いまさら「愛してる」と言われて信じるとでも?

水垣するめ

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6話

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(隠し通路、ジェシカは庭園を通っていたから、すぐ近くにあるはず……!)

 私はブルース達に隠し通路の存在を伝えた。
 全員で手分けして探す為だ。

「皆聞いて、隠し通路があるわ」

 隠し通路の存在に、使用人の皆は驚愕していた。

「なんと! 確かに隠し通路があれば、今までのことは納得がいきます! なぜただのいち貴族が隠し通路を作っているのかは謎ですが……」

「ロイスが自分の好きなように浮気できたのは、毎回隠し通路へと逃していたからなんだわ。皆でそれを探しましょう」

「ですがお嬢様、当てはあるのですか?」

「さっきジェシカがこの庭園を通っているのを見たわ」

「なるほど! それでお嬢様は急にここへ来たのですね!」

「それじゃあ皆、手分けして探すわよ」

 私達は散らばって、隠し通路をしらみつぶしに探し始めた。
 人数がいるなら物量で押した方が早い。

 私はジェシカが歩いて行った方向を探していた。

「特に怪しいものは……」

 屋敷の壁面を見て、隠されている扉などがないか確かめる。
 しかし、これといって怪しいものは見つからない。
 壁を押したりして違和感がないか確認するが、あまりない。

「ということは、屋敷じゃなくて、もっと離れたところに……」

 今度は屋敷から離れている場所を探し始める。
 井戸の中や、物置小屋の中。思いつくところを探して回るが、見当たらない。
 かれこれ探して初めてから三十分以上経っている。

「ん、これは……」

 ふと、その時気がついた。
 私が見つめるその先、そこには庭園に置かれているテーブルと椅子があった。
 そのテーブルと椅子はいつも整えられて置かれているが、今日は位置が少しズレていた。
 ちょっとした違和感だったが、私はそれを確かめに向かった。

 テーブルをどかしてみる。
 見た目に反して軽かったので、簡単に横へズラすことが出来た。

「ビンゴね……!」

 テーブルの底で覆い隠されていたところには扉があったのだ。

「隠し通路、見つけたわ!」
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