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必殺★二刀流が、必ずしも正解じゃない(3)

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 モグ。
 クイナは笑顔で咀嚼する。

 モグモグ。
 その顔が少しずつ曇っていき。

 モクモグゴックン。
 口の中の全てを飲み込んだ後のクイナは、何とも微妙な顔をしている。

「どうだったよ? クイナちゃん」
「……お肉とプリンはあまり仲良しにはなれなさそうなの」

 おそらく吐き出すほどのマズさでは無かったのだろう。
 が、基本的にものを食べてる時には笑顔のクイナがこの顔でそう言うのだ。
 やはり美味しくはなかったらしい。


 そんな少女の感想に、酔っ払いどもは楽しげに、ガハガハ笑って乾杯する。
 さぞかし楽しい肴だろう。
 が、ちょっと子供相手にひどい。


 しかし人のことは言えない。
 俺も分かってて止められなかった口である。
 ヘチョォンと垂れ下がったモフ尻尾に、ちょっと良心が痛む。


 すると、おそらくそんな気持ちが顔に乗ってたんだろう。
 グイードにポンッと肩を叩かれた。

「子供っていうのはね、一度良さそうと思った事はやってみないと気が済まないから」

 そうやって失敗しながら成長していくものなんだよ。
 そう言った彼の顔は、まさしく『父親』のものだった。


 ――そう言えば、既に成人した子供が何人か居るって言ってたな。
 そんな風に思い出し、思わず感心してしまう。
 
「経験者が語ると言葉の重さが違いますね」

 思わずそんな感想を零すと、少し照れたような笑みが俺にフッと向けられた。
 

 
 ――二刀流。
 実にカッコいい響きだが、それが必ずしも良い事だとは限らない。
 
 そんな世界の真理と共に「美味しいものと美味しいものを掛け合わせても、必ずしも美味しくなるとは限らない」という現実も学び、クイナはまた一つ賢くなった。


 そして『好きな食べ物に対して、如何に好きを示すのか』という論争については、だ。

「食べ物の好きは一つに絞る必要はない」
「うんなの!」
「美味しく完食する事で、食材に敬意を示せばいいんだよ」
「それなら毎日やってるの!」

 という事で、どうにか納得させられたのだった。

~~Fin.


ーーー

最後までお読みいただき、ありがとうございました😊✨
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アルドのオカンぶり(本編ではちょっとカッコいいシーンもあり)と無邪気で元気なクイナが、お待ちしています。

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