冷徹王太子の愛妾

月密

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二十五話(閲覧注意)

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 屋敷の外へと出ると、シーラは下調べをしていたのか迷う事なく裏へと周る。隙間など全く見当たらない高い塀に彼女は手を付きながら何かを探り出す。すると塀の一部が動きベルティーユは目を見張った。非常用なのか、人が一人通り抜けられそうな隙間が出来た。

「ベルティーユ様、先に行って下さい」
「え、でも……」
「いいから、早くしてよ! 時間ないの!」

 シーラはベルティーユよりも十㎝は背が高く、体格も割と確りしている。無論小柄なベルティーユは力では敵わない。強引に腕を掴まれると小さな隙間に押し込められてしまった。

「っ……」

 隙間は難なく通り抜けられたが、押されたので勢いよく地面に倒れ込んだ。困惑しながら後ろを振り返ると……シーラが苦戦していた。

「やだ、嘘⁉︎ お尻が引っ掛かって抜けない‼︎」
「……あの、お手伝いしましょうか」

 態度が豹変したシーラに唖然としながらも、見かねたベルティーユが恐る恐る声を掛ける。彼女が頷いたので、シーラから洋燈を受け取りそれを地面に置くと腕を掴み後ろに身体を傾けて体重を掛けた。すると次の瞬間スッポリと抜け、その弾みで二人は地面に転がった。
 そんな時だった。足音が近付いてくる事に気が付いた。ベルティーユは慌てて身体を起こそうとするが、既に視界に靴が見え息を呑む。

「ご苦労様、大変だったね」
「っーー」

 足音の主から声を掛けられた瞬間、全身が一気に粟立つ。身体が強張り微動だにする事が出来ない。息が上手く吸えなくなり苦しくなる。

「久しぶりだね、ベル。ずっと会いたかったよ」

 どうする事も出来ずに顔を伏せたままでいると、彼は蹲み込みベルティーユの頬に触れ何度も撫でてくる。

「君もご苦労様。お礼は後日するから、もう行っていいよ」
「いいえ、お礼はから頂くので結構です。それではベルティーユ様、さようなら」

 シーラが踵を返す音が聞こえ、足音が少しずつ遠ざかって行く。このまま彼と二人になんてなりたくない。

「……ねぇ、ベル。兄さんとはどうだった? 何回抱かれたの? 気持ち善かった? どんな風に喘いだの? おねだりしたりした? この愛らしい唇で兄さんにいっぱいご奉仕したんだよね? ほら、僕に教えてよ。兄さんの肉棒はどんな味だった?」

 彼は至極愉し気に話ながら、唇を親指の腹でなぞる。更に口をこじ開け歯の間に挿入しきた。彼は逆手でベルティーユの顔を強引に持ち上げると、更に親指だけでなく人差し指と中指を一緒に口内に突っ込み舌を掴み弄り回す。口を閉じる事が出来ず端から唾液が溢れ出し首筋を伝うのを感じた。

「あぁ、可愛いよ、ベル……こんなに唾液を垂らして、嫌らしい子だね」

 洋燈と木々の隙間から差し込む僅かな月明かりが彼の恍惚とした表情を照らし出す。くちゅくちゅと口内を指で掻き回す水音に混じり、彼の乱れた息遣いが聞こえて来た。

「はぁっ……流石に此処ではまずいよね。でも、我慢出来ないっ……早く、早くベルを堪能したくて堪らないんだっ、あれからずっと我慢してたんだよ? この柔らかな唇と舌で僕の肉棒を味合わせたい……んっ、あぁ美味しい」

 徐々に彼の興奮は高まり、ベルティーユの口から指を引き抜くとそれを自らの口に含んだ。ちゅぷっちゅぷっ……そんな音を立てながら夢中で舐る。
 暫くして指を引き抜くと、満足したのか落ち着いた様子に戻った。

「僕とした事が、我慢出来なくてつい味見しちゃったよ。愉しみは後でとって置こうと思ったのに……。まあいいや時間もないし、続きは後でね。さあベル帰ろうか。君の為に新居を用意したんだよ。そこで二人だけで暮らそう」

 肩に触れてから脇の下に手を差し入れ、そのままベルティーユの身体を抱き抱え様とする。
 ベルティーユは必死に身体を動かそうとしてみるが、やはり言う事を聞いてくれない。恐怖で声すら出ない……。

(いや、誰か……助け、て……)

「っーー」

 もう無理だと諦めた瞬間、彼は急にベルティーユから身体を放した。


 

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