いまさら「愛してる」と言われて信じるとでも?

水垣するめ

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7話

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 床の扉を開ける。
 地面と同化するような色合いになっている扉は、テーブルと同じく軽い力で開いた。
 恐らく、素早くかつ簡単に出入り出来るようにするためだろう。

 中には人が一人降りれる梯子がかかっている。
 私はまずは皆を集めることにした。

「皆、隠し通路を見つけたわ」

「なに、本当ですか!?」

「流石お嬢様です!」

 隠し通路の前に集まった皆は、テーブルの下に隠されていた隠し扉を見て驚嘆する。

「テーブルの下……こんな巧妙な隠し扉など、あるのは王城ぐらいですぞ」

「なんで貴族がこんな隠し扉を使わなきゃいけないのでしょう?」

「今は考えても仕方ないわ。確実なのは、ここにロイスの浮気の証拠があるということ。ブルース、ルーク、ついてきて」

 私はそう言って隠し通路の中に入った。
 梯子を伝って下へと降りていく。
 中にはロウソクが等間隔で灯してあり、全く見えないということは無かった。

 しかし暗いので、壁に手を当てて慎重に歩いていく。
 また梯子があったので、それを上る。
 上った先には小さな扉があった。

「二人とも、行くわよ」

 振り替り小声でブルースとルークに声をかける。
 二人とも小さく頷いた。

 勢いよく扉を開く。

 予想通り通路はロイスの部屋へと繋がっていた。
 私とブルースとルークは部屋の中へと入る。

「な、なんだ!」

 裸のロイスはベッドの上でジェシカと抱き合っていた。
 ロイスは隠し通路から入って来た私達を見て、目を見開き、ジェシカは体を隠した。

「なっ……!」

「きゃっ!」

「言い逃れは、出来ませんな」

「きっちりとした浮気の証拠ね。もしかして、これでも文化の違いと仰るつもりですか?」

「ぐっ……!」

 ロイスは悔しそうに歯噛みをしたが、すぐに私に対して怒鳴りつけた。

「おっ、お前ら! こんなことしてタダで済むと思っているのか! こっちには借金の件があるんだぞ!」

「ええ、構いませんが?」

「は?」

「ですから、構わないけと言ったんです」

「いや、何を言って──」

「し、失礼します──こっ、これは!」

 扉が強く叩かれ、慌てた様子のメイドが部屋へと入って来た。
 この部屋の状況を見て驚愕の声をあげる。
 しかしそれよりも伝えなければならないことがあるのか、報告を優先した。

「ロイス様、ホストン家当主のジョン様がお越しで、ロイス様を呼んでいます!」

「なんだと?!」
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