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王太子編
5.義兄はやっぱり頼りない(アンナリーナ)
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「キャー」
階下からパルミラの悲鳴が響いてくる。
何があったのかと心配していたら、二階へ上がってくる足音が聞こえてきた。
私はだるい体を起こし、のろのろとベッドから降りて暖炉の横に置いてある火かき棒を握りしめた。
緊張して待っていると、部屋のドアがちいさくノックされた。
「アンナリーナ、ベルトルドだ。体の具合はどうだ?」
えっ? ベルトルド?
今はまだ夕方にもなっていない。ガーデンパーティの護衛を務める予定なので夜まで帰ってこないはずなのに、義兄が今の時間に家にいるのはおかしい。本当に義兄ならば何かあったのに違いない。
「兄様、私は起きていますから入ってきてください」
声は義兄に間違いないと思う。それでも、万が一に備えて火かき棒を両手剣のように構えて持っていた。まだ咳は出るし喉は痛いけれど、熱は下がったので暴漢撃退くらいできると信じたい。
ゆっくりとドアが開く。
そこに立っているのは、ズボンを血だらけにした義兄だった。上着は着替えたらしく血は付着していないけれど、髪や顔にも血が飛び散っている。
「兄様! 何があったのですか!」
火かき棒を放り出して、私は義兄に近寄ろうとした。
「アンナリーナ、起きていては駄目だ。風邪が悪化したらどうする? 俺は大丈夫だから。とにかく落ち着いてくれ。君のことが心配で上着だけ着替えて飛んできたので、却って心配させてしまったな。本当に済まない」
義兄は私を心配させたことは謝罪したが、血が飛び散っている訳を話していない。心配するなと言うのならば、謝るよりそこをちゃんと説明して欲しい。
「なぜそんなに血がついているの?」
やはり立っていると辛いので、私はベッドに身を横たえてから、義兄を問い詰めることにした。
「詳しいことは言えないけれど、ちょっと怪我をしてしまって、ライザ様に治療をしていただいたんだ」
「ちょっとの怪我には見えないけれど」
義兄のちょっとの怪我とは、血が大量に出るらしい。
「まぁ、それなりの怪我だったかもしれないが、ライザ様に治していただいたので、今は完治しているから心配はいらない」
「それで家に帰れと言われたの?」
「まぁ、そんなところだ。今日は帰っていいと副団長に言われた」
そう言って義兄は頭をかいている。義兄は騎士なのだけど、何だか頼りない。これではそのうち騎士団を辞めさせられてしまうのではないだろうか?
早く私もお給料を貰えるように頑張らなければ、生活に行き詰ってしまうかもしれない。
今はそんなことを考えている場合ではなかった。
聖魔法では失われた血液や体力を補うことはできない。傷は塞がっても、出血がひどい場合は栄養のあるものを食べて休養しなければならないと、前に義兄が酷い怪我をした時、宮廷医師団の女性医師に言われたことを思い出した。
「パルミラに栄養のある夕食を作ってもらうように頼みましょう。その前にちゃんとお風呂に入って血を洗い流してね」
「あ、はい。畏まりました。私は只今から夕飯を作ります。父に風呂の用意をするように伝えますので、もうしばらくお待ち下さい」
血だらけの義兄に驚いて悲鳴を上げてしまったパルミラが、心配して私の部屋の前にやってきていた。彼女は慌てて下に降りていく。
「パルミラを驚かせてしまったな。申し訳なかった」
「私も随分と驚いたわよ」
私は義兄を睨んでやった。
「アンナリーナ、本当にごめん」
「怒っているわけではないのよ。怪我をしないように気をつけて欲しいだけ」
家族の血だらけの姿なんて、絶対に見たくないからね。心臓に悪すぎる。
「わかった。これからは気をつけるよ」
「それにしても、ライザ様がいてくださって本当に良かったわよね。ライザ様はガーデンパーティに参加されていたの?」
何をしてこれほどの怪我をしたのか義兄は語らなかったが、酷い怪我であったことに変わりはないと思う。ライザ様だからこそ、そんな怪我を治すことができたに違いない。
「そうなんだ。詳しくは言えないけど、ライザ様は本当に素晴らしい方だった。自らを犠牲にするほどの勇気も、国を思う御心も、そして、俺のような男を治療してくださる優しさも、本当に彼女は聖女の名に相応しいお方だ」
義兄のライザ様を絶賛するという症状が更に進んだような気がする。不用意にライザ様の名を出してはいけなかった。これから気をつけよう。
「本当にライザ様は素晴らしいお方で、ライザ様に剣を捧げることができるのならば、この命など惜しくはない」
熱に浮かされたようにライザ様のことを語っていた義兄は、とんでもないことを口走る。
「ちょっと待って。兄様。命は大切にしてもらわなければ困るわよ」
そう言うと、義兄は寂しそうに笑った。
「心配しなくても、あのような素晴らしいお方が、俺などを専属の騎士に指名するはずはない」
「問題はそこではないわ。医師であるライザ様だって、命を軽んじるような人は嫌いなはずよ」
だって、義兄はいつも言っている。命を救うためにライザ様は平民でも分け隔てなく、酷い怪我や火傷の箇所に手を当てて治療すると。
想像するだけでも、とても辛いことだと私にだってわかる。それでもライザ様は命を救うために逃げ出したりしない。懸命に戦っているのだ。そんなライザ様が命を軽んじるようなことを許すはずがない。
「ライザ様に嫌われる……」
立ちくらみでもしたように、義兄は片膝をついて頭を抱えている。
「ライザ様に救っていただいた命を、粗末に扱うような人がいれば、兄様はどう思うの?」
「それは絶対に許せないな。俺は二回もライザ様に命を救っていただいた。俺の命にはライザ様の崇高な想いが込められているのか」
「だから、命なんかいらないなどと口にすれば、ライザ様に嫌われてしまうからね。気をつけて」
「アンナリーナ、ありがとう。でも、俺なんかがライザ様の専属騎士になることなんて、絶対にあり得ないから、そんな心配はいらないけどな」
そう言った義兄は、自分の言葉に傷ついたのか更に落ち込んでいた。その姿はちょっと情けない。
やはり早くお給料を貰えるようにならなければ。義兄は騎士として頼りなさすぎる。あんな風ではいつ首を切られるかわからない。
私が無事に正職員のなることができれば、贅沢は無理かもしれないけれど、四人が生きていけるくらいの生活費は稼げるだろう。
とにかく早く風邪を治して、副所長に元気な姿を見せたいと思っていた。
階下からパルミラの悲鳴が響いてくる。
何があったのかと心配していたら、二階へ上がってくる足音が聞こえてきた。
私はだるい体を起こし、のろのろとベッドから降りて暖炉の横に置いてある火かき棒を握りしめた。
緊張して待っていると、部屋のドアがちいさくノックされた。
「アンナリーナ、ベルトルドだ。体の具合はどうだ?」
えっ? ベルトルド?
今はまだ夕方にもなっていない。ガーデンパーティの護衛を務める予定なので夜まで帰ってこないはずなのに、義兄が今の時間に家にいるのはおかしい。本当に義兄ならば何かあったのに違いない。
「兄様、私は起きていますから入ってきてください」
声は義兄に間違いないと思う。それでも、万が一に備えて火かき棒を両手剣のように構えて持っていた。まだ咳は出るし喉は痛いけれど、熱は下がったので暴漢撃退くらいできると信じたい。
ゆっくりとドアが開く。
そこに立っているのは、ズボンを血だらけにした義兄だった。上着は着替えたらしく血は付着していないけれど、髪や顔にも血が飛び散っている。
「兄様! 何があったのですか!」
火かき棒を放り出して、私は義兄に近寄ろうとした。
「アンナリーナ、起きていては駄目だ。風邪が悪化したらどうする? 俺は大丈夫だから。とにかく落ち着いてくれ。君のことが心配で上着だけ着替えて飛んできたので、却って心配させてしまったな。本当に済まない」
義兄は私を心配させたことは謝罪したが、血が飛び散っている訳を話していない。心配するなと言うのならば、謝るよりそこをちゃんと説明して欲しい。
「なぜそんなに血がついているの?」
やはり立っていると辛いので、私はベッドに身を横たえてから、義兄を問い詰めることにした。
「詳しいことは言えないけれど、ちょっと怪我をしてしまって、ライザ様に治療をしていただいたんだ」
「ちょっとの怪我には見えないけれど」
義兄のちょっとの怪我とは、血が大量に出るらしい。
「まぁ、それなりの怪我だったかもしれないが、ライザ様に治していただいたので、今は完治しているから心配はいらない」
「それで家に帰れと言われたの?」
「まぁ、そんなところだ。今日は帰っていいと副団長に言われた」
そう言って義兄は頭をかいている。義兄は騎士なのだけど、何だか頼りない。これではそのうち騎士団を辞めさせられてしまうのではないだろうか?
早く私もお給料を貰えるように頑張らなければ、生活に行き詰ってしまうかもしれない。
今はそんなことを考えている場合ではなかった。
聖魔法では失われた血液や体力を補うことはできない。傷は塞がっても、出血がひどい場合は栄養のあるものを食べて休養しなければならないと、前に義兄が酷い怪我をした時、宮廷医師団の女性医師に言われたことを思い出した。
「パルミラに栄養のある夕食を作ってもらうように頼みましょう。その前にちゃんとお風呂に入って血を洗い流してね」
「あ、はい。畏まりました。私は只今から夕飯を作ります。父に風呂の用意をするように伝えますので、もうしばらくお待ち下さい」
血だらけの義兄に驚いて悲鳴を上げてしまったパルミラが、心配して私の部屋の前にやってきていた。彼女は慌てて下に降りていく。
「パルミラを驚かせてしまったな。申し訳なかった」
「私も随分と驚いたわよ」
私は義兄を睨んでやった。
「アンナリーナ、本当にごめん」
「怒っているわけではないのよ。怪我をしないように気をつけて欲しいだけ」
家族の血だらけの姿なんて、絶対に見たくないからね。心臓に悪すぎる。
「わかった。これからは気をつけるよ」
「それにしても、ライザ様がいてくださって本当に良かったわよね。ライザ様はガーデンパーティに参加されていたの?」
何をしてこれほどの怪我をしたのか義兄は語らなかったが、酷い怪我であったことに変わりはないと思う。ライザ様だからこそ、そんな怪我を治すことができたに違いない。
「そうなんだ。詳しくは言えないけど、ライザ様は本当に素晴らしい方だった。自らを犠牲にするほどの勇気も、国を思う御心も、そして、俺のような男を治療してくださる優しさも、本当に彼女は聖女の名に相応しいお方だ」
義兄のライザ様を絶賛するという症状が更に進んだような気がする。不用意にライザ様の名を出してはいけなかった。これから気をつけよう。
「本当にライザ様は素晴らしいお方で、ライザ様に剣を捧げることができるのならば、この命など惜しくはない」
熱に浮かされたようにライザ様のことを語っていた義兄は、とんでもないことを口走る。
「ちょっと待って。兄様。命は大切にしてもらわなければ困るわよ」
そう言うと、義兄は寂しそうに笑った。
「心配しなくても、あのような素晴らしいお方が、俺などを専属の騎士に指名するはずはない」
「問題はそこではないわ。医師であるライザ様だって、命を軽んじるような人は嫌いなはずよ」
だって、義兄はいつも言っている。命を救うためにライザ様は平民でも分け隔てなく、酷い怪我や火傷の箇所に手を当てて治療すると。
想像するだけでも、とても辛いことだと私にだってわかる。それでもライザ様は命を救うために逃げ出したりしない。懸命に戦っているのだ。そんなライザ様が命を軽んじるようなことを許すはずがない。
「ライザ様に嫌われる……」
立ちくらみでもしたように、義兄は片膝をついて頭を抱えている。
「ライザ様に救っていただいた命を、粗末に扱うような人がいれば、兄様はどう思うの?」
「それは絶対に許せないな。俺は二回もライザ様に命を救っていただいた。俺の命にはライザ様の崇高な想いが込められているのか」
「だから、命なんかいらないなどと口にすれば、ライザ様に嫌われてしまうからね。気をつけて」
「アンナリーナ、ありがとう。でも、俺なんかがライザ様の専属騎士になることなんて、絶対にあり得ないから、そんな心配はいらないけどな」
そう言った義兄は、自分の言葉に傷ついたのか更に落ち込んでいた。その姿はちょっと情けない。
やはり早くお給料を貰えるようにならなければ。義兄は騎士として頼りなさすぎる。あんな風ではいつ首を切られるかわからない。
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とにかく早く風邪を治して、副所長に元気な姿を見せたいと思っていた。
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