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母という人
第3話 絶対そうに決まってる
しおりを挟む子供の頃からすでに母は口煩かった。
やれ、靴はちゃんと揃えなさい、お弁当や食器は流しに持っていったのか、靴下はちゃんと脱ぎなさい、お風呂には入ったの?
そんな事は誰だって言われたことがあるだろうが、私の母は世のお母さん達の中でも飛び抜けてしつこくねちっこい人だと思う。
そんな母が煩わしくて、私はそんな日々のお小言をよく聞き流していた。
しかし聞き流すだけでは母の口は塞げない。
だから中学生に上がる頃には流石の私も学習をして、渋々従うようになった。
結局母の口を塞ぐには言われた通りにするのが一番手っ取り早かったが、だからといって母への反発心がなくなる訳じゃない。
むしろそれは沸々と私の中で煮込まれていく。
「あー、腹立つわー……」
いつの間にか、それが自分の部屋に入った時の口癖になっていた。
しかし例えばこれをこのまま母にぶつけようものならば、きっととても面倒な事になる。
なんせ母は褒め言葉は幾らも出てこないくせにそういう言葉だけは常に幾つもストックを持っているのだ、間違いなく反論は何倍にも膨れ上がって私に襲いかかってくる。
絶対そうに決まっているのだ。
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