真実の愛は体を売って手に入れる所存

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約束を果たす

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 風の音すら聴こえない静かな夜。

 月はほぼ真ん丸で、ロウソクを消しても部屋の中がはっきり見える。

 俺は体を隅々まで洗い、その時を待った。


 そもそも俺の部屋で待ってていいのか?

 あまりにも遅いようなら、俺が出向くべきか?

 男性服にしたが、こういう時はネグリジェがいいのか?

 でも今の俺は男娼じゃないしな……。

 悶々とする中、扉がノックされた。


 まず深呼吸した。

 こんな夜更けに訪れるのは1人しかいない。

 俺は扉をゆっくり開けた。


 ラフな格好のハンスがいた。

 前に一度俺の部屋に来た時は、騎士団長として堅苦しい身なりをしていた。

 湖畔で会っていた時もそうだった。

 今夜はただ話をするために来たんじゃないってことだ。


「入っていいか?」

「うん、どうぞ」

 数時間前に会っていたとは思えないほどの、よそよそしい返事をしてしまった。


 ハンスは扉を閉めると、俺を抱き締めた。

 俺も腕を回し、体を預ける。

 普段ならリラックスする行為も、今は効果がない。

 緊張が伝わらないように、早々と体を離した。


「いいか?」

 何を?

 なんて聞けば、ハンスのことだ、懇切丁寧に教えてくれるんだろう。

「うん」

 言うことをきかず跳ね上がった心臓では、これが精一杯だった。


 ハンスは服を脱ぎ、上半身裸になった。

 何度か見たことがあるが、以前より傷が増えていた。


「それ……」

「ああ、牢に入れられている時にな」

 ハンスは再び俺を抱き締め、キスをした。


 段階を踏まない、最初から互いを貪るようなキス。

 ハンスの舌が入ってくるたびに、俺を抱き締める力が強くなる。

「ハァ、……ハッ」

 緊張と体の自由が利かなくなったせいで、俺の息遣いが荒くなる。


 息をするのがやっとで、頭が真っ白になる。

 それでもハンスはキスを止めず、そのままベッドへなだれ込んだ。


 ハンスの唇が離れ、ようやくフーっと深く息を吐くことができた。

 胸元を大きく上下させて必死に呼吸する俺の頬や首筋を、チュッ、チュッとハンスの唇がついばむ。

 乱れた服の隙間から、ハンスの手が入ってきた。

 脇腹を掴まれた瞬間、俺の体はビクンっと跳ねた。


 それが無性に恥ずかしく、ムードなどお構いなしにこの状況から逃げ出したくて、俺は急に口数が多くなった。

「なっ、なあ、ちょっとまったり話しでもしないか? そっ、それにしてもハンスは良い体してるなあ! 牢の中でも鍛えたりとかし――、んッ……!」

 俺の言葉はキスで遮られた。


 キスをし終えたハンスは、瞳に熱情を灯して俺を見下ろす。

「喋るな。……俺だって緊張している」

「あっ…」

 グイと服を上にずらされ、俺の火照った上半身が月夜に照らされる。


 ハンスは焦らすように胸に口付けし、その度に俺の体がピクつく。

 舌がれろっと先端を濡らした。

「あンッ……!」

 俺の発達した乳首は、すぐに硬く尖り、体はいやらしく蠢く。


「俺、女みたいな声……。乳首も女みたいにおっきいし……」

「こっちの方が舐めやすい」

 そう言ったにも関わらず、ハンスは乳首を舐めるのを止め、意地悪く甘噛みした。

「ふッ…ぅン……」

 ビリビリとした快感が俺の知能を低下させる。


 舐めたり噛んだりして弄ぶハンスの頭を撫で

「赤ちゃんみたいだな」

 と笑うと、ジュルッと音を立てて吸われる。

「んッ」

 不規則に強弱を付けて吸われたり、もう一方の乳首を爪でカリッと弾かれると、抑えている声が出てしまう。


 俺の乳首がねっとりと唾液まみれになり、ようやく満足したハンスは、次に俺のズボンに手をかけた。

 俺が体を浮かすと、スルスルとズボンが脱がされていく。

 そうして露わになった下半身は半勃ちしており、羞恥心がくすぐられた。


 ハンスが先端をトントンと弄ると、その振動はすぐに快感へと変わった。

 俺の体が既に出来上がっていることはハンスにも伝わっているはずだ。

 だが、ハンスは愛撫を止めようとしない。


 完全に勃起したソレに、たらーっと唾液をまとわせると、先端を舌先でグリグリし始めた。

「んんッ……」

 俺はシーツを掴んで必死に我慢するも、腰は浮き、先端からはいくらか先走ってしまっている。

 ハンスはそのいやらしい汁と自らの唾液を混ぜ合わせるように、全体を口に含み上下に動かした。

 ジュポジュポと湿った音で、より一層快感が強くなる。


「ハンッ……ス……。も……うっ、イキそ……う、だか……らっ……」

 ハンスの頭をグイと押し懇願した。

 俺ばかり気持ち良くなるのは申し訳ない。

 お返しをしようと体を起こそうと試みるも、下半身に力が入らない。


 俺はハンスが自分でズボンを脱ぐのを見るしかできなかった。

 ハンスのソレは、俺が刺激する必要のないほど、そそり立っている。

 ゴクリと息を呑み、俺は雄の匂いが放たれた方へと四つん這いになって向かった。


 ハンスは四つん這いになった俺とベッドの間に入り込むと、ちょうど俺の口元にハンスのソレが来るように仰向けになった。

「ハァ……ハァ……」

 一気に口に含むには大きすぎるソレに、丁寧にキスをした。

 刺激を与えると、先端から俺と同じモノが溢れ、ハンスもこの快感に耐えているのだと安心した。


 顎が外れそうなくらい、大きく口を開ける。

 敏感な部分を傷つけないよう、舌をねっとりと沿わせ、はち切れんばかりのソレを圧迫する。

 唾液がじゅるりと分泌したところで、上下に動かした。


 俺が一生懸命に奉仕する中、ハンスの指が穴に触れた。

「……!?」

 ハンスのソレを咥えたまま、下半身を前に逃がす。

 しかしハンスは腰をがっちりと掴み、俺は前にも後ろにも進めなくなった。


 その間も唾液はてらてらと零れ落ち、ピストン運動をスムーズにしていく。

 ハンスの湿った指が1本入ってきた。

「あっ」

 俺は何の抵抗もなく受け入れ、もう1本追加される。


「痛くないか?」

 俺よりがっちりして長い指が2本も入っているのだ。

 侵入を許した俺の体内は、ハンスの指に絡みつき、もっと太くて大きいモノを欲した。

 指を動かされるだけでは、この腹の奥から湧き出る欲を満たせない――。



「ハァ……ハァ……もう、挿れてよ」

 股の間から見えるハンスは、口を薄く開いており、とても艶めかしい。



 再びベッドに仰向けになり、ハンスが俺を見下ろす。

「挿れるぞ」

「うん」

 ハンスの立派なソレが、俺の小さな穴にピトッとあてがわれた。



 俺のナカが少しずつ押し広げられていく。

「ふ……ぅ」

 息を吐き力を抜こうとするのと対照的に、俺のナカはハンスのソレをきつく締め上げる。


「クッ」

 ハンスの息遣いが荒くなり、逞しくイキリ勃っていたソレが、また大きく硬くなったのを感じる。


「動いていいか?」

 俺は吐息とゆっくりとした瞬きで返事をした。


 ハンスがゆっくりと腰を動かす。

 ズンズンと奥まで挿入され、

「ぁあ、んッ! はぁあん」

 と俺の嬌声が止まらない。

 太く長いソレは、俺の最も気持ち良い場所を突くのに十分な規格をしている。



 腰の動きが一定のリズムを刻み始め、俺はそれに呼応するように全身をくねらせる。

「ハンス……、ハンス……」

 最初の減らず口はどこへ行ったのだろう。

 俺は押し寄せる快感の波の中で、うわ言のようにハンスの名前を呼ぶ。


 だらしなく口から垂れるヨダレすら、今はどうでも良い。

 俺の全てをハンスに見て欲しい。

 俺しか見たことのないハンスをもっと見たい。


「純、愛してる! 俺はお前とずっとこうしたかった……!」

 ハンスはさらに強く腰を打ち付け、俺の前立腺が何度も刺激される。

 ピストン運動は次第に早くなり、雄としての本能をぶつけられている。

「ンああッ! もう、やめっ、イッ、イクッ! ハッン、ス……ああッ!!」


 全員をビリビリとした快感が走り抜け、俺は溜め込んでいたモノを全て噴出した。

 同時に俺のナカはこれ以上ないほどハンスのソレを締め上げ、雄の液体全てを搾り取った。


 腹部には自分の精液が飛び散っている。

 放心状態の中、俺のナカでは、先ほどまで俺を散々侵略していたソレがビクンビクンと動いている。

 ねっとりとした温かさを感じる。

 ハンスが呼吸を整えながら抜くと、主人を見失いヒクついた穴からドロリと精液が垂れた。


「すまない。外に出すつもりだったのだが」

 申し訳なさそうに全身にキスを落としていくハンス。

「いいよ。俺こそ、ハンスにちょっとかけちゃってごめんな?」

 
 俺たちは色んな体液でグチョグチョになった体を洗うまで、何度も繋がった。

 何度も互いの名前を呼び、愛を囁いた。

 青白い月の光に照らされる俺たち。

 本能が赴くまま互いを求め合う俺たちの色は、燃え上がる赤――。
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