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同居人は、変な女。(ディーダ視点)

第22話 初めてもらった俺だけの(1)



 今着てる服は、たしかに今日ので所々破れたが、これでもまだまだ着られる部類だ。この状態で服の要求をすれば、間違いなく「甘えんな」と言われるだろう。

「そういえば、あの女『泥を落としたらちょっと外で待ってて』とか言ってたな。まだ昼間だし、服乾かさなきゃいけないから、まぁ言われなくても乾くまでは外に居るつもりだったけど」

 そうだったな。って事は、今すぐ苦言を呈される事はない。
 若干の猶予を手に入れて、地味に安心しながら住処の庭まで歩いて、置いてある太い丸太にドカッと座る。

 足を前に投げ出し、横に手をついた。
 空を見上げてなんとなく「空が青いなぁ」とか「鳥が鳴いているなぁ」とか、そんな事を考える。

 ノインも無言で同じように腰を掛けた。
 お互いに、無理に話すような事はしない。たとえ「服を乾かす」という目的が加わっても、結局いつもの暇つぶしとやること自体は変わりない。


 それから一体どれくらいの時間が流れたのだろう。

 まだ日が落ち始める前、服がまだわずかに生乾きの状態にである頃に、家の扉がガチャリと開き、中から見知った顔が覗いた。

「えーっと……あっ、二人ともちょっとこちらに来てくれませんか?」

 キョロキョロと辺りを見回した彼女が、俺達に気がついて手招きをしてくる。

 どうせ暇なのだ。呼ばれた理由に興味もそそられ、とりあえずその手に従ってみる気になった。
 寄っていってみると、あいつが何かを持っている事に気がついた。何だ、布?

「まだ仮縫いですから、あくまでも形だけですが」

 それぞれに手渡された布を試しに広げてみて驚いた。布は二枚。薄ベージュのと、赤いのと。
 隣を見れば、同じように布を広げたノインが居る。こっちのは、薄ベージュのと紺色だが、そんな事に驚いたわけじゃない。

「とりあえず服の体裁は保てていると思いますので、二人ともこちらに着替えてください。今着ているのはちゃんと洗って干しますから」

 思わず手元を凝視する。
 服、服だ。服の形をしている布だ。

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