1 / 1
チーレム主人公なんて側から見ればロクでもないピーーー
しおりを挟むそれはそれは昔
世界に突如現れた〈魔王〉は魔物を操り種族関係なく国々へと放った。
その災害のような被害は留まるところを知らず、人々は疲弊し、希望を失っていった。
そんな中、残った5つの国の王は話し合い、最後の希望としてそれぞれ国で1番の戦力をひっそりと魔王の元へ送り出した。
ヒトの王国より、加護の勇者
ヒトの帝国より、救恤の聖女
エルフの王国より、万智の賢者
ケモノビトの国より、羨望の盗賊
より、黒鎚の騎士
彼らが後に魔王討伐者として始祖の5大英雄と呼ばれる事になり、世界は平和を取り戻した。
ーーそれから世界は繰り返していた。
魔王と、英雄の殺し合いを。
~~~~~~
はて、英雄がソトからの人間になったのはいつからだっただろう。
果ての見えない白い空間で、その人は首を傾げた
加護は与えている。最初のときからずっと、ずっと。
だが、それなら、なぜ〈勇者〉をソトの者がやっているのだろう。
…まぁ、どうでもいい。きっと今回も予定通り終わるだろう。
あぁでも、今回来た中に、珍しい能力を持った奴がいたな。異例とか面倒だからやめてほしい。まぁ何とかなる、寝よう。
次に喚ばれて目が覚めたとき、激しい後悔に襲われた。
「困ったもんだよあの脳筋野郎」
「ほんとですよ!!…てことで助けてください!!!運命神さま!」
そう言ってやたらキラキラ、ゴチャゴチャした服を着た馬鹿が平伏したのをみて、深く溜息を吐いた
「自分でなんとかしろ」
「それが出来ないのわかってるでしょう!?あんた神様だろ!」
「そういうお前は王様な」
ぴっと指を指すとぐっと言葉に詰まったのは
カザサール現国王
リバネヴァール・レオン・カザサール
こいつには、こんなでも割とかなり同情している。
ーーそれというのも
庭の方で気配が動いたのを感じて目線を移せば、豊かな金髪の少女が木陰からそっと城の裏門の様子を伺っていた。
それを見ていつの間にか隣に来ていたネヴァが歯ぎしりをしている
また深い溜息を吐き、裏門にいる衛兵を窓越しに指差す
『王女のお通りだ、いつものように』
チラリとこちらを見た衛兵は、突然裏門から散らばり離れていったように見せかけて、少女から見えない位置で待機している。
何も知らない少女はスキップでもしそうな勢いで門を出ていき、その後を衛兵とは服装の違う、少女専門の護衛が付いていった。
「どりじぁあぁああぁぁ…」
「またヤツに会いに?…どうやって始末しよう」
そして愛娘である少女を凝視する国王と、妹に近づく〝彼〟の始末計画を立て始めるストーk、ごほっごほっ、第二王子。この親にしてこの子だとつくづく思う。
ここにはいないが第一王子もトリシア姫の監視をさせている部下に報告を受け、部屋の窓から見送っていたことだろう。
やはり親子。そして国王働け。
「…どうするんだ、あの乙女は?」
「いつもの会議を開きましょう。
僕、ヤツを殺、始末、処ぶ、…妹から引き離す計画を立てて来ましたから、その役割分担を。
運命神様もお手伝いくださいね、じゃないとあの化け物的生命力、ヤツを始ま、処分、殺、…ぶっ殺すことができませんから」
おい王子。やめろ。爽やかな笑顔と敬語だけど目が死んでるし訂正しきれてないから。アウトだから。おい国王、よっしゃあやるぞ!じゃない、止めろ。
異世界からの客だから、ぶっ殺すと世界規模で軋轢起きるから!!
目を閉じて気配を探り、すぐ見つけた彼女は異世界から来た予想外のチート野郎とそれはもう楽しそうに話してやがった。
私が加護を与えて見守って来てやった
今代の〈聖女〉
トリシア・クラヴェル・カザサールは
チート主人公のハーレム要員に堕ちました。
ーーーーーーーー
これは「運命」もとい世界の大筋をねじ伏せまくるチート野郎と、聖女をとられた王家のドロドロサスペンスである。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
【完結】アル中の俺、転生して断酒したのに毒杯を賜る
堀 和三盆
ファンタジー
前世、俺はいわゆるアル中だった。色んな言い訳はあるが、ただ単に俺の心が弱かった。酒に逃げた。朝も昼も夜も酒を飲み、周囲や家族に迷惑をかけた。だから。転生した俺は決意した。今世では決して酒は飲まない、と。
それなのに、まさか無実の罪で毒杯を賜るなんて。
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる