3 / 3
第3話 結局怖がり過ぎるので
しおりを挟む
うずくまったまま小さく身じろぎをした彼女の周りで、少しの間考える。
そして一つ、思い付いた。
これならきっと彼女も「楽しい」と思ってくれる。
そんな希望を胸に抱き、彼はこう切り出した。
「君、お友達は欲しくない?」
「……お友達?」
よしよしわりと好感触だ。
これなら大丈夫だろう。
「僕と同じ下級妖精なら、この辺にもいっぱい居るよ。みんな君の友達になりたいんだ」
そう言いながら、周りで隠れてこっそり見てる他の下級妖精達にテレパスで呼びかける。
《おーい、みんな。出て来て良いよー!》
実は彼、「『聖女』との初契約」を勝ち取った際に、彼らのリーダー的な地位も一緒に獲得していた。
今までは彼女との話の邪魔にならない様に「出て来るなよ」と命じていたのだ。
だから、此処にいるのは実は出たがっていた妖精ばかりだ。
彼の言葉に喜んで出てこようとして――。
「光の玉が沢山出てくるなんて怖い……」
《はい撤収ー》
その号令に、皆シュンとして帰っていく。
そうかー、それも怖いのかー。
っていうか、もしかして。
「さっきからずっと顔を上げてくれないのは、僕の事が怖いから……?」
そんな風に尋ねると、彼女はコクリと頷いた。
「何がそんなに怖いのさ?」
「だって……火の玉みたいでなんか怖い」
それは例えば「得体の知れないものが怖い」とか、もしかしてそういう感じだろうか。
もしそうならば、どうにか出来るかもしれない。
「今は光の玉だけど、契約すれば人型になれるよ!僕」
それなら怖くないんじゃない?
期待の眼差しを向けつつそう言ってみる。
しかし。
「……光の玉が人型になるなんて……怖い」
「えぇー、それも怖いのー?」
プルプルと震えながら拒絶され、妖精はもうお手上げだった。
聖女が怖がり過ぎるので、伝説はまだ始まらない。
~~Fin.
そして一つ、思い付いた。
これならきっと彼女も「楽しい」と思ってくれる。
そんな希望を胸に抱き、彼はこう切り出した。
「君、お友達は欲しくない?」
「……お友達?」
よしよしわりと好感触だ。
これなら大丈夫だろう。
「僕と同じ下級妖精なら、この辺にもいっぱい居るよ。みんな君の友達になりたいんだ」
そう言いながら、周りで隠れてこっそり見てる他の下級妖精達にテレパスで呼びかける。
《おーい、みんな。出て来て良いよー!》
実は彼、「『聖女』との初契約」を勝ち取った際に、彼らのリーダー的な地位も一緒に獲得していた。
今までは彼女との話の邪魔にならない様に「出て来るなよ」と命じていたのだ。
だから、此処にいるのは実は出たがっていた妖精ばかりだ。
彼の言葉に喜んで出てこようとして――。
「光の玉が沢山出てくるなんて怖い……」
《はい撤収ー》
その号令に、皆シュンとして帰っていく。
そうかー、それも怖いのかー。
っていうか、もしかして。
「さっきからずっと顔を上げてくれないのは、僕の事が怖いから……?」
そんな風に尋ねると、彼女はコクリと頷いた。
「何がそんなに怖いのさ?」
「だって……火の玉みたいでなんか怖い」
それは例えば「得体の知れないものが怖い」とか、もしかしてそういう感じだろうか。
もしそうならば、どうにか出来るかもしれない。
「今は光の玉だけど、契約すれば人型になれるよ!僕」
それなら怖くないんじゃない?
期待の眼差しを向けつつそう言ってみる。
しかし。
「……光の玉が人型になるなんて……怖い」
「えぇー、それも怖いのー?」
プルプルと震えながら拒絶され、妖精はもうお手上げだった。
聖女が怖がり過ぎるので、伝説はまだ始まらない。
~~Fin.
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
召喚聖女の結論
こうやさい
ファンタジー
あたしは異世界に聖女として召喚された。
ある日、王子様の婚約者を見た途端――。
分かりづらい。説明しても理解される気がしない(おい)。
殿下が婚約破棄して結構なざまぁを受けてるのに描写かない。婚約破棄しなくても無事かどうかは謎だけど。
続きは冒頭の需要の少なさから判断して予約を取り消しました。今後投稿作業が出来ない時等用に待機させます。よって追加日時は未定です。詳しくは近況ボード(https://www.alphapolis.co.jp/diary/view/96929)で。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
URL of this novel:https://www.alphapolis.co.jp/novel/628331665/937590458
乙女ゲームのヒロインなんてやりませんよ?
喜楽直人
ファンタジー
一年前の春、高校の入学式が終わり、期待に胸を膨らませ教室に移動していたはずだった。皆と一緒に廊下を曲がったところで景色が一変したのだ。
真新しい制服に上履き。そしてポケットに入っていたハンカチとチリ紙。
それだけを持って、私、友木りんは月が二つある世界、このラノーラ王国にやってきてしまったのだった。
異世界召喚された巫女は異世界と引き換えに日本に帰還する
白雪の雫
ファンタジー
何となく思い付いた話なので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合展開です。
聖女として召喚された巫女にして退魔師なヒロインが、今回の召喚に関わった人間を除いた命を使って元の世界へと戻る話です。
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
悪役女王アウラの休日 ~処刑した女王が名君だったかもなんて、もう遅い~
オレンジ方解石
ファンタジー
恋人に裏切られ、嘘の噂を立てられ、契約も打ち切られた二十七歳の派遣社員、雨井桜子。
世界に絶望した彼女は、むかし読んだ少女漫画『聖なる乙女の祈りの伝説』の悪役女王アウラと魂が入れ替わる。
アウラは二年後に処刑されるキャラ。
桜子は処刑を回避して、今度こそ幸せになろうと奮闘するが、その時は迫りーーーー
聖女は魔女の濡れ衣を被せられ、魔女裁判に掛けられる。が、しかし──
naturalsoft
ファンタジー
聖女シオンはヒーリング聖王国に遥か昔から仕えて、聖女を輩出しているセイント伯爵家の当代の聖女である。
昔から政治には関与せず、国の結界を張り、周辺地域へ祈りの巡礼を日々行っていた。
そんな中、聖女を擁護するはずの教会から魔女裁判を宣告されたのだった。
そこには教会が腐敗し、邪魔になった聖女を退けて、教会の用意した従順な女を聖女にさせようと画策したのがきっかけだった。
【完結】平民聖女の愛と夢
ここ
ファンタジー
ソフィは小さな村で暮らしていた。特技は治癒魔法。ところが、村人のマークの命を救えなかったことにより、村全体から、無視されるようになった。食料もない、お金もない、ソフィは仕方なく旅立った。冒険の旅に。
だいたい全部、聖女のせい。
荒瀬ヤヒロ
恋愛
「どうして、こんなことに……」
異世界よりやってきた聖女と出会い、王太子は変わってしまった。
いや、王太子の側近の令息達まで、変わってしまったのだ。
すでに彼らには、婚約者である令嬢達の声も届かない。
これはとある王国に降り立った聖女との出会いで見る影もなく変わってしまった男達に苦しめられる少女達の、嘆きの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる