべで「ひとは、よりよく眠るために懸命に働くのではないか。眠りこそ人間本来の自然の状態だ」と考えるのである。 ねむたがり屋なら賛成するに違いない。
一日の睡眠時間が六時間以下の人は、普通、働きもので野望家で社交上手で、決断力があり、政治的には保守的な型が多いそうだ。反対に一日九時間以上の睡眠が必要な人は批判的、懐疑的で、自信に欠けるが、創造的な仕事師は、この型の中から現れるとか。米国での最近の調査結果である。
年齢とともに、ひとは眠りの恵みから見放されていくらしい。 赤ちゃんは一日十八時間眠る。
おっぱいを吸う時以外は眠っていて眠りながら口で乳を吸うまねをしたりする。 それが二十歳で八時間前後に落ち着く。 不眠症で病院を訪れるのは、男女とも四十歳代が最高だという。
「いいのさ。ぼくたちは、お先に、永遠にさめない眠りの清めにあずかれるんだから」と、初老の友人が笑っていうのを聞いたことがある。 強がりかもしれないけれど、それも悪くない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...