1 / 1
降り積もる雪とともに思い出は【声劇台本】【二人用】
しおりを挟む・ストーリー
死んだことを誰にも知られず雪に埋もれてしまった少年と、死に場所を探して雪山に入る少女。
ある木の下で二人は出会った。
少年は、忘れていた思い出が心に降り積もる。少女は、忘れたい思いが心に降り積もる。
二人は、入れ替わることを決めた。
二人が出会い、そして最後に交わした約束…
少女は、ここで自分が消えたことを忘れないでほしいと少年に言った。
少年は、自分がここにいることを忘れて少年として生きてほしいと少女に言った。
・登場人物
□少年
▲少女
ーーーー
□
僕は雪が静寂を作り出す閉ざされた世界にいた。
▲
私は誰にも見つからない場所を探していた。
□
「ねぇ、君はなんでここにいるの?」
▲
「私は、私がいらないの。だから捨てに来たの」
□
白が全てを覆うこの場所で、僕らは出会った。
▲
「あなたはなんでこんな所にいるの?」
□
「僕はここから動けないから」
▲
「この降り積もる雪に、私も、私の思い出も記憶も全て、埋もれてしまえばいいのに」
□
「忘れなきゃいけないと思うほど、忘れていた思い出が一つ一つ、雪のように降り積もってくる」
▲
私はここで消えたい
□
僕はここにいることを伝えたい
▲
「二度と、あんな場所…帰りたくなんかない!」
□
「帰りたい…僕はここにいるよって伝えたい人がいるんだ」
▲
命を消したい少女と、消えた命を伝えたい少年。
□
それぞれの望みを叶えるために、最後に二人が交わした約束とは…
(二人同時に)
▲
「忘れていいよ…」
□
「忘れないで…」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる